映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
〔詩〕ミラボー橋
2007年03月02日 / 詩
ミラボー橋の下をセーヌ河が流れ われらの恋が流れる
わたしは思い出す 悩みのあとには楽しみが来ると
日も暮れよ 鐘も鳴れ 月日は流れ わたしは残る
手に手をつなぎ 顔と顔を向け合おう こうしていると
二人の腕の橋の下を 疲れたまなざしの無窮の時が流れる
日も暮れよ 鐘も鳴れ 月日は流れ わたしは残る
流れる水のように恋もまた死んでいく
命ばかりが長く 希望ばかりが大きい
日も暮れよ 鐘も鳴れ 月日は流れ わたしは残る
日が去り 月がゆき 過ぎた時も
昔の恋も 二度とまた 返っては来ない
ミラボー橋の下をセーヌ河が流れる
日も暮れよ 鐘も鳴れ 月日は流れ わたしは残る
ギョーム・アポリネール(1880-1918)作
堀口大学 訳「アルコール」(1913)収
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イタリア生まれのポーランド人、詩人アポリネールが、画家マリー・ローランサンとの6年
間の恋が終った時を歌った詩。彼女を思い続けてスペイン風邪で38歳の若さで亡くなる。
その枕元にはローランサンの傑作「アポリネールと友人達」がかけられていた。
ローランサンはその38年後亡くなるが、遺言に従って、白い衣装、手に赤い薔薇、胸に
アポリネールの詩をおいて埋葬されたという。
この詩のために、パリのミラボー橋は「恋の橋」とも呼ばれているとか。
レオ・フェレ作曲のシャンソン「ミラボー橋」はイヴェット・ジローの歌う83年版
カセットテープを大事にしている。一番最初に知ったのは、20代のころ、ある人の
手紙に引用してあった。人物も手紙もとうに消えたが、詩の命は長い。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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やれやれでございますわ。
休みや、その他諸々の事情で、ヨーロッパ大陸は今年は絶対に行けなさそうです。
なのでもどかしく...ミラボー橋も見たいです!
そう恋の橋と呼ばれてるのですね。
又セーヌ川下りしたいですわ。
川下り、例のバトー・ムーシュででしょうか?さすがは王妃ですね。
わたしのパリのイメージは「世界の文化地理」の一枚の写真からです。
セーヌ河畔の美術学校生徒(エコールデボーザール)が、道路に寝そべってたむろ
しているのです。もう40年以上前ですが、自由で幸せそうで、美しいなあと思いました。
いい女のアゲマンは男を背一様させますね。
コメント有難うございます。しかし『あげまん』の意味するような男女関係と彼等とは全く別世界ではないのでしょうか。このことばは日本でしか使わないのじゃと思いますがどこでも使われていますかね。それから、アポリネールは、たといどんな悪い女に恋しても、生まれつきの詩人であり、詩人以外の何物にもなれなかったのではないかと思います。