吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

覚悟無きボトムズ乗り

2017年06月15日 | 

軽トラの話。

2017年現在、日本の軽トラはわずか三車種とそのOEMしかありません。
そしてそれらはすべてフルキャブオーバーです。

1999年頃から、衝突安全基準の強化に伴って、スバル(富士重工)を除く各社はすべて軽バンをセミキャブオーバーに移行しました。
スズキ、ミツビシ、ホンダは軽トラもセミキャブオーバー化しました。
スバルとダイハツは軽トラのフルキャブオーバーを維持しました。

その後、スバルは残念ながら軽自動車から撤退、すべての軽バンはセミキャブオーバーになりました。

一方、軽トラではセミキャブオーバーの評判が悪かったのでした。
キャビンが狭い、荷台が短い、右足のところのホイールハウスがジャマ、ホイールベースが長いので旋回半径が大きい、オフロード性能が低いという理由です。

ホイールベースが長いというのはデメリットだけではなくて、直進安定性と乗り心地にとってプラスなのですが、それよりもオフロード性能と小回り性が勝ったということです。
つまり、農地のあぜ道や近所のスーパー、ホームセンターくらいを行動範囲にする層が主たる客層で、メーカーも国もそちらを向いたと。
ま、ジジババはあんまり飛ばさないとでも思ったか。

セミキャブオーバーの軽バンのオフセット衝突は時速64キロですが、軽トラは56キロです。マイル基準だねえ。40マイルと35マイル/時だ。
どうせ空荷でテストしてるんでしょ?
フル積載の350キログラムが背中から押し寄せてくるわけじゃないんでしょ?
より衝撃の大きいフルラップ衝突のデータが見つからないんですけど。
基準を下げてでもフルキャブオーバー化しないとこの不景気では売れないということでしょうかね。
軽トラは国内限定に近い商品ですから。

かくして、僕が積載性重視で軽フルキャブバンを求めるのと同様、軽トラに安全性と安定性を求める層は中古車しか選択肢はなくなったのです。

僕自身は覚悟のボトムズ乗りなので、キャブオーバー上等なのですが、セミキャブ軽トラも一車種くらいはあっても良いと思う。

安全性のために機能性を削った軽バン、機能性のために一度は高めた安全性を削った軽トラ。
元は同じフレームだったのにその運命は別れたのでした。

まあ、現行軽トラ乗りは覚悟の上で乗るように。
事故に遭ってまさかなんて言わないように。

オレたちが乗ってるのは防御力最弱の鉄の棺桶なんだぜ。
それはオレやアンタ、皆が望んだことなんだ。

鉄のララバイ

生き残れ!ただこの日を。

 

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2 コメント

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軽ボンネットトラック (tachinon)
2017-06-16 08:57:41
 いつも楽しく、興味深く読ませてもらっています。
 年金生活に突入で、車輪の数が半分に、排気量は1/6に減ったtachinon爺です。
 マツダのポータートラック(360cc)を最後に「実用的な」軽ボンネットトラックはなくなりましたね。(マー坊は荷台小さすぎた)30代の前半、マツダのポーター、を米屋さんから譲っていただいて乗ってました。今の軽トラに比べれば、荷台の長さは短いけれど、120cm位はあって、事務机が載りましたね。後ろのあおり倒せば、大きくないオルガンなら、載るんじゃないかなぁ・・・。
 背中が取外せるようにして、後ろをホロにすれば、つかい道広がるのに、・・一番安い軽ボンバン一寸いじればできそうな気がするけれど・・売れないですね。
ボンネットトラック (吉倉オルガン)
2017-06-20 22:55:42
tachinonさん、ようこそ!

ポーター、良いですね。ちょっと触らせてもらったくらいしかありませんが、あの狭さも楽しかった。

軽のみならず、ボンネットトラックは絶滅品種ですね。
アメリカ向けスポーツトラックみたいなのしか無くなってしまいました。

ダットサントラック720を所有していたこともあるのですが、あれはあれで良かった。

効率を突き詰めすぎても色々ツマラナくなりますね。

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