跳箱

跳び箱でも飛箱でも飛び箱でもとびばこでもいいけどそこはそれ跳箱なんです。体育日和のお供にどうぞ。

まねきTV第二ラウンドも制す

2006-12-23 04:51:32 | 知的財産権
寝しなに孝好氏のところを巡回していたらまねきTVが第二ラウンドもポイントゲットしたとのエントリ発見。
一審は少々素っ頓狂なところのある(失礼)高部裁判長だったため、二審でひっくり返される可能性もあるかと心配していたが知財高裁の三村裁判長が一審判決支持したのでかなりイケるのでは、と思い始めた次第。

次の見所は、ダメ元でテレビ局は上告するか?判決はいつ掲載されるか?です。まねきTVが掲載すればいいんですが2006年12月23日4:45現在まだアップされてません。ほっとして気が抜けたか?

-2006/12/23/08:10追記-
境氏が嬉しかったのでいっぱい更新と銘打ってちょっとだけ更新したなかで本件に触れているが、裁判所の判断にぶれは無かったのではないだろうか。跳箱としては、録画ネット事件での知財高裁の棄却決定(10)事実認定の補足説明を読めば録画ネットにおいてはパソコンの所有権移転が仮装されている点に問題があったと裁判所が認識していたと取れ、まねきTVにおいては一般に市販されている家電機器(ロケフリ)をホスティングしているだけだからセーフとなったのではないかと見ています。(裏づけを取りたいので早いところ決定全文を読みたいんだけど)
跳箱の想定通りだとしたら機器コストの低廉化によるイノベーション実現の一例(苦しいか?)になるかも。

フォークソノミーは犯罪か?その後

2006-12-14 00:40:27 | 知的財産権
フリーライダー嫌いな跳箱としては違法コンテンツ流通に対して鉄拳制裁は大いにアリだと考えていますが、Winny事件における検察側の主張は思想警察じみていて、技術開発に対する挑戦状であるか?と身構えていたのですが、氷室真裁判長はこの点に踏み込まない判決で高裁にトスを上げた模様。(えらく難しいタマ上げたなぁ)

以前も取り上げたように、合法的流通ルートにおいても一定のロス率を考慮に入れた上でDRM保護しないまま楽曲を流通させることによって情報の拡散コストを引き下げる実験が行われている現状において、なにをもって情報財の非合法流通と合法流通を峻別しえるのか線引きがしにくくなっているのではないかと考えます。

CNETで佐々木氏も再びこの件を取り上げて、氷室裁判長の自己矛盾がどうのこうの、と本質とあまり関係の無い議論を展開しつつ、自著の宣伝をしていますが、この記事の中で紹介されている金子氏のアイディアには、インセンティブ論的に見て甘すぎると評しておきますが、見るべき点が無いとは思いません。

コンテンツ提供者はデジタル証券サーバからデジタル証券のIDを発行してもらう。コンテンツは利用者が自由にコピーしたり配布したりできるが、その際には必ずコンテンツのデジタル証券IDを表示する。そして素晴らしいコンテンツの作成者に対して支援・投資したり、コンテンツに対して何らかの影響力を及ぼしたいと考えたら、そのデジタル証券を購入して投資することもできる。ユーザーの間で、デジタル証券を売買することもできる。この仕組みによって、クリエーターの側は利益を確保できるし、ユーザーの側はたとえば無名のコンテンツに初期投資して、メジャーになったら証券市場で売却して利益を上げるといったことも可能になる

甘いよなぁ、砂糖どっぷり、って感じではありますが、NTT情報流通基盤総合研究所のFlex Ticketに近いものは感じるので、無いことも無い、と拾っておこうかと。

少々話がそれますが、やっぱり今後のICT応用サービスは技術者だけじゃデザインできないんじゃないかとの意を強くしましたよ、ええ。経済学や社会学、心理学的素養ももっと身に着けないとうまいこと機能するものが作れないんじゃないかと。

