観測にまつわる問題

政治ブログ。政策中心。「(理系人材と)GX」「北方領土」を考察・纏め予定。放置気味ですが、忘れた訳ではありません。

経済財政は安定的でそれなりに妥当な消費、イノベーションを促すべき(主に供給サイドの改革による)

2017-07-29 17:56:47 | 政策関連メモ
続いて経済財政に関してもう1本(本日はこれにて終了です)。

消費増税なんて必要ナシ!?日本経済の本当の話をしよう(現代ビジネス)

>高橋 うん。バランスシートを作りながら、すぐ気付いたんだ。日本政府って資産がすさまじく多いの。当時から大蔵省は財政危機を煽ってたんだけど、「これは嘘だな」とピンときたよ。データに基づいて考えれば、まったく危機的な状況じゃない。誰が見てもわかるはずなんだけどね。

あえて大蔵省を弁護すれば、急激な少子化という確実な収入の減少(少子化は問題でないという方々もいますが筆者は疑問です。分かり易く極論してしまうと、働き手が一人の場合はサービスが提供できなくなります。全部AIやロボットがやるなら何とかなりますが、予見できる将来の間にはそれはないでしょう。少子化問題ない論者はAIやロボットが拡大するから労働者は必要ないという考えだと思いますが、現実には、人がやった方が早い仕事の方が圧倒的に多いので、AIやロボットは人間にとって代わることはないだろうと思います。ゴミ収集ひとつとっても、ゴミをゴミ袋につめてゴミ捨て場に持っていくロボットを開発したり、ゴミ収拾ロボットにゴミ捨て場のゴミを集めにいかせるよりは、人間がやった方が早いですよね。市場が縮小するのが分かっていて人は投資したり、収入が少なくなるのが分かっていて人は消費するのかという疑問も解消できません)(インフレしたら名目の収入は増えるでしょうが、物価が上がりますから少なくとも今の状況だと実際の生活は落ちる人が多いと思います)、高齢化という確実な支出の増大を考えると、税金アップは中々避けられないところがあるのではないでしょうか?少子高齢化はずっと昔から言われてきましたが、そのトレンドを考えると消費税というのが大蔵省・財務省の結論なのでしょう。全部間違いとは筆者は思わないですね。

>高橋 さらに言うとね、私は連結ベースのバランスシートも作ってたんだよ。日銀のバランスシートまで組み込んだやつ。

>山口 民間企業では単体の決算と同時に、子会社まで組み込んだ連結決算を出すのが常識ですもんねえ。

>高橋 さすがにこっちは完全に潰された。いま財務省も子会社を組み込んだ連結ベースの数字を公表してるけど、これには日銀が含まれていないの。だけど、政府の日銀への出資比率は5割を超えているし、監督権限もある。まぎれもなく日本政府の子会社なのに、日銀だけは組み込もうとしない。

>山口 要するに、日銀を除外しないとマズイ事情があるってことですね。

>高橋 財務省がいちばん指摘されたくないところなんだよ。いま日銀は国債をどんどん買ってるでしょう。日銀のバランスシートが膨らみ続けている。2015年度末だと、国債349兆円を含めて、資産は405兆円もある。

>もちろん負債の部では、国債を買っただけの日銀券や当座預金が膨らんでるわけだけど、これらは無利子で償還期限もないから、実質的には負債じゃないわけ。これを連結させると、日本政府の2015年度末のネット債務は100兆円ぐらいしかないんだよ。

さすがに日銀に全部押し付ければ何の問題もないってことはないだろうと思います。今は大丈夫でしょうが、中央銀行の信頼も大切なはずです。高橋氏の中では問題ないのかもしれませんが、どうにも良く分からないですね。高橋氏も悪い癖ですぐ煽るから、こういう疑問も当然に発生すると思いますが、中々聞けない人は多いのではないだろうかと思います。当然の疑問はもっと丁寧に説明することも大切ではないでしょうか?

