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開山無相大師650年遠諱記念 妙心寺展

2009-04-30 | ア-トな話し
2009.3.24~5.10 京都国立博物館

妙心寺の開山(初代住職)の無相大師の650回忌が21年12月21日に行われるのを記念しての展覧会。50年ごとに行われる大法要を"遠諱"と称している。
東京で開催した後の巡回展である。
国宝4件、重要文化財48件、寺外初公開・新発見の作品をふくむ名宝の数々が展示される。

今回の展覧会で見たかったひとつは、これです。

達磨像 白隠慧鶴筆 大分・万寿寺蔵
京都でしか展示されない、しかも後期(4/21~5/10)しか展示されない。
会って来ました。すごい迫力で迫って来ます。

「7章 近世の禅風─白隠登場─」 の展示品は大多数は京都でしか展示されません。

白隠 慧鶴(はくいん えかく、1686年1月19日- 1769年1月18日は、臨済宗中興の祖。江戸中期の禅僧である。
五百年に一人の名僧とまで言われた。

「駿河には過ぎたるものが二つあり 富士のお山と原の白隠」と言われています。

ちなみに白隠は、駿河国原宿(現・静岡県沼津市原)に生まれています。

そんな白隠の作品が他にも、何点か展示されています。
絵は、素人ながら、素人ゆえの大胆さでしょうか?
見る者を圧倒します。

もうひとつ見たかったのが、これ



国宝 瓢鮎図(ひょうねんず)  如拙筆 退蔵院蔵

絵は有名ですよね。学校の教科書に載っていた気もするので誰もが知っている。

教科書は下半分の絵の部分だったと思います。

実物を初めて見ました。

足利義持の命により如拙が描いたもの。

瓢箪(ひょうたん)をもって鮎魚(中国の漢字を使っているが鯰(なまず)のこと)を押さえ捕らえうるかどうかという禅特有の公案を描いたもの。

無理難題というやつですね。(笑)
禅の世界ですから、正解はなく、いろいろ考えることが大事なのですね。

上の文字部分に考えた結果が描かれています。

将軍義持が当時の京都五山の禅僧31人に書かせたもの。

どんな答えか楽しみですが(笑)しょせん禅問答ですから、多くは期待出来ませんね。

こういうのを描かせる、一生懸命に描く、また答えを考える。
そういうのが、残っていて、国宝になっている。

それが楽しいですね。

この絵は、後期だけの展示。今なら会えます。
退蔵院で常設展示されてはいるようですが。

他にも、ポスターに使われている

龍虎図屏風 狩野山楽筆 妙心寺蔵

これもすごい。迫力一杯、これも後期だけの展示です。

妙心寺の梵鐘(国宝)は音色が流れています。いい姿形です。
春光院の銅鐘 IHS紋入 も、小ぶりながら、いい感じでした。

一杯見るところがある展覧会。
カタログの厚さも尋常ではない、持って帰るのが重たい。厚さ3.4cm
2500円もしますが、妙心寺管長の手拭が付いています。
せめてもの気持ちという京都らしい、配慮かな。

最後に、これ


昭和天皇宸翰 「無相」号

550年遠諱で明治天皇より諡られた「無相国師」の号を、600年遠諱-昭和34年-の際に昭和天皇が揮毫されたもの。力強い筆跡である。
天皇の直筆に巡り合うことはめったにあるものではない。

しかも、今日は(展覧会に行った日)、昭和天皇の誕生日。
少し前までは、天皇誕生日、その後、「みどりの日」。今は「昭和の日」

今日展覧会に来た人は、なお一層感慨深く見たのではないでしょうか?
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