goo

琴線に触れる喪中のごあいさつ

2005-12-17 | 言葉のいろいろ
年賀状の季節になると年賀欠礼の挨拶状をいただく、自分が年を取ると共に増えるようだ、今年も30通程。
訃報を知らずに、申し訳ない思いをしたりするが、大概文面は定例文である。
その中に、秀逸な喪中のハガキが来た。
ご親交いただいてる作家の武部好伸先生からの分である。
亡きお父上への追悼の思いが滲みでて、琴線に触れるごあいさつである。
先生のお許しを得たので、ここにご披露し、ご冥福をお祈りします。

 今年も残り少なくなってきました。皆様
いかがお過ごしでしょうか。
 さて、11月26日、父.孝太郎が85歳で
永眠いたしました。
 大阪城にほど近い長屋の仕事場で、真夜中、
裸電球の下、一升瓶を傍らに薄汚い作業着を
身につけ、黙々と印刷をしていた父の後ろ姿....。
その情景が父を初めて意識した幼き日のぼくの”原風景”でした。
小柄な人でしたが、その背中はとても大きく感じられました。
 何ひとつ文句を言わず印刷機に向かっていた父。
挫折したり、落ち込んだりしたとき、その姿が自然と
思い起こされ、何かしらの力を得ていました。尋常小学校しか
出てない全くの小市民でしたが、知識欲が旺盛で、芯が通って
おり、ぼくには尊敬すべき大正男でした。
 「おおきに! ありがとう!」。父が旅立ったとき、素直に
感謝の気持ちがこみ上げてきました。
 そんなわけで、喪中につき新年のご挨拶をご遠慮申し上げます。
時節柄、くれぐれもご自愛なさってください。

goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。