>山口(略)彼らがズルイと思うのは、「1000兆円の借金をすべて返済するのに何年かかります」みたいな言い方をするんですよ。だけど、全部返済しなきゃいけない理由がどこにあるんだ!(中略)

>高橋 まあ、返さないと言うと怒られちゃうけど、借り換えるのが普通だよね。借金はずっと消えない。貸す側の銀行だって、その企業がずっと借金をしたままで、金利を払い続けてくれるほうが嬉しいんだから。その借金でこんなに立派な工場を建てましたよ、という成果さえ見せれば、「すべて返済しろ」なんて求めないよ。

国や企業に借金はあってもいいと筆者は思います。借りる人がいないと貸すこと(貯蓄)もできませんしね。土中に銭を入れた甕を埋納する経済に逆戻りしたところで栄えるはずもありません。余っている金を金融が集めて審査し投資したい人が投資するというシステムは当然に必須でしょう。規模は議論の余地がありますが、政府が集めて配る機能(社会保障など)も大切です。破産を肯定する訳では勿論ありませんが、住宅ローンなどを組んで働くことも大事ですね。借金のない社会は必ずしも理想ではありません。金融は嫌われるところがありますし(差別されるユダヤ・利子を否定するイスラム)、日本も闇金とかどうしようもないと思いますが、無借金経営とかあまり持ち上げ過ぎない方がいいかもしれません。

>高橋 (略)じゃあ、なんで借金をすべて返したがるのか? もちろん理由がある。さっき国の資産680兆円のうち、貸付金が138兆円、出資金が70兆円と言ったけど、これらはみんな天下り先に流れている金なんだ。(中略)

>高橋 膨大な数の天下り先があるんだけど、なかでも財務省所管の貸付金が突出して多い。これこそ、財務省OBの天下り先が他官庁より圧倒的に多い理由なんだ。

天下り先の審査は必要と思います。抵抗は激しいでしょうが。ただ、天下り先無くせみたいなことは違いますからね・・・。誤解を発生させる言い方なのかなと思います。そこまで煽らないとやらないってことかもしれませんが。例えばADB(アジア開発銀行)は財務省の天下り先でもあると思います(黒田日銀総裁もADB総裁を経ています)。だからと言って、ADB無くせってならないでしょう?財務省のポストじゃなくすという考え方もあるかもしれませんが、金を出しているのは日本ですから日本のポストじゃなくなると困ります。財務省じゃないところからワザワザ出すとか、そんなことをする意味は大してないのではないでしょうか?少なくとも日銀プロパーの白川総裁より財務省天下りの黒田総裁の方がいい仕事をしているというのが金融緩和派の意見だと思います。ですから、天下り先の審査とかスクラップアンドビルドは必要だと思いますが、極論煽りは筆者は疑問がありますね。言っている内に自分で分かんなくなっちゃう人も多いのではないですか?少なくとも自分で分かっていても他人、特に素人国民には伝わらないと思います。日本も民主国家ですから、そういうことも考えてもいいのではないでしょうか?

>高橋 日本ってね、政府資産のGDP比が130%ぐらいあるの。他の先進国に確認したんだけど、20%ぐらいが普通だった。いかに飛び抜けて多いかわかるよね。海外の人に「なんで持ってないの?」と聞いたら、「そもそも政府が持つ必要ないじゃん。なんで持ってるの?」って逆に聞かれた。そりゃ、そうだよね。政府活動するのに、そんなに資産は必要ない。

