朝鮮問題をひも解く

- うしお君のブログ -

朝鮮の新型ロケットエンジン、開発成功の意義

2017年03月28日 | 朝鮮の出来事
朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮・北朝鮮)は2017年3月18日、朝鮮の北西部・東倉里に位置する西海衛星発射場にて、大出力・新型エンジンの地上燃焼試験を実行し、それは成功した。

金 正恩元帥が現場に立ちあい、成功を見届けた。

元帥は、「今日は永遠に忘れられない日になった。『3.18革命』とも言える歴史的な日だ」と述べ、科学者らの労をねぎらいそして彼らを抱きかかえてその成果を祝福した。

■独自の技術でロケット先進国らと肩を並べる

朝鮮の労働新聞は3月19日、金 正恩元帥の発言として、「この度の試験成功が持つ歴史的意義は、ロケット工学部門に残されていた教条主義、保守主義、形式主義を一蹴し、他国が開発した技術を踏襲する依存性を完全に拭い去り、我が国のロケット工学を名実ともに『開発創造型工業』へと進化させたことにある」と報じた。

朝鮮の公式報道を読めばわかる様に、この度の新型エンジン開発成功の一番のポイントは、「朝鮮独自の技術でエンジンを開発し、『開発創造型工業』への道を開いた」という指摘部分である。

朝鮮の報道から「開発創造型工業」という言葉のニュアンスが登場し始めたのは、2017年2月12日に成功を収めた新型弾道ミサイル「북극성-2형(プックッソン-2型・北極星)」の発射試験あたりからだと私は理解している。

そういう意味で、朝鮮に流れた2017年2月から3月にかけての時間は、朝鮮の国家建設事業の前途に重大な意味を付与し、最尖端科学工業の発展に特別な転換期を迎え入れた歴史的事変(3.18革命)として位置づけられる。

朝鮮が自らの歴史に「3.18革命」と記録した、大出力・新型エンジンの性能とはいかなるものか。

労働新聞は同じ日、金 正恩元帥の言葉として、「大出力・新型エンジンの開発が完成したことで、世界最高水準の衛星運搬能力を持つ国々らと堂々と肩を並べることのできる、確固たる科学技術的土台を築きあげた」と報じた。

2017年3月末現在の「世界最高水準の衛星運搬能力」とは、およそ数トンから約15トン程度までの人工衛星や宇宙ステーション資材などを、宇宙空間へ運べるロケット性能を指す。

つまりは、朝鮮が5トン程度の衛星を宇宙空間へ正確に運べれば、「世界最高水準と肩を並べる土台を築いた」と評価できよう。

大韓民国(韓国・南朝鮮)のソウル新聞は3月22日、「(朝鮮の新型エンジンは)およそ100tf(1トンの重量を打ち上げる力)ほどの推力であると分析できる。それは、(朝鮮が)2016年9月20日に成功させた80tfのエンジンよりも力は強い」と専門家の意見を紹介した。

韓国の聯合ニュースは3月19日、「(朝鮮が公開した燃焼試験の写真からは)昨年9月の試験との比較において、今回の試験では炎の色がさらに鮮明になり、エンジンの効率性が高まった可能性がある」と報じた。

韓国の専門家らが分析するように、朝鮮の大出力・新型エンジンの性能は、少なくとも100tf(1トンの重量を打ち上げる力)以上の能力を備えていると見積もれる。

これまで朝鮮は、ロケットの1段目に4基のエンジンを束ねた「クラスタ化」という高難度の技術を用いて衛星の打ち上げを成功させているので、この度の新型エンジンを4基束ねる「クラスタ化」に成功すれば、「世界最高水準(5トン程度)」の衛星打ち上げ能力を実現することができる。
(エンジンのクラスタ化は、複数のエンジンが寸分の狂いなくすべて同じように燃焼・機能する必要があるので、技術レベルはとても高い)

朝鮮のロケット開発の歩みを振り返ると、1年にひとつずつのペースで新型エンジンを開発しては試験を成功させ、その性能を着実に進化させてきた。

ロケット業界の常識では、最尖端テクノロジーを必要とするエンジン開発事業には、最低でも10年ほどの時間を要すると言われている。
国家技術力がそこそこ高い韓国が、2010年から進めているエンジン開発を未だ完成させていないことを踏まえれば、朝鮮の「1年にひとつのペース」のスピード感をはかり知る事ができよう。

専門家に言わせると、朝鮮のスピードは「ありえない」のだそうだ。
「驚異的だ。先進国の開発ペースを上回っている」とも言っている。
朝鮮は今、超人的な力で、国家の最尖端科学技術を日ごと目覚ましく進化させているのだ。

ちなみに言えば、飛翔体(ロケット)の推力が上がれば、その飛距離も当然に伸びる。

朝鮮が2016年2月7日に打ち上げた「光明星」号は、30tfエンジン4基をクラスタ化したことにより、飛距離にしておよそ1万2,000キロの推力を確保したと分析されていた。

朝鮮の首都・ピョンヤンから、アメリカの首都・ワシントンまでの距離は、約1万1,000キロ。
この度の新型エンジンは、「光明星」号に使用されたエンジンのおよそ三倍以上の力を持つ。

すべての国がそうであるように、国家における最尖端科学技術とは、民事と軍事の両方の「顔」を備えているものである。

■朝鮮の新型ロケット開発成功は、強盛大国へと向かうカウントダウン

朝鮮の新型エンジン開発成功の報道は、朝鮮とアメリカの対立局面が、いよいよ最終段階に突入した情勢下で報じられた。

「朝・米対立の最終段階」とは、政治、経済、軍事、つまりは朝鮮とアメリカのすべての局面の衝突レベルが、いよいよクライマックスに到達したという意味である。

3月21日、アメリカのエド・ロイス米下院外交委院長が、朝鮮への新たな制裁決議を議会に提出している。
ロイス氏が提案したそれは、アメリカが過去20年間で最も厳しい制裁であると吹聴した、「国連制裁決議2270(2016年3月2日)」「国連制裁決議2321(2016年11月30日)」をもさらに超える、史上最高レベルの対朝鮮制裁であるのだそうだ。

