軽音楽談話室(廃屋)

「琥珀色に魅入られてしまった人生・・」

Bootleg Him ! / Alexis Korner

2012-07-30 02:00:00 | 音楽
何時もとはスタイルを変えましょう・・・・・曲数とメンツが複雑すぎて・・・・
1972年に発表されたアレクシス・コーナーの未発表音源集です。ブートレッグ捩りですが、ジャケットはどう見ても「プログレッシブ・ロック」、内容も一部痛快なジャズロック風の曲もありますが、まあブルースですね。凄いんですが・・・凄さは曲毎に。

1.She Fooled Me
 Unknown Artist : Bass
 Colin Bowden : Drums
 Cyril Davies : Harmonica
 Keith Scott : Piano
 Alexis Korner : Vocals, Electric Guitar

ブルース・ハープ、ホンキーなピアノ、アコギの様な音のエレキ・ギター。典型的な初期エレクトリック・ブルース。ピアノは高音部だけで目立っています。まあ・・・・

2.I'm A Hoochie Coochie Man
 Jack Bruce : Bass
 Charlie Watts : Drums
 Alexis Korner : Electric Guitar
 Dave Stevens : Piano
 Dick Heckstall-Smith : Saxophone
 Cyril Davies : Vocals

いよいよ登場のジャック・ブルース、複数の管を同時に吹きまくるヘクトール・スミス、そしてローリング・ストーンズのドラマーですね。広大な交友関係の(門下生と言うよりは交友の方が近い)始まりです。
1曲目よりは重さが増しましたが、路線は同じです。ベースが図太い、ブルース特有の泥臭さが少しだけ増したかな。スタンダード曲、ブルージーな雰囲気は最高ですが、ボーカルはあくまでも白い。ヘクトール・スミスはハーモニカですね。

3.Yellow Dog Blues
 Danny Thompson : Bass
 Terry Cox : Drums
 Alexis Korner : Electric Guitar
 Chris Pyne : Piano
 Ray Warleigh : Saxophone

スロー・ブルース。管が多重録音?ペットとサックスですね。味のあるビアノ・パートが秀逸、ゆったりとした雰囲気が素晴らしい。気怠いコーナーのギターも良いですね。そろそろジャズ・フレーバーが漂ってきました。

4.I Wonder Who
 Dave Holland : Bass
 John Surman : Saxophone
 Chris Pyne : Trombone
 Alexis Korner : Vocals, Electric Guitar

デイブ・ホランドとジョン・サーマン、英国ジャズ・シーンの猛者達が参加。スロー・ブルースですが、引っ掛かる様なコーナーのギター(サムピック?)が素晴らしい。猛暑の午後に聴くのには最高の音楽です。管は取り合えずオマケの様な感じですが、スキャットとギターがユニゾンで暴れまくる完全にアレクシス・コーナーの一人舞台ですね。サーマンのソロパートでフェードアウト・・・・・

5.Dee
 Alexis Korner : Acoustic Guitar
 Dave Holland : Bass
 John Surman : Saxophone
 Chris Pyne : Trombone

引き続き同一メンバー、ドラムがいないのでどうしてもスロー・ブルースになってしまいます。前曲同様ベースと二人だけで十分雰囲気が出来上がっていまが、今回はインストですのでユッタリとした管のアンサンブルも活躍。それにしてもこの人のブルース・ギターは凄いですねぇ、内田貫太郎を思い出してしまいます。(比較の対象じゃない?)

6.Oh Lord Don't Let Them Drop That Atomic Bomb On Me
 Danny Thompson : Bass
 Terry Cox : Drums
 Alan Skidmore : Saxophone
 Chris Pyne : Trombone
 Alexis Korner : Vocals, Electric Guitar

ペンタングルのリズム隊ですね、アラン・スキッドモアのサックスが完全にジャズ、よってコーナーのギターもジャズ色が強くなります。

7.Rockin
 Jack Bruce : Bass
 Ginger Baker : Drums
 Alexis Korner : Electric Guitar
 Johnny Parker : Piano
 Graham Bond : Saxophone
 Dick Heckstall-Smith : Saxophone

