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映画「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」


2014 仏 103分 松江SATY東宝にて鑑賞 原題≪Grace of Monaco≫
監督 オリヴィエ・ダアン 出演 ニコール・キッドマン ティム・ロス フランク・ランジェラ 

【解説】
ハリウッド女優からモナコ公国大公妃へと華麗な転身を遂げたグレース・ケリー。
公妃時代の1962年にフランスとの関係悪化の影で夫レーニエ大公を支え、和解に向けて動く姿を描く。(「ぴあ映画生活」より)

【感想】
自分の生きている現実には遠い、衣装や宝石の華麗さ、地中海沿岸の美景を楽しみながら、一方で自分とも共通の、既婚の女がキャリアと家庭の間で揺れる思い、そして想像もつかぬ複雑な欧州の外交関係をも知らされる。
スパイの疑惑シーンなど、推理劇の味わいもある。ヒチコックが横向きの影絵で登場するのも楽しい。
私の好きなニコール・キッドマンは立派に演じたと思うし、一言にして言うと脚本のよく出来た、上品で美しい映画だと思う。

1962年、モナコは危機に瀕していた。
この国は人口3万余の小国で、軍隊を持たず食糧・電気・水道もフランス頼みである。
アルジェリア戦争で国庫が疲弊したフランスはモナコに課税するか合併かを迫る。
モナコが長い歴史を生きのびたのは、「狡猾さと決断力」によるもの。

グレース・ケリーの状況はというと結婚して6年たち、2児を得ているが、率直なアメリカ流とモナコのしきたりの間で衝突が起き、夫は美しい人形のように沈黙することを求めていた。広い王宮の中で夫と会うことも稀で、彼女はあまり幸福ではなかった。その時ヒッチコックが訪ねてくる。持込んだ企画は盗癖のある不感症の女が主役の「マーニー」。それを引き受けようとする彼女。夫も承諾し、内密に事を運ぼうとしたが何者かによる情報漏れでこの件は危うくなる。彼女は女優復帰をあきらめる。この夫婦と国の危機に際して覚悟を決め、この国の妃として、子供の母として生きようとして、儀礼、フランス語、国の歴史等を本腰を入れて学ぶ。民衆と触れ合い、国境警備のフランス兵に自ら贈物を届け、舞踏会を主催して「戦争ではなく愛を」のスピーチで国際世論をモナコに好意的に導く。

「私にとって、おとぎ話とは、疑いも迷いもなく無条件に愛し愛されること」と彼女は言っている。
意外にもグレース・ケリーには、「自分は醜く出来の悪い子」だという劣等感があった。それは父親に疎まれたため。、
オスカーを受賞した際も、父親はお気に入りの姉の方を褒めるだけだった。
夫にも、アメリカ人神父にも、あるいはヒッチコックにも彼女は父親の愛を求めていたのではないか……。

マリア・カラスが歌う「私のお父さん」にはグレースの父への切ない求愛を感じるし、
「ミゼレエレ」は、やがて来るべきグレースの死への哀悼のようだ。

最初のシーンでハリウッドの撮影所が映る。クランクアップで祝福を受け彼女は欧州へと旅立つはずだが、映画の最後にも彼女は同じ所にいる。あたかもモナコに嫁いだあとも彼女は、演技を続けていのだと言うかのように。

別にどうでもいいことだが、
映画に行く途中、信号で前車が「3333」の番号。気になって写真に撮ったら、SATYへ入って行った。
映画中の王妃の車も、背番号が「3333」だった。彼女が自分の映画を見に来たなんてことは無いか?

ニコール・キッドマン
 →「記憶の棘」6-11-3
 →「記憶の棘2」11-8-17
ヒッチコック
 →「レベッカ」 12-4-21
 →「鳥」 12-4-26
 →「第3逃亡者」8-12-8
 →「疑惑の影」12-10-17
 →「思い出のマーニー」14-7-27
マリア・カラス
 →「永遠のマリア・カラス」10-12-2

コメント ( 2 ) | Trackback ( 8 )
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コメント
 
 
 
Unknown (セレンディピティ)
2014-11-02 10:36:36
こんにちは。
リンクの件、ありがとうございました。
これからもどうぞよろしくお願いします。

グレース・オブ・モナコ、ニコール・キッドマンのきらびやかな衣装や宝飾ばかりが話題になっていたので
内容は薄いのかな...?と見るのを躊躇していましたが
Biancaさんの感想を拝読すると、ひとりの女性としての苦悩や王妃としての国家対国家の駆け引きなど
なかなか見ごたえがありそうです。

日本の皇室やイギリス王室など見ていると
王妃の仕事も、向き不向きがあるのかな...?という気がしています。
それにしてもヒッチコックも、グレース・ケリーにこんな仕事のオファーをするとは
ずいぶんと人が悪いですね!(笑)
 
 
 
Unknown (Bianca)
2014-11-02 13:33:04
セレンディピティ様
コメント有難うございます。
>日本の皇室やイギリス王室など見ていると
王妃の仕事も、向き不向きがあるのかな...?
全くそうですね、たいていの人は向かないのではないかと思います。私も向かないわ。
ヒチコックの人の悪さはいかんなく発揮されていますね。「裏窓」の溌剌能天気な若い女性が、結婚でこうも変わってしまったのを、洞察したのかも。やはり天才ですね。
 
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