朝鮮問題をひも解く

- うしお君のブログ -

2017年、朝鮮の前途

2017年01月30日 | 朝鮮の出来事
2017年1月1日、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮・北朝鮮)は、金 正恩元帥が錦繍山太陽宮殿を訪ねて、金 日成主席と金 正日将軍へと敬意を示すことから1年の活動をスタートさせた。

同日正午、金 正恩元帥が国営メディアを通じて「新年の辞」を発表し、朝鮮の2017年の活動が本格始動する。

朝鮮にとって2017年という年は、金 日成主席生誕105周年、金 正日将軍生誕75周年、朝鮮人民軍創立85周年を迎える特別な年である。

■ 2016年の成果と経験をバネに

昨年に朝鮮は、実に38年ぶりとなる朝鮮労働党・第7次大会を開催し、それを基準にすべての国家活動を展開した。
言い換えると、朝鮮にとっての2016年は、「党7次大会の年」であった。

「党7次大会」に示されたたくさんの資料の内、注目すべくキーワードの最上位には「金 日成-金 正日主義」が位置した。

「『金 日成-金 正日主義』とは、その本質において人民大衆第1主義であり、朝鮮労働党の存在意義は、人民のために奉仕すべきにある」
金 正恩元帥の「党創建70周年演説(2015年10月10日)」を読めば、「金 日成-金 正日主義」の定義を伺い知ることができる。

昨年朝鮮では、「金 日成-金 正日主義」を政治思想的基準に徹底させていく動きが顕著に見受けられた。
党大会後、金 正恩元帥の指導のもとで開かれた重要会議の全てには、「金 日成-金 正日主義」が各組織ごとに確立されるべく指針が伝達され、その貫徹を絶対的課題として求められた。

つまり朝鮮は、2016年5月の「党7次大会」を契機として、国家の基本理念は「金 日成-金 正日主義」であることを再確認し、「金 日成-金 正日主義(人民大衆第1主義)」精神を国家政策立案の大前提に敷く作業を、昨年1年間の主な活動として展開してきたのである。

結果、「金 日成-金 正日主義」の旗印の元に人民の心は結集し、国内における朝鮮労働党の政治的地位はさらに高まり、朝鮮が目指している社会主義強盛国家建設事業の展望に確固たる土台が築かれる至った。

確かに、朝鮮の2016年の活動を振り返れば、そこにはどのシーンにも「人民」の二文字が刻まれていた。

国家的インフラは「人民」の使い勝手に合わせて設計され、工場や農場から出荷される商品は「人民」の好みに合わせて品質が改良された。
平壌の地下を走る地下鉄には「人民」の愛着があり、農地を耕す新型トラクターは「人民」の手になじんだ。
建設現場のビルにも、子供たちが遊ぶ遊園地や動物園にも「人民愛」が溢れ、アスリートたちが走る競技場にも、病院にも、学校にも、孤児院にも、養老院にも、そして被災地域にも、国中すべての場所に「人民」の商標が威風堂々と輝いていた。

人民をこよなく愛し、人民の力を信じ、人民の心をひとつに合わせて、国家建設に邁進する。
2016年、朝鮮の国家活動の基本理念は、「自強力と一心団結」というキーワードに集約された。

■ 国家経済発展5ヵ年戦略に向けて

朝鮮は今年、党大会で提示された国家経済発展5ヵ年戦略(5ヵ年戦略)の遂行に向けた動きを加速させる。
5ヵ年計画は、2016年から2020年までの経済発展計画で、今年2017年は2年目の年となる。

2016年6月28日付け労働新聞の社説には、「5ヵ年戦略の目標は、人民経済全般を活性化させ、経済部門同士の均衡を確保し、国家経済を持続的に発展させるための土台を築くこと」と記されていた。

繰り返すと、①人民経済全般の活性化、②経済部門間の均衡の確保、③経済基盤の土台固め、の3つの方向性に沿って、朝鮮経済の政策的課題や数値達成に向けた活動が展開される。

まず、「①人民経済全般の活性化」の達成には、朝鮮の国内外の情勢環境が安定的であることが求められる。

自国の経済を活性化させる上で、国内および周辺地域の政治・軍事的環境が安定的であることは、朝鮮に限ったことではなくどこの国においても共通する課題となろう。

朝鮮は昨年、年明けの1月6日に水爆試験を成功的に実施し、4月には潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)の水中発射試験を成功させ、7月には短距離弾道ミサイルの連射試験を成功させ、9月には再び核試験を成功させることで、自国が「核大国」の座に就いたことを実質的行動を持って証明してみせた。

朝鮮の連続した軍事行動は、ひとことで、アメリカの対朝鮮敵対政策を狙い撃ちにしたものだ。

半世紀以上にも渡りアメリカは、朝鮮半島情勢を常に緊張状態に置くことで、自国の北東アジア覇権政策を有利に進めようと企み続けてきた。
長年に渡りアメリカは、朝鮮に対する全地球規模の経済封鎖を敷くことで、朝鮮の経済発展を阻害し、朝鮮人民の生活的繁栄を妨害し続けてきた。

朝鮮にとって、アメリカの敵対政策を終焉させることは、自国の経済を活性化させるための環境作りには欠かせない必須条件であった。

アメリカから、対朝鮮敵対政策の継続意志を削ぐこと。
2016年に朝鮮は、それを成し遂げた。

朝鮮が2016年に手にした成果によって、アメリカのこれ以上の邪魔を許さず、経済の活性化に本格的に取り組める環境が作られたのである。

次に、「②経済部門間の均衡の確保」においては、労働新聞で報じられた、金 正恩元帥の視察活動に答えがある。

昨年、元帥が視察活動の過程で模範として推奨した工場や農場の共通点には、「CNC化(コンピュータ数値制御)」、「自給自足化(自強力・自力更生)」のキーワードを探すことができる。

朝鮮は近年、工場における労働者らの負担軽減を目的として、生産システムのCNC化・無人化を推し進めており、科学技術力を生産現場に導入することこそが経済発展の鍵となることを殊更つよく強調している。

加えて、工場単位での生産システムの独立性を推奨し、「自給自足」の新たな活路を開拓した単位をモデルケースとして取り上げることで、全国の生産現場に「自強力」の精神を確立させる工程にも一定の成果をあげた。

2016年12月の末、金 正恩元帥が江原道地区を集中的に現地指導した際には、「元山軍民発電所」が模範ケースとしてスポットライトを浴びた。
無から有を創造し、「自強力(自力更生)」精神を余すところなく発揮して人民生活向上に寄与した「元山軍民発電所」には、「江原道精神」という名誉ある称号が与えられた。

「江原道精神」は、今年2017年に朝鮮の生産現場が掲げるべくスローガンとして、年始から大きくクローズアップされている。

「③経済