バリエーション山行同人

藪岩、沢等を中心としたバリエーションルートを中心とした山行を志向しています。

南ア 笊ケ岳(2017.10.7-9)

2017-10-10 08:23:21 | 尾根

バリエーション山行と銘打つのはやや躊躇する部分はあるが、アプローチが長いことからなかなかこれまで行く機会が無かったため、今回、トライすることにした。私自身、椹島に入ることすら、かなり久しぶりだ。

【1日目】
新幹線利用で静岡駅に向かい、レンタカーにて畑薙第一ダム下の臨時駐車場にて、(株)特種東海フォレストの送迎バスを待つ。

▼15:00発の最終バス。3,000円をドライバに前払いし、後で宿泊費に充当されるシステム。道中、運転手による景観案内(往復とも)は往年と同じ。
   このバスは今年導入された新車両で「赤石号」と言うのだそうだが、車両ナンバーを標高と同じにしたらしい(復路の運転手談)。

 

追加1,500円(寝具なし素泊まり=4,500円)で案内された「さわらじま登山小屋」。うち1棟は、コインロッカー(1日300円または400円)で我々も利用させてもらった。素泊まりの利用者は極めて少ないようで、我々のほかは1パーティーのみ。お蔭で、静かな夜が過ごせ熟睡できた。だが、食事つき宿泊棟との建物外観の印象の違いは大きく、例えると、それぞれ「捕虜収容所」と「独身寮」といった感じ。

▼「捕虜収容所」の方

▼「独身寮」の方

 

【2日目】
今日は、幕営用具を担いでいくものの、もし調子が良ければ、日帰りで椹島まで降りてくる予定。このため、未明の4:30に椹島を出発した。

▼千枚岳への道を分け、滝見橋を渡ってすぐの登山口。辺りは工事の資材を置き場になっていた。

 

つづら折れの急登を経て、尾根に出る。背後を振り返るが、樹影が濃く、なかなか背後の南アルプス主稜の巨山群の山容を確認することができない。

 

▼標高2000m付近に有った静岡県設置の標柱。辺りは、伐採跡の小広い広場になっていた(幕営適地)。

 

この後、6本の水の流れる沢を次々と渡っていく。この場合、カウントとしては、ほぼ同じ箇所にあると見なせる枝沢は数えない。このうち、2、3、4番目辺りの沢付近は、トラロープが随所に張られるなど、足場の悪い急登、急下降が多い。ハードな区間であることは相違ないが、2017年版の「山と高原地図」に記載の「非常にハード」かは人によって感じ方が違うかもしれない。

 

▼たぶん4番目くらいの沢(だったような。。。)。右にある踏み跡目指して渡渉する。

 

6番目の沢を超えて、小尾根を乗り越すと急に辺りが開け、上倉沢の源頭部にでる。沢は伏流になっており、この日は、渡河地点の上部と下部で水の流れる音がした。渡河地点周辺は新しいペンキ印が付けられており、迷う心配はなさそう。

 

▼中央奥に黄葉に彩られた、目指す笊ケ岳のピークを望むことができた。

 

▼広い河原を渡り、左岸の台地に上がる。

 

▼左岸の台地上にある幕営適地。我々はここに荷物をデポし、山頂を向かった。

 

最初は、涸れた小沢の源頭を進む感じであったが、程なくして、左側の斜面をつづら折れに登るようになり、標高をかせぐ。

 

▼白峰南嶺の縦走路に出た(10:30)。

 

▼山頂へ向かう尾根筋での紅葉。

 

▼無人の笊ケ岳山頂に到着(11:00)

 

この日は9時過ぎごろまでは晴れていたが、徐々に雲が出てきて、特に東の山梨県側はガスに覆われ全く展望が無かった(但し、無風)。一方、西側も、残念ながら、主稜の頂稜部に沿って雲に覆われ、期待した南アルプスの大展望は望めなかったが、山腹のまだら模様の紅葉黄葉は堪能できた。

 

▼笊ケ岳山頂から西側を望む。

 

この日の笊ケ岳周辺は全く静かで、山頂からの下りで、この日の朝、荒川小屋を発って、二軒小屋、転付峠を越えて、笊ケ岳までピストンし、椹島に降りるという単独のトレイルランナーと、2名の椹島ピストン者に会ったのみであった。我々は、デポした荷物を回収し、往路を戻ったが、途中、ビバークした。

 

【3日目】

▼翌朝8:15の登山口。

 翌朝、椹島に降り、10:30発のバスを待っている間、大倉財閥の足跡をたどる碑を見学したり、無人の写真館(200円)を見学するなどして余りある時間を費やす。復路は、計4台のマイクロバスを連ねて、駐車場に戻った。駐車してあった車に乗ってすぐの白樺荘(510円)でヌルヌルした温泉、食事をのんびり堪能し、その後、いろいろ有ったが、静岡駅に18:00前にようやく帰着することができた。