話を戻すと、今後のネットワークサービスにおいては、もろもろのコストを考慮に入れて考えるとやはり一定の条件においてP2P技術の応用は必要だと考えていますが、これがすなわち違法流通を意味するものでは無いと考えます。OMA DRM2.0等のポータビリティが担保されたライツマネジメント技術とIdentity Provider(技術としては諸々の理由から跳箱はLibertyを支持してますのでIGFも支持してます)を組み合わせて運用するところまでたどり着ければなんとかカッコが付くかもしらん、と考えています。

とはいえ、Identity Providerには非常に重い社会的責任が伴い(トラヒックも膨大になるだろうから実務も大変)ますので、今国会で審議中(衆院は通過しましたね)の貸金業規制法案成立後に想定される、全情連CICの機能強化は実質的に跳箱の想像するIdentity Providerの雛形になるやもしれないです。(今までは事故情報を集積して、いってみれば少数の異常系だけを処理していたのが今後は総貸出し枠検出するために従来の正常系についても処理しなくちゃいけなくなるわけで、これは結構大変な仕事になるでしょう)

貸金業方面は(今は)まだカネもあるし、なんとかならないことも無いかと思いますが、これを一般化して運用しようとすると金融方面のような一極集中型の処理を狙っても担い手が見当たりません。(いや、NTTのIMSがあるじゃねーか、という議論はあとに取っといて)

となると、個人情報保護法のような大雑把な法律ではなく、電気通信事業法の関連規則(たとえば端末設備等規則とかね)のようなバキバキの手続法というか実務法規を規定してプロトコールを整え、大小さまざまな生まれ出るであろうIdentity Providerがそれぞれに蓄積、流通させるであろう個人情報の取り扱い条件を定めてあげる必要があるのではないかと考えます。

そう考えると総務省が非公開でひっそりと検討を進めているネットワークの中立性に関する懇談会は要注目でしょう。WG2でIIJがドリームボートの擁護論展開しているのも見物です。大橋の旦那、相変わらずチャレンジャーっす。

この展開は境氏の主張にも近い軌道を描いているようにも思えて目が離せません。

基礎工事進行中

2006-12-08 04:23:35 | 知的財産権
Tナビ改めアクトビラ(写真は本社エントランス、結構狭い)でうん回目の正直なるか、な双方向放送というかIPTV推進派に一歩前進の知らせあり。今国会で審議中だった著作権法改正案が衆院を無事通過したとのこと

とはいえ、文化庁の大英断と持ち上げている岸氏も苦言を呈している通り、実務上の制約をきちんとデザインしないととんだザル法になりかねない危険もはらんでいます。というか、この問題の対応策が二転三転しつつ、またもJASRAC焼け太り、てな結論にたどり着いたりすると、YouTube対策にJASRACが気合入れているわけも相当説明つく気がしてなんだかな、だったり。

それにしてもYouTubeの使い勝手とか規制とかいうネタだと反応(トラバ25)するのに、根幹を担う著作権法改正(トラバ0)には反応しないCNETヲチャーなブロガー諸氏ってどうよ?(カッコ内いずれも2006/12/08/04:21時点)

YOUTUBE居直る

2006-08-10 02:08:32 | 知的財産権
YOUTUBEが開き直っていた件、中島氏の怪エントリで大量のトラバが釣り(てゆうか跳箱モナ)あげられたのに気を良くしたのか続報がCNETに載ってたので例によってご紹介。

YOUTUBEは予想通りというか、予定通りというかな反応なので特段コメントはないんですが、記事中に見つけた、

Revverでは、広告収入を動画作成者に分配している

の一文に、よよ?と惹かれるものを感じた次第。おおう、超流通の萌芽な感じ。Revver、しばらくヲチしておくべし。

それにしてもYOUTUBEってライツマネジメント技術の成熟と普及(それ以前に認証技術の普及が必要かぁ...。)が実現していない(いなかった)草創期に一時流行したあだ花(だったね)に終わる気がしてきたなぁ。

まねきTVとクリコモなClipfileと。

2006-08-08 05:14:21 | 知的財産権
録画ネットの件ではアウトだったのに、まねきTVはセーフ。決定全文はこちら。(日曜日はウプされてなかったけど...。)

今回の決定を下した高部真規子氏は東京地裁民事47部総括判事にして、つい先日、パラマウント社のローマの休日激安DVD販売差し止め仮処分の要求を却下した御仁(決定全文はこちら)です。(パラマウントはその後、知財高裁に抗告したんだろか?)

