風の谷通信No.10-013
旅館で一休みして暗くなったのでもう一度出かけます。湯に入って晩ご飯を食べて帰る予定です。
今度は「柳の湯」です。小さな湯屋で浴槽が一つだけ、つまりサウナや打たせ湯や露天風呂などが何もなしです。その代り木の香が鮮やかな湯です。この印象はあとに残り、再来を誘います。一つの浴槽にキレイな湯が満ちていて、浸っていると湯の香りがじんじんとはだに沁みてきます。久しぶりに温泉に来た幸せをしみじみと感じます。次の機会があれば必ず入りたい湯です。
湯を出ると街のほとんどはもう灯りを消しています。柳の湯すぐ近くのそば屋に入ります。昼間に見ると、映画セットにみる江戸時代の店の入口みたいな雰囲気ですが中に入ってびっくり。壁に吊り下げた古道具の数々。木工品・わら細工・紙製品・金属製品・鉤金具・大工道具・指物道具・農具・はきもの(わらじ)・背負子・竹細工・雪対策道具・その他諸々。それらが壁の高い梁に所狭しと吊り下げてあります。ぐるりと目をやると、なんとなんと!壁一杯の古時計。イヤー驚きました。
さて、食べ物は・・・・・・・・・・カニみそソバを注文。歳とったお母さんが作ってくれるのですが相当長い時間がかかりました。店の奥では若い人の声と子供たちの声が聞こえますが、店には関係ないみたいです。そのうちにできて来たかにみそソバが実にうまかったです。普段はそば一杯では満足できないのですが、ここでは一杯でそれこそ腹いっぱい。
食べている間に後ろから入ってきて背中合わせに座った二人組に、お母さんがなじみ客の応接をしていたのですが、出る際に見ると日本人じゃなかったです。どうやらこの地に住んでいる気配でした。城崎ではこんな外国人をときどき見かけます。何でしょうかね。どうでも構わないけど。
1)かにみそソバ 2)壁に吊り下げた古道具類 3)古時計