フィエスタの谷 山行記録

【福島県勤労者山岳連盟所属】フィエスタの谷は山に登る事が好きな仲間の集まりです

白馬主稜(2017/5/16~18)

2017-05-26 | 山行記録

メンバー:草野CL・慎也SL・生田目(記)

5月のG/Wは休暇を取れないメンバーが大多数のいわき組ですが、16日~の3連休を取れた3人で北アルプス計画を立てた。
直前に慎也君の風邪の具合が悪化し体調を考慮して西穂方面も検討したが、慎也君がB.Cでテントキーパーでも参加するとの事で白馬岳に決定した。
白馬岳主稜は国内では有名な人気のある雪稜ルート、トップアウトすれば白馬岳の頂上となる。
G/Wぐらいまで雪稜・雪壁も安定していて登りやすいと言われている。
当会でも過去2回登っているが2回ともG/W中だった為、私自身は参加出来ずにいた。

【5/16】
16日AM9:30 いわき生田目宅集合出発、常磐道→北関東道→長野道経由で白馬村に午後3時頃着、コンビニで買出しし猿倉に向かう。車窓の新緑と山の残雪が美しかった。
猿倉Pにて荷物のリパックをし午後4時頃出発、残雪の多い林道を登り重荷に嫌気がさし始めた5時半頃白馬尻着、雪崩のリスクの少ない小高い中洲雪面上にBCを設置した。
入山祝いは外で雪の消えたスペースで宴会となる、慎也君一押しの焼きビーフン料理を堪能した。風がなく冷え込みも弱くまずまずの天気の中、明日に備え早めの就寝となった。
  
※写真をクリックすると大きくなります。記事の下に【アルバム】があります。

【5/17】
17日AM3:30起床 天気は無風晴れで暖かい。朝食は途中で食べる事にして準備をし4時半に草野CL・生田目出発。慎也君は体調が悪いのでテントで休むとの事。
8峰までの登りはBCから見ると1時間程度に見えるが実際登ってみると雪面にシュルンドがあったり、ブッシュを越えたりで案外時間がかかった。
雪の状態が良かったのはこの時間までで気温の上昇共に雪が腐ってきた。ナイフリッジになり谷底までの高度感が凄い。
6峰までは所々にもろい岩場、藪、不安定なスノーブロックの乗越等で神経的に疲れた。
 

その頃、慎也君から電話があり体調が良くなってきたので大雪渓から登って行くとの事。
4峰あたりから高度感のあるナイフリッジと急な雪面が連続した。
午後2時頃から点発生湿雪雪崩が頻発し始めてナイフリッジの足下2mぐらいから雪崩が発生していた。気持ち悪い。
3峰ぐらいからガスの切れ間から頂上直下の雪面が見えてきた。急な雪面にステップの跡がどこまでも続いており、「天国へなのか地獄への階段なのかわからない」と草野さんの一言。
    

頂上を確認できたので精神的に楽になったがまだまだ登りが続く、小雪が舞ってきた。
2峰の急な雪面を登り始めると頂上稜線に慎也君を確認出来た。心強い。頑張って登る。
やっとの思いで頂上と2峰のコルまで辿り着いた。天気は回復していたが日陰になり寒かった。
少し休憩し草野さんリードで最後の雪壁に入って行く。途中左側の露岩にハーケン2本を見つけ1ピッチを切った。足場が湿雪で安定しない。
2ピッチ目、草野さんが深いステップでも崩れる足場を慎重に拾いながら最後の雪庇を乗越し視界から消えた。続いて登ったがセカンドなので不安はない。
途中のけぞるように登ってきた主稜を振り返って見ると、素晴らしい景色だった。ピッケルのシャフトを深く差し込み陽光のまだ眩しい頂上に立った。
草野さんと握手をし苦労の多かった主稜が終わった。
    

慎也君の段取りで小屋の食事時間を調整してもらっていたので6時すぎに小屋着。6時半から夕食に有り付けた。
朝からまともに食べていなかったので2人共シャリバテだ。あの日本一の集客出来る小屋に今夜の泊はフイエスタの3人と他1人の4名だけ。
慎也君の話によると天候の具合で大雪渓を途中で下山したパーティーもいたとの事。小屋のスタッフも小人数だったが対応が良かった。
具だくさんの味噌汁がありがたかった。ビールがこれほど美味しいものかとも思った。消灯まで慎也君と話が弾んだが10時就寝。
    

【5/18】
18日5時に起きた。外は一面の銀世界、黒部越しに見えるの立山・劔が綺麗だった。小屋ではヘリによる荷揚げが始まっていた。
下山準備をし7時半に大雪渓に入り下降開始。昨夜の新雪で私のアイゼンは雪団子が出来て不安定。アンチプレートの威力は大きい。
急斜面が終わるころからはザラメ雪となり楽になった。
昨日主稜から大雪渓で雪崩遭難した方を救助作業が見えたあたりを下り合掌し各人尻セードしながら短時間でBCに戻る。*私達が下山した翌日発見された。
遭難した長谷川さん(37歳男性)は山岳ガイド武田君の友人で将来のあるクライマーとの事、残念。

猿倉に12時頃着 白馬村のアルプスの見える温泉に入り美味しい蕎麦を食べ2時頃に帰路に着いた。いわきには19時頃到着。
賞味期限切れの恐怖の主稜を怪我もなく登れて草野さん、慎也君に感謝しております。また、かおりさんの連休に合わなくて無駄になりすいませんでした。
今回二ッ箭山のトレーニング中、冬靴が壊れファイブテンのアプローチシューズ+アイゼン+いつもの青葉の服装で登りましたが、慎也君からアルプスをナメすぎている男と笑われました。
風も無風で悪天候にならずよかった。次回は賞味期限内に短時間で登ります。

◆アルバム:白馬主稜2017/5/16

コメント (3)
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