松下アイコン訴訟で松下勝訴の判決を出したのも同氏(あれはびっくりしたなぁ)。ちなみにご存知のとおり、知財高裁でジャストシステム逆転勝訴で松下上告断念。

その他、味の素アスパルテームの件やらなんやらおもしろい判決(後に和解)を量産している模様。

さらに某所ではまねきTVに関する決定そのものより高部氏個人に関心が向けられる始末。なんのこっちゃ?

話をまねきTVの件に戻すと、原告たるTVキー各局は抗告する方針とのことなので、また逆転判決出る可能性はある(可能性たかいんでないかい?)けれども、一定の範囲で中島氏の云うような権利保護と利用の新しいバランス探しが始まっているのかとも思う、かなぁ...。ちがうんじゃないの?

テレビ局とか、既存の"プロ"の権利者が保有している著作物をパブリックドメイン化推進、というムシのよい主張にはあまり耳を傾ける気ないんす。

むしろ、NTTが始めるぞとアナウンスしたclipfileのようなものから出てくる(かもしれない)ものに力があれば、そこでパブリックドメインでもなんでもやって、生活時間シェア獲得しておくんなまし、と思う次第。(収益モデル、というかシステム維持コストの獲得モデルが見えてこないとなぁ、とも思う次第)

それにしてもNTTのリリースにクリエイティブコモンズなんて単語が載るとは...。林先生~、びっくりしたよ~。

中島氏、薪をくべる

2006-07-21 16:22:28 | 知的財産権
YOUTUBEのやりようってどうよ?な議論も裁判沙汰になるに至って、まあ、結審するなり、和解に至るなりするまで様子見するべか?な状況になり鎮火の方向に進んでいるのかと思いきや、CNETで中島氏が薪くべております。

いわく、

YouTubeにテレビ番組の一部をアップロードする行動に関しては、「ある程度までは許容範囲として認めるべきではないか、必要であれば著作権法の方を変更すべき」と感じている

なんだそうで。

著作権の在り方について跳箱はインセンティブ論派なので、中島氏の主張に基づいて、私的利用の範囲を拡大することによって、知財をタダで消費しやすくすることによって、

1:知財を創造する側のインセンティブも高まり
2:結果として知財の量、質の向上が見込め

るとのコンセンサスがオフィシャルに成立させられるならできるんじゃない?

とはいえ、この件で、従前の知財権利者の私権を制限してもおつりがくるほどの経済的利得の向上が得られるか?と問われると非常に疑問が残ります。YOUTUBEのトラヒックデータとか、財務資料とか全部見られればもうちょっと判断できるんだけどね。

ついでに中島氏は、

そこで私が問いたいのは、「YouTubeは今までテキストでしか可能でなかった『引用』を単にビデオにまで広げたもの」と考えることは出来ないだろうか

と大胆な提言していますが、中島氏、引用の定義(ちなみにWikipedia自身の引用ガイドラインはこちら)を拡大解釈しすぎです。てゆうか、それ、もう引用じゃないから。いうなれば、「作品に対するリスペクトの表明(とかなんとか)として作品の部分を自由に公開する権利」とでも言うんでしょうか?そんな感じの新しい権利すね。

まとめとして中島氏は再び、

法律というものは人々のためにあるものなのだから、それが社会の常識に合わなくなってきた時には法律の方を変えるべき

と主張していますが、"人々"って誰を指してるのかあいまいでずるい書き方だと思うよ。コンテクストから邪推させてもらうなら、中島氏が人々と称しているのは、新たな知財の生産にはまったく関与せず、他者が創造したり、財産権を保有していたりする知財をタダで使えるようになったらいいなぁ(はあと)な人たちを指して人々と言ってませんかね?

