観測にまつわる問題

政治ブログ。政策中心。「(理系人材と)GX」「北方領土」を考察・纏め予定。放置気味ですが、忘れた訳ではありません。

fact based opinion

2017-09-02 12:33:48 | メディア
昨日深夜までにやるとか言いつつ、今の今まで放置した「フェイクニュースの見分け方」(烏賀陽弘道 新潮新書)の先週分の記事を書きます。正直眠かった。何となく面白くなかった。申し訳ありません。今週分は今週分でやります。予告したとおり短い記事とします。

裏づけ、論拠、根拠となる事実を英語でfact based opinion言うらしい(25p)ですが、まぁなるほどとは思いますよね。筆者もウィキペディアを愛用していますが、出典を確認したら出典とウィキペディアの内容の違いを見つけてより論拠・根拠を重視せねばならんなと思ったところです。

でも一言言わせて貰えばfactそのものの判定が意外と難しい。烏賀陽氏は第2章で2016年春から夏にかけての安倍政権による言論弾圧があったという報道は根拠が良く分からないと指摘しています(36p)。なるほどそうかもなと思いましたが、ブッシュ~オバマ政権のアメリカでは記者や情報源の盗聴・尾行・逮捕が頻発している(53p)という指摘はそうなの?と思ってしまいます。こういうことで嘘はつかないでしょうし、元記者が言うのですから事実なんでしょうが、その事実を知らない人にとっては、事実と認定していいかどうか疑問が出てくるのが当然です。辞典に載っているような事実の判定に困ることはないでしょうが、こうした事例や傾向に関する事実は専門家にしか判定できないところがあります(検索してみましたがやはり良く分かりませんでした)。逆に言えばこうした知識をネットにおいておけばまだまだ専門家の知識の独占は崩れるかもしれないんですがそれはともかく(盗聴関連の情報の公開は結局難しいかもしれません)。

トランプがオバマの盗聴を言い出した時はあるかないか分からないなと思いましたが(盗聴の指示は記録に残るからないと見るのが妥当という指摘を見てなるほどとは思いましたが、よほど専門家というか事情を知らないと確信は持てないなとも思いました)、ちょっと変に見えたトランプの言動もオバマが記者を盗聴したという事実が周知のものであると知っていたら、また違った見方ができそうです。結構自分の知識のあるなしがものの見方を左右するところがあると思うんですよね。

そういう訳でfact based opinionの理論はいいですが、実際の運用は必ずしも楽じゃないとは思いますね。

ちなみに元朝日の烏賀陽氏の名誉のために付け加えて起きますと、私は安倍政権の政策に批判的で安倍政権の「恐ろしさ」あるいは「烏賀陽が政権の回し者である」というファクトが提示されることが楽しみでならない(54p)としています。

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