おっとっと、まだサックスを吹いていた頃のグラハム・ボンド、このメンツでキーボードがオルガン弾きのグラハム・ボンドとなれば「オーガニゼイション」。曲は軽快さがあるブルース・ナンバー。ファンキーな雰囲気のテーマ、ピアノとホーン・アンサンブルが御機嫌。グラハム・ボンドも横のオッサンが管を2本も咥えて演奏するのを見ちゃ、オルガンに転向もやむなし。(そんな事はないか・・・・)ギターの音色はチープ。

8.Honesty
 Danny Thompson : Bass
 Terry Cox : Drums
 Alexis Korner : Electric Guitar
 Ray Warleigh : Saxophone
 Chris Pyne : Trombone

再びペンタングルのリズム隊、落ち着いた雰囲気の良いリズム隊です。御機嫌なブラス・ブルース・ジャズ風イントロというかブレイクを数回繰り返すテーマ。トロンボーンのソロパートが秀逸なライブ演奏、ギターの音色はシャミシャミしています。後半はサックスの見せ場、少しフリーキーなスタイルが中々素晴らしい。

9.I Got A Woman
 Danny Thompson : Bass
 Alexis Korner : Electric Guitar
 Ray Warleigh : Saxophone
 Brian Smith : Saxophone
 Nigel Stanger : Saxophone
 Herbie Goins : Vocals

段々とブラスの人数が増えています。ブラス・ジャズにロック(ブルース)のスピリットを加味したスタイルの行き着く先に、プログレがチラホラと垣間見えるのですが・・・・まだ本格的なファンキー・ブルース路線。

10.Mighty-Mighty Spade And Whitey
 Andy Fraser : Bass
 John Marshall : Drums
 Ray Warleigh : Saxophone
 John Surman : Saxophone
 Lol Coxhill : Saxophone
 Chris Pyne : Trombone
 Malcolm Griffiths : Trombone
 Harold Beckett : Trumpet
 Henry Lowther : Trumpet
 Paul Rodgers : Vocals
 Alexis Korner : Vocals, Electric Guitar
 Peter Thorup : Vocals, Electric Guitar
 Annette Brox : Vocals, Tambourine

アンディー・フレィザーのベースの音が「フリー」の時の演奏そのまんま、独特のタメを持っているボッコボコと籠もって響き渡るベース音はある意味新鮮です。そしてジョン・マーシャルの端正なドラムと来た日には・・・プログレの名品と行っても良いでしょう。ポール・ロジャースのボーカルはバックコーラスですね、当然メインではない。ジョン・サーマンとロル・コックスヒルのサックスまで入っていて・・・・凄いメンツにも程がある。サックスのソロパート(誰だ?)も素晴らしい、作品中1・2を争う名品です。

11. Corina
 Alexis Korner : Vocals, Acoustic Guitar
 Victor Brox : Vocals, Trumpet

アコギの演奏に低音の艶っぽいブルージーなボーカル(コーナーではない)、後ろでペットが悲しく棚引きます。ボーカルも渋々、演奏もスローで雰囲気は最高。この手の曲聴くと「やっぱり本物のブルースは良いねぇ」と思うのですが・・・この世界は怖いからなぁ。

12.Operator
 Alexis Korner : Acoustic Guitar
 Steve Miller : Vocals, Piano
 Robert Plant : Vocals, Harmonica

待ってましたロバート・プラント(一応ね)。スティーブ・ミラーはあの「スティーブ・ミラー・バンド」のギター弾きではなく、キャラバンの「ウォータルー・リリー」に参加していたミラー君ですね。曲調はやはり引きずる様なスロー・ブルース。いきなりシャウトするプラントのボーカル、後ろで何気に響くギターとピアノ、前の曲とボーカルタイルが真逆なところが面白い。プラントのブルース・ハープも聞き所、そしてコーナーのギターの音色がブルース的には昇天しています。スチールギターか?シャミシャミの極限。プラントの勢いに影響されないバックの二人の渋々の演奏も聞き所、名演です。

13.The Love You Save
 Victor Brox : Piano
 Alexis Korner : Vocals, Electric Guitar

さっきボーカルとペットを披露していたビクターさんは今度はピアノ、一体何者なのか?それほど上手くはないので安心しますが。ピアノの音色で重味のある少し華やかさのあるブルースナンバーとなっています。