どうでもいいですが、中島氏、法律を条文だけ抜き出してコンテクストから切り離した上で(意図的かどうかわかりませんが)誤用してみせてまでこの話題に薪をくべる、という姿勢はどんなもんでしょうか?御社の社会的信用にも響くと思うんだけど。たとえば、「奥さん、聞いた?」「なになに?」「UIEvolutionsの中島CEOのは・な・し」「スクウェア・エニックスの子会社の?」「そうそう」「どうしたの?」「ブログで著作権法引用しておいて引用の意味わかってなかったらしいわよ」「えー?そんなんで大丈夫なの?スクウェア・エニックスって著作権をメシの種にしている会社じゃなかった?株持ってて大丈夫かしら?」とか。

中島氏の主張を敷衍していくと、スクエニのゲームとかもどこかの誰かに勝手にリバースされて部分を再編集されてリスペクト~とかいってればYOUTUBE(じゃないか)にウプしてヨシ、ってことになったりするんじゃないの?YOUTUBEに映像作品の一部を切り出して勝手に公表してヨシなんだから、同一性保持権は制限されるんだろうし。(それ以前にここだろな不法行為の話とかはおいとくとして)

人々、といった漠然とした言葉を使うときは自分自身や、自分自身のステークホルダー(やシェアホルダー)にも跳ね返ってくる可能性を考慮に入れないとね。

著作権初めて物語

2006-07-21 00:40:06 | 知的財産権
念のためおさらいしとこう。

簡単なおさらい:著作権法の成立過程からおさらいしてくれる上にタダで読める素敵な資料が藤本弁護士が1997年に発表したWebコンテンツと知的財産-ネット環境下の著作権と公正利用-20ページ程度の資料なのできっちりよく読む。

がっつりおさらい:するなら、

本の歴史

創元社

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で、パピルスの時代からまずは"著作物"がどう時代に位置づけられてきたのか把握するべし。

中学か高校の世界史で活版印刷の普及がルターの宗教改革成立を後押しした、なんて囲み記事は読んだことあると思うけど、跳箱はこのあたり、

新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く

NHK出版

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ペテロをルターに置き換えても良いかなぁと。

話を戻すと、印刷革命による情報流動性の拡大を契機とした社会統治コストの増大をおさえたい統治者と市場独占機会の獲得による事業安定性を獲得したい当時の印刷-出版-流通複合事業者(出版者)の利害の一致が出版特許制度を生んだあたりはかんたんなおさらいで紹介した藤本弁護士のレポートにも記載の通り。

時代はさらに下って血みどろのフランス革命がフランス人権宣言をもたらしたところで、ようやく近代的な意味における著作権が生まれたらしいけどその辺は、

著作権の誕生―フランス著作権史

日本ユニ著作権センター

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よく読む。19世紀も後半になってベルヌ条約が成立して現在に続く国際的著作権保護体制の原型が現れるけど日本じゃ、

ニッポン著作権物語―プラーゲ博士の摘発録

青山社

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プラーゲ旋風(跳箱的にはブラーゲショック、の方が適切な気も)が巻き起こるまで条約加盟してはいるけど著作権て何?な状態が続く(というか今も続いている気が)内務省を動かし、JASRAC誕生に続くのでした、べけべんべんべん。(弁士風)

続く20世紀後半をなにげにスルーしたり、輸入版CD非合法化の件とかもすっとばして、今年の1月、文部科学省文化審議会著作権分科会報告書が発表されるもネットワーク時代における著作権の在り方についてはいまだ方向性見えずな昨今に至る。

ちなみに、ラテン的自然権論はロマンチックではありますが、アングロ的インセンティブ論の方がなにかと説明しやすくってレヴィット博士も大満足なんじゃないでしょか?