各国からの朝鮮に対するエネルギー輸出入の完全遮断、金融取引の完全遮断、国家を正常運営するために必要な貿易取引の完全遮断、即ちそれは、朝鮮と外部世界とを完全に断ち切ることを目標に掲げた、「人類史上最悪の完全封鎖制裁」である。

2017年3月からの2ヵ月間、アメリカは朝鮮への侵略戦争を想定した米・韓軍事演習を展開しており、そこには、原子力空母、原子力潜水艦、核ミサイル搭載爆撃機など、アメリカが持つすべての核戦力が総動員されている。

特にアメリカは、この度の演習に過去(2011年5月2日)アルカ―イダの指導者を殺害した「特殊・殺人部隊」を参加させては、「朝鮮の首都を斬首する」などと露骨な挑発的態度をちらつかせており、即ちそれは、朝鮮の壊滅を目標に掲げた「人類史上最悪の侵略的軍事演習」なのである。

そんな中、アメリカ国防省ロバート・ワーク副長官は3月22日、「北朝鮮の脅威こそが、トランプ政権の最も重要な最優先トップイシューである」と発言した。

トランプ政権は今、名づければ「トランプ・ライン」とも呼ぶべき、北東アジア地域における「新自由主義防衛ライン」再構築の真っ最中だ。
アメリカ政府高官が示した認識の通り、トランプ政権の行く手の最前線には「北朝鮮の脅威」が立ちふさがり、「トランプ・ラインの構築」に多大なる障害をきたしている。

アメリカが「トランプ・ライン」を成功的に構築して、引き続き北東アジア地域の覇権を維持できるか出来ないかという問題は、アメリカの国家的命運を左右する最重要事案である。

アメリカとしては、朝鮮がアメリカの「国家的命運」に向かって真っ向から突進してくるので、己の「国家的利益」を守るためには全力で朝鮮を潰しに掛かるしかない。
しかし朝鮮は、アメリカに対抗して核を持ち、ミサイルをもち、国内経済も上向き傾向を示し、そしてついには先進国らの専売特許である宇宙開発にまで手を伸ばそうとしている。
なのでアメリカは、政治・経済・軍事のすべての側面から、朝鮮に対するなりふり構わぬ「断末魔的全面攻勢」を血眼になって連発で仕掛けているのである。

朝鮮とアメリカ、国家と国家の「命運」をかけたぶつかり合い。
それが今や、「クライマックス」を迎えたのである。

朝鮮は近く、新型ロケットを大宇宙めがけて打ち上げる。
合わせて、アメリカの断末魔的全面攻勢に真っ向から対抗して、新たな核試験を実施する準備を整える。

朝鮮が大宇宙に放つ新型ロケットは、現在朝鮮が推し進めている国家建設事業(国家経済発展5ヵ年戦略の二年目)を力強くけん引するであろう。

朝鮮が近く実行する新たな核試験は、アメリカの断末魔的全面攻勢を木っ端みじんに吹き飛ばし、二度とアメリカに朝鮮半島での戦争を起こさせない実効性のある担保となろう。

私は今、朝鮮が新たに公開する新型ロケットの名は、どの様に名付けられるのかが気になってしかたない。
折しも朝鮮の首都・ピョンヤンでは、「黎明(れいめい・夜明け)」の名を冠した「려명거리(リョミョン通り・黎明通り)」の完成が、来月4月15日のスケジュールで迎えられようとしている。

恐らく朝鮮の新型ロケットの名は、「朝鮮の新たな夜明け(黎明)」の様な、未来への希望が託された夢のあるネーミングになるはずだと私は予測している。

2017年3月18日、朝鮮の大出力・新型エンジン燃焼試験は成功した。
それは、「朝鮮の力」の象徴だ。
アメリカの暴圧を封印し、我が祖国・朝鮮を繁栄へと導く推進力である。

時は今、大いに満ちた。
我が朝鮮民族の宿願、「強盛大国」へと向かうカウントダウンなのである。
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2 コメント

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Unknown (平平)
2017-04-06 17:12:25
「すべての選択肢がテーブルの上にある」というトランプ大統領について。
すべてだから軍事攻撃だと騒ぐけど、私から言わせれば思考回路が短いなと。
すべて=軍事、そうなると日本も南もただじゃ済まない、ああだこうだと…
すべてだから対話という発想はないのかな?
まあ私個人の短絡的な思考なのかも知りませんが…
でもね、
対話という選択肢を選んだとしたら
アメリカには数十年間のツケを払わせたいし、
スネ夫よろしく意地汚いことをしてきた日本にも
思い知らせたい。
南は親分アメリカが全ての社会思考回路だから、一度ぶっ壊したい。
大統領選挙でおやおやという雰囲気もあるし。
自分の周りでは…
今、学校が兵糧攻めのような仕打ちを受けています。学ぶ権利を平気で踏みにじる政府にも、時が来たら倍返しをするつもりです。
今私の周りでは、みんな必死に生きて活動しています。
同胞の笑顔でつなぐ我らの輪。
もっともっと繫いでいきますよ。
最後に。
こちらにも、「すべての選択肢がこの手にある」んだよ。
平平さん (うしお君)
2017-04-06 21:21:22
同感です。

同じ気持ちでいます。

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