14.Jesus Is Just Alright
 Ray Babbington : Bass
 Peter Fensome : Vocals
 Peter Thorup : Vocals, Electric Guitar
 Alexis Korner : Vocals, Mandoguitar
 Annette Brox : Vocals, Tambourine

それにしてもソフト・マシーン人脈がヒョコヒョコと顔を出しますねぇ・・・・・今度はロイ・バビントンですか。リズムはタンバリンとベースだけですので、ズ太いベースが目立つ目立つ。基本コーラス・ナンバーですので面白味は・・・ベースだけ。

15.That's All
 Colin Hodgkinson : Bass
 Alexis Korner : Composed, Vocals, Acoustic Guitar
 David Ward : Composed

今度のベースはコリン・ホッジキンソンです。この曲はトラッド色の強いノンビリとしたナンバーですね。シンプルなベースにノンビリとしたボーカル、ブルース色は殆どありません。ベースとギターのユッタリとした絡み合いも楽しめます。実は名演。

16.Evil Hearted Woman
 Peter Thorup : Acoustic Guitar
 Colin Hodgkinson : Bass
 Alexis Korner : Vocals, Tipple

力強いアコギのカッティング、おやっ?と思えばギターはコーナーではないのですね。ベースも実はテクニシャン(当たり前か)、以外と暴れまくっています。ギターとベースの絡み合いは凄いですよ、脳天気なブルースの権化が降臨。

17.Clay House Inn
 Colin Hodgkinson : Bass
 Jack Brooks : Drums
 Larry Power : Electric Guitar
 Chris MacGregor : Piano
 Alexis Korner : Vocals, Acoustic Guitar

ちゃんとしたグループ仕様ではホッジキンソンのベースの異様さが強調されますね。力強さと哀愁が漂うナンバー。普通のエレキ・ギターが新鮮です。サビのフレーズから揚水の「東へ西へ」を思い出してしまいました。

18.Love Is Gonna Go
 Colin Hodgkinson : Bass
 Alexis Korner : Vocals, Acoustic Guitar

ベースを従えた弾き語り形式のブルース・ナンバーですが、ジャズ・ロック・トリオ「Back Door」を率いていた変態リード・ベーシストですので、凄く不思議な「ブルース」に仕上がっています。プログレ・ブルース?

19.Sunrise
 Herbie Flowers : Bass
 John Cameron : Conductor, Electric Piano
 Spike Heatley : Bass
 Barry Morgan : Drums
 Tony Carr : Drums
 Neil Sanders : French Horn
 Alan Parker : Guitar
 Bill LeSage : Percussion
 Jim Lawless : Percussion
 Bob Efford : Saxophone, Woodwind
 Danny Moss : Saxophone
 Harold McNair : Saxophone
 Pete King : Saxophone
 Ron Ross : Saxophone
 Tony Coe : Saxophone
 Bill Geldard : Trombone
 Brian Perrin : Trombone
 Don Lusher : Trombone
 John Marshall : Trombone
 Greg Bowen : Trumpet
 Harold Beckett : Trumpet
 Henry Lowther : Trumpet
 Kenny Wheeler : Trumpet
 Les Condon : Trumpet
 Tony Fisher : Trumpet
 Peter Thorup : Vocals

ブラス・オーケストラ、ブルースらしからぬ哀愁を纏い漂うペットが無茶苦茶素晴らしいイントロ、続くアコギの音色も澄み切っていて、入りの雰囲気はブルースではないのですが、ボーカルが始まり一瞬にしてコーナーの世界になってしまいました。ダブル・ベースとダブル・ドラムが重々しくリズムを刻み、ブラス陣がシットリと漂う展開は、中々ブルースでは聴かれない世界です。この後プログレっぽく展開するパターンもあるよなぁ・・・・

20.Hellhound On My Trail
 Alexis Korner : Tipple
 Peter Thorup : Vocals, Acoustic Guitar

ラスはお得意のデュオ、コーナーとは違うシャウト系のボーカル、何時になく力強いカッティングが少し違和感タップリかも。弦の絡み合いは迫力満点。

総評:カラフルな内容、アレクシス・コーナーの変遷が手に取る様に分かります。が、マニア向けの作品ですね。久々に「ゼップ」と「フリー」と「バック・ドア」が聴きたくなりました。






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