YOUTUBE開き直る

2006-07-19 19:30:55 | 知的財産権
昨今、一部で熱く(?)盛り上がっていたYOUTUBEと著作権の話題(実のところ、ホントに著作権の話題なのかは疑問)に薪をくべるかのように放り込まれてきたのがこちらのエントリ

ナイスタイミング。

いわく、

「われわれを提訴してもメリットはない」--YouTube、著作権侵害訴訟でコメント

んだそうな。表向きのタイトルは、

「デジタルミレニアム著作権法を遵守している」--YouTube、著作権侵害訴訟でコメント

だったんですが、トラックバック入れようとしたらトラックバック一覧に出てきたCNETの記事タイトルは件の「われわれを~」いやー、こっちのほうが面白いと思うんだけどなぁ。どうもこのタイトルは刺激的過ぎると判断されたのか、無難な「デジタル~」に収まった模様(と跳箱は邪推)。

さて、

今回提訴したRobert Tur氏によると、同氏は1992年に発生したロサンゼルス暴動の最中にトラック運転手のReginald Denny氏が激しい暴行を受けた現場の様子を撮影したが、その映像が同氏の許可なくYouTubeに投稿され、すでに1000回以上も視聴されたという。Tur氏は米国時間7月14日に米地方裁判所に提出した訴状の中で、YouTubeはTur氏が撮影した映像で利益を上げる一方で、同氏の持つその映像の使用許諾権を侵害していると主張

している原告に対してYOUTUBEは

「YouTubeは、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)の全規定を遵守するサービスプロバイダーだ。したがって、当社はDMCAのセーフハーバー条項によって完全に保護されている」

と開き直ったとのこと。

YouTubeは声明の中で、Tur氏の提訴を受け、同氏のクリップを全て削除した

んだそうで、以前のLazy Sunday無断掲載騒ぎの際もサックり削除に応じているので某西村氏とはずいぶん対応が違うなぁ。(比較の対象が間違っている?)

そもそも今回、YOUTUBEが盾に使ったデジタルミレニアム著作権法(DMCA=Digital Millenium Copyright Act)はウルサ方にあまり評判のよくない法律なんですが、今回はうまいこと活用しているので参考にしたいところです。(ちなみに日本の著作権法はこちら、まじめに勉強したい人は判例とか、ちゃんとぐぐって(それだけで済むとはいわないが)ね。もひとつおまけにDMCA原文はこちら、ちゃんと理解しようと思うと制定経緯とか著作権条約とか、背景を理解する必要があるのはもちろんのこと)

日本でYOUTUBEと同種のサービス実現を考えた場合、スカパー社のように事前審査(Tools, not rules、という観点から考えると一番ルールよりな解決策)を導入するなり何なりする必要があるでせう。これはどうも以前から記事が出ていたあれのことらしいけど。(当時はY崎氏が担当していたけどいまどーなってんのかな?)

YOUTUBEに興奮している衆の中には自身がライツを持つコンテンツの発表(流通)方法や課金方法としてYOUTUBEは有効(ほんとか?)を主張される向きもあるようなので、スカパー社に期待してみてもいいんでない?

もっとも、レヴィット氏の

ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する

東洋経済新報社

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にもヤクの売人で儲かっているのはアタマだけ(最近、この本特にお気に入りなんでしつこく宣伝)って話が載ってるくらいで、YOUTUBE(別にスカパーでも)みたいな他人が集めたトラヒックに乗って商売しても大して儲からないし、たまさか儲かったとしても黒字化できるのはごく一握り(演出された成功とかね)に限られる(いや、始めたころは自分もその一握りに入れる、と思うんだよねぇ)のが関の山だから覚悟がある方と趣味と割り切れる方にしかお勧めできません。(金銭面もそうだけど、コンテンツ(とくくってよいものか?)を消費するために充てることができる時間という名の資源はいろんな意味でゼロサムゲームの渦中にあるわけで。

そして例によって話は拡散し続ける。

2006/07/20/02:54加筆訂正(めずらし)

フォークソノミーは犯罪すか?

