goo

「免田栄獄中記」

著者 免田栄 1984年 社会思想社

戦後まもなく1948年暮れ、熊本県人吉市で起きた殺人事件で、23歳の免田栄さんが逮捕・起訴・死刑判決を受けた。眠らせず食事もさせない過酷な取り調べに屈し自白したためだ。

世の中の仕組みを何も知らなかった若者が獄中で学び、自分を守るために戦い始める。自分で書いた7回目の再審要求が通る。1983年7月15日、日本で初めて死刑判決が無罪となる。

仏教とキリスト教の教誨師がいたが、死刑になるのも前世の因縁だと説く仏教ではなく、再審を励ますキリスト教を選ぶ。「モンテクリスト伯」で、エドモン・ダンテスが自分を陥れたものは誰かと詳細に思い出す描写は、この本を読むと実際にそういうことが起こるのだと初めて分かった。

90歳を超えた今も、免田さんは冤罪防止のために活動し、死刑廃止を国内外で訴えている。

日々死刑の恐怖におびえながら、先に処刑される者の手を何十回となく握り、自分の部屋で絞首台の響きを聴きながら過ごした日々が、彼の活動の原点になっている。おそらくキリスト教の信仰に基づく強さと前向きな姿勢は、読んでいてたびたび私を励ましてくれたし、痛快な感じすら受けた。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 「冤罪」(えん... 日野原重明さ... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。
 
この記事のトラックバック Ping-URL
 
 
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。