企業も個人もみなさんわりと貯めますよね。貯めて使い道があった時代は正解だったと思いますが(それで道路をひき、工場を建てればいい)、成功モデルが時代にあわなくなっても、誰も変えることを言い出さないのが日本の病なんだろうと思います。金をタンスの肥やしにしたところで経済が活性化するはずもないんですがねぇ。質素倹約は美徳ではありますが、金持ちの質素倹約は疑問なところがあります。収入にあわせて使うのが経済的に正解です。人間には嫉妬心がありますが、嫉妬は(キリスト教では)大罪なんですね(七つの大罪(ウィキペディア))。ここは日本ですから、難しいところはあるんですが、政府が禁止しても裏地を贅沢にして抵抗した江戸っ子(江戸っ子は渋好み 東京都立図書館)とかバブルに踊った団塊以上の方々とか考えると、必ずしも日本人のDNAに質素倹約が刻み込まれている訳ではないだろうと思います。 とにかく使え!などと煽るつもりは勿論ありませんよ。身の丈にあわせて使うことが大切で、お金持ちの皆さん(特に安定的な収入のある皆さん)はもっと使ってほしいということです。まるで適任ではありませんが、今後富裕層消費についても考えてみたいとは思っています。例外はありますが(下請けイジメとか無用な搾取で格差をつくるのは賛成しません)、筆者は再分配で皆平等を目指しません。共産主義という壮大な歴史的失敗を繰り返すのは愚かですからね。結果が平等になると予測されている社会で皆一生懸命働くと信じるほど夢は見ていません。ほどほどに働きたい人はほどほどの生活が良い社会です。一生懸命に働きたい人の足を引っ張るのは悪徳じゃないかと思います。ともあれ政府に資産はそれほど必要ないでしょう。何故なら徴税できるからです。普通ならやばくなってきたら徴税人は徴税するだけですから、誰も倒れると信じないんですね。高橋氏や山口しも言ってますが、非効率な官舎とか処分するべきでしょう。命をかけて助け合う軍隊ならあるいは家族なら同じ釜のメシを食うことも大切でしょうが、普通の官庁や企業がそこまで団結して何と戦うのか意味が分かりません。どう見てもやり過ぎでしょう。別に社員食堂に喧嘩を売っている訳ではありませんよ?機密の漏洩とかそれはそれで考える必要はあるでしょうが、プライベートまで一緒にしてしまうのは過保護に過ぎると思います。ただ、みどりのおばさん800万円の類をどうするのかは頭が痛い問題です。権力者(公務員など)の不断のチェックが日本には欠けているのかもしれません。

>山口 日本って、そういう不思議な話が多いですよね。いま僕は岩手県を活動の拠点にしてますけど、盛岡市とか行ったら、もっとひどいんですよ。公民館とかコンサートホールとか、みんな市が抱え込んでる。

公民館は便利です。民営化されるとわりと困る利用者も出てくるとは思いますが(筆者も使ってますが、そうでなくとも学生とか多く使っています)、いざとなれば仕方が無いでしょうね。コンサートホールも同じかもしれません。それがあることで、安く音楽を楽しめている人が結構いるんでしょう。自分を外すみたいで申し訳ないんですが、どちらかと言えば、コンサートホールを問題にしたいですね。何故なら雇用が発生しているからです。公務員は安定しているとかで人気のようですが、税収を生まない非効率な公務員を増やし過ぎると(ただし日本の公務員の数は多くない)、日本経済が停滞してしまうでしょう?言い訳するようですが、公民館は別に人を雇ってないですからね。全く今のままでいいということでもないんでしょうが。

>高橋 とにかく抵抗が強いよ。国の持ってる固定資産を証券化して売るってアイデアも経済財政諮問会議に上げて、専門委員会まで作ったんだけど、潰された。たいした話じゃないよ。所有権が変わるだけで、日常業務に影響は出ないんだから。それでも猛反対される。

>そのとき確信したね。借金が大変だなんて嘘っぱちだと。大変だったら、真っ先に資産を売ってるよ。「借金返済は天下り先を守るためだ」なんて、日本で私しか言ってないけど、内部にいたからこそ見えるものがあるんだよ。

固定資産の証券化は筆者には難しい(参考:不動産の証券化について 三井不動産リアルティ)ので言及しませんが、無借金経営を良しとする日本の空気はよく分かりません(前述しましたが官に限りません)。借金返済が大変だ(財政危機にある)ということもないでしょう。ただ、だからと言って、収入が増える見込みがないままただ歳出を拡大することにあるいは歳出カットせずに減税することに筆者は賛成するつもりはありません(恐慌対策とか例外はあると思いますがね)。あえて挑発的なことを言えば、寧ろ財務省の方が少子高齢化にまっとうな危機感を感じていると思います。

>高橋 みんな未達にばっかり注目するけど、重要なのは調達コストを下げるほうなんだよ。安くお金を調達できるなら、未達になっても問題はない。私がやった1年間に金利で1000億円ぐらいは稼いだもん。

>まあ、国債の金利は全体で10兆円ぐらい払ってるから、1%ぐらいなんだけどね。それでも、やらないよりは財政に寄与する。こういう工夫もしないで財政危機だと言ってる財務官僚は多いと思うよ。

