僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

藤沢周平 『海鳴り』の男と女

2017-06-10 17:22:23 | 文学
夫婦仲が良いことを例える四字熟語には様々知られている。

昨今では死後離婚が増えているなどと言われているが
夫が死んだあと、夫の姻族との関係を解消するには、「姻族関係終了届」を
役所に出さなければいけないらしい。
連れ合いが死んだあと一緒にお墓に入りたくないという人も
ぼちぼち増えつつあるようだ。

前置きが長くなったが、一生同じ墓に入り添い遂げることを
偕老同穴という言葉で表す。

また、比翼連理という四字熟語もある。
これは、雌雄それぞれ、翼と目が一つずつの伝説の鳥が連なって飛ぶ様と、
根元が別々の二本の木で、幹や枝が途中でくっついているのを
言うらしいが、後者は連理之枝とも言う。
意味はいわずもがな、男女の情愛が深く、仲睦まじい例えである。

他に、琴瑟相和水魚之交鴛鴦之契などの言葉も知られている。

このように男女が結婚して生涯仲良く暮らすことが出来ればよいが
往々にして暗雲が立ち込めたりするものだ。

最近、藤沢周平の海鳴り上下巻を読破した。



主人公の小野屋新兵衛は、かつての奉公人おみねを妾として囲ったことから
妻のおたきとの関係が気まずいものになった。
同じ部屋に布団は敷くが、これでもかというぐらい両端に離れて寝ているのだ。

新兵衛は紙問屋の仕事を終え、疲れて帰っても、けっしておたきに
癒されることはなかった。比翼連理や偕老同穴どころではなく、冷め切っていた。

そんな暗澹たる生活の中で、ひょんなことから新兵衛は、ある女性と懇意になる。
そして人目を憚って行われる二人の逢瀬に、私はドキドキしながら見守るのである。

最終章と終章の内容に読者は吃驚するはず。

上下巻あわせて605㌻を5時間で読み終えることができた。
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きいて!きいて!
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