2006-07-15 02:25:56 | 知的財産権
ここんとこファインダビリティがどうとか書いたりオントロジーがこうとか考えたりしてたところにCNETで佐々木氏のこちらのエントリを読んだら仰天するような記述発見。

Winny裁判で検察側は、

 「Winnyは機能に注目しても、著作権侵害を助長させるソフトである。匿名のまま送受信させる機能を持ち、送信者の特定を困難にする機能を有し、無限かつ加速度的に著作権侵害を拡散させている」

と指摘して"侵害助長機能"として

1:中継者が自分が何のファイルを中継しているのかわからないなど、暗号化による高度な匿名性がある
2:アップロードすればするほど同時にダウンロードできる数が増える機能によって、意識的にアップロードを増やさせた
3:ノード同士の趣味嗜好が近ければつながりやすくなるというクラスター機能
4:著作権侵害のファイル名を調べられる検索機能

が実装されているからけしからんとのたまっているそうな。元の文脈が判らないのでホントかどうかわかりませんがホントだとすると、

1:セキュアな(P2P)伝送は罪である
2:なんらかのインセンティブを働かせるデザインを組み込んだ対象が違法と(疑われると)インセンティブデザインは侵害助長機能とみなされる(まあしかたないか?)
3:分散ハッシュテーブルのルーティング効率を最適化するのも罪になる可能性がある?
4:著作権侵害しているデータを検索結果から排除するフィルタを実装しないとサーチエンジンは著作権侵害助長していると指摘されても仕方ない?

ってことになったりしないすか?

金子被告の思想がけしからん、というのが争点のようではあるのですが...。(それもどうよ?)

林先生あたりのコメントが欲しいっすねぇ。

私的録音補償金制度のその後

2005-08-26 03:55:37 | 知的財産権
二ヶ月前に経済産業省が私的録音補償金制度を人柱にしようとしている話を書いたんだけど続報がCNETに載っていたので紹介しとかねば。

その他の課題として「私的録音録画補償金制度の課題」が挙げられた。その中には、「録画技術の進展やコンテンツのオンライン配信の普及といった中、補償金制度の縮小や廃止の是非も含めた根本的な見直しについて、期限を設定した上で検討すべきだ」との意見も多くあった。また「すでに制度が破綻をきたしており、速やかに廃止すべき」との意見もあったため、補償金制度の存続の可否や制度を廃止した場合の段階的縮小の是非、補償金制度の見直しといったことも検討すべきだとした。

作戦は順調な模様。目をつけられたくは無いもんです。

制度そのものの問題は『その他の問題』といった取り上げ方ではなく、個別の課題として取り上げるべきではないか」との意見

も出たとか?誰だよ...。(すまん、議事録読んでないです)

googleあれこれリターンズ

2005-08-16 07:34:24 | 知的財産権
以前からどうもgoogleという会社はライツコストを負担しないフリーライドマンセーな会社なのかもしれん、Gmailは便利だしGoogle Earthも大好きだけどgoogleの会社としてのこーゆう体質は好きになれん、ぷんすか、と考えていましたが、前回紹介したgoogleが計画している書籍検索に関する記事の続報がCNETに出てたので拾っときませう。

権利者側の

Association of American Publishers(アメリカ出版社協会:AAP)のCEOであるPatricia Schroederは、「Googleが行おうとしている手続き上の変更は、著作権侵害を防止する責任をユーザーから権利保持者に移行するものであり、あらゆる著作権法の原則を覆すものである」と、声明を発表して主張

という主張に対して

米国時間11日、Googleは同社のブログで、「出版社、出版業界団体および著者」と協議した結果、11月に「Google Print Publisher Program」を変更するまでの間は、著作権物のスキャンを見合わせることにしたと述べた

とりあえず作業ストップだと。

便利にすることはいいことだけど、他人の権利を侵害してまでやっていい、ってことじゃない。当たり前だと思うんだけどね。

隣の芝生は青いか?