高橋洋一氏の議論を見ていると、数学のできる頭がいい方を起用することで、まだまだ無駄が減らせるのかなと思いますね。テクニック的なことをもっと重視していいのかもしれません。まぁ財政が危機だという思い込みが未達を過剰に見せているのでしょう。ですから、財政が危機ではないと分かれば、変な思い込みも無くなっていくと思います。高橋氏や山口氏が言っているように、金利が低いってだけでも市場はリスクを低く見積もっているのでしょう。

>高橋 財政破綻するほど危機的な状況じゃないのに、消費増税を強要するのは、天下り先を守るためだ―。なかなか理解してもらえないんだけど、政治家には直観的に理解できる人がいて、それが安倍さんなんだ。だって、消費増税に関する財務省の説明が完全に間違ってたじゃない。

>山口 消費税を5%から8%に上げてもまったく影響はない、と言ってましたもんね。

>高橋 私もあのとき安倍さんから聞かれたんで、ちゃんと計算して、「2014年度の経済成長はマイナス0・5%になりますよ」と予想したんだ。消費関数を使って、可処分所得がどのぐらい減るのか、簡単に計算できるから。

>だけど、周囲は財務省の息のかかったやつばかりじゃない。多勢に無勢だった。戦っても時間の無駄だと思ったから、「まあ、結果を見てください」と言ったの。

景気に関しては高橋氏の言うとおりなのでしょう。問題は税収ですが、消費税をあげても税収増は長く続かない傾向にあるようです(消費税と税収の関係をグラフ化してみる(2016年)(ガベージニュース)。ただ、極端な話、消費税をゼロにしたら税収ゼロは確実ですから、消費税下げが必ずしも税収増に繋がるとも思えないんですよね。ある程度は収支のバランスをとっていかないと確実に破綻ですから、やはり何らかの税収は必要です。所得税は消費性向の低い高所得者層からとれば経済的にはいいと思いますが、日本は格差は少ない方です。どちらかと言えば、高所得者の消費を促した方がいいでしょう。差があまりなくなり過ぎると頑張らなくていいというメッセージになり、日本は沈没します。法人税は無借金経営とかを言っちゃ悪いですが狙い撃ちするのはアリかなと思います。企業には投資する責任みたいなものがあって、お金の使い道が分からない企業を野放しにする意味はないと思います。給与上げで赤字になって、法人税をのがれて、会社維持のため必死になってくれた方がいいでしょう。無駄な経費で赤字はただの乱脈だと思いますがね。給与上げなら、確実に経済に貢献するでしょう(税収を生まない公務員の給与を上げろと言っている訳ではありません)。あるいは厚生年金を増やせば、賦課方式ですから社会保障費の危機に対応でき、増税で対応する必要が無くなります(それ自体増税ですけどね)(長期的には安定的な収入で高齢者の消費も期待できますし、働けなくなった後の国民年金で足りないからあるいは国民年金を払っていないから生活保護という一種のモラルハザードも回避できます)。あるいは新規分野を開拓するためにお金をつかっていただくかです。会社を存続させるためただただ財務を強くするというのもひとつの考え方ではありますが、今の日本に必要な考え方ではないと思います。使う人が少ない局面だからです。道路とか未整備だった頃の遺物でしょう。まぁ税に関して言えば、安定的な消費を促すよう、イノベーションを促すよう、見直した方がいいと思います(企業や政府(中央も地方も)にヘソクリがあるようですから、これまでそういうふうに意識して機能させてきたようには見えません)。消費税も悪くないと思いますが、消費性向の高いマスも削っていますから、無ければ無いに越したことはないでしょう。財政が危機ではないのだから、様子見ぐらいがいいんじゃないですか。数学的な裏づけなくて申し訳ありませんが。

以上ですが、政府(中央・地方)(あるいは企業)をどうチェックするかも考えたいですね。(全体を見れば)どう見ても貯めすぎですからね。乱脈に舵を切らせるつもりもありませんが、今の状況でいいとは思っていません。政治家の突発的な思いつきに頼るのではなく、どう国民の行動を促していくかでしょう。そういうことが無かったことが今の状況であり、制度的な問題・心理的な問題を考えていかなければなりません。既に書きましたが、富裕者消費も考えます。それでは。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