2005-06-28 03:38:24 | 知的財産権
ブロードバンド先進国・韓国の音楽産業事情
より。

ブロードバンド業者や、携帯電話キャリアなど、通信会社が幅をきかす一方でもっとも割を食ったのが音楽業界だ。ピーク時には4000億ウォン(約430億円)を超えていた音楽CD市場は2001年を境に急激に下落。毎年約1000億ウォンペースで下がっていき、2004年は1000億ウォン(約106億円)まで落ち込んでしまった。日本の音楽業界もここ数年音楽CD市場は冷え込む一方だが(ピーク時の1998年が6074億円で、2004年が3773億円)、下落率で言えばまだまだかわいいもの。韓国の音楽CD市場はたった4年で何と4分の1まで縮小してしまったのだ

すげー国です。

別に音楽業界は今後もCDで荒稼ぎするべきなんじゃ、とは思いませんが、ここまで乱暴な政策が実行できてしまうお国柄って...。

おそるべし。

経済産業省のDRM欲しいぞ話 その後

2005-06-28 02:34:33 | 知的財産権
以前、経済産業省のお役人様が私的録音補償金制度を縮小・廃止したいぞよ、と仰っておられまする、という話を書いたんだけど、その続報。

JEITAは「2011年に廃止せよ」,権利者は「Blu-rayも入れて」---私的録音録画補償金めぐり激論

おおう、この手の会でお役人様に「抵抗勢力」が勝てたためしがないけど、

2005年4月28日に開催された文化審議会 著作権分科会 法制問題小委員会は,いつもに増して激しい展開

となったそうで、とりあえず「みなし」で業界を代表するとされる団体様にカネが流れるスキームが一度出来上がると後始末大変、って教訓と、で、経済産業省はなんかの役に立ってるのか?って疑問とがふつふつと。

これまた、とりあえず話をまとめるために、以前もチラッと触れた、映像コンテンツのブロードバンド配信に関する著作権関係団体と利用者団体協議会との合意についてなんかも(実効するかどうかは別にしてね)将来禍根を残すことになっちゃったりするかなと...。(とはいえ必要悪なんだろうなぁ、世界はすこしづつしかマシになっていかないってことなんだろうなぁ)

愛と感動の名作 -J/META3.0発表-

2005-06-07 02:17:22 | 知的財産権
総務省、テレビ番組のネット配信に向けた権利クリアランス実験が終了
より。

めんどくさい仕事を厭わずにきちん、きちんとこなしていく総務省とマルチメディア振興センターは偉いです。感動です。跳箱でもたびたび紹介しているJ/METAが3.0になりました。労作ですからぜひ一読くだされ。

権利クリアランス実験のレポートも勉強になります。こちらもぜひ。

googleあれこれ9

2005-05-27 21:34:25 | 知的財産権
大学関連の出版活動団体,米Googleの書籍本文検索サービスに公開質問状
より。

googleあれこれ7で触れたAAUPによるGoogle Print for Librariesに対するクレームを扱った記事を見つけたので紹介。

「2004年にGoogle社がGoogle Printの一環である『Google Print for Publishers』への合意を求めた際,多くのAAUPメンバーが協力を約束した。その後2004年12月に,Google社が図書館を対象とする同種のサービス『Google Print for Libraries』を発表したことで,我々は困惑を覚えた。Google Print for Publishersに対する合意を求めるやり取りのあいだ,Google社が同Librariesにまったく触れなかったために不信感が生じたのだ。さらに,その後Google社の行った同Librariesの説明は混乱を助長してしまった。我々は,大規模な著作権侵害が組織的に行われる危険性を心配している」

んだそうな。そりゃ心配するよな。詳細は日経BP ITProの記事を参照しておくんなまし。

ところで以前からCNET Japanはgoogle社を超大物として取り扱う傾向があるけどそうしてくれってgoogleから頼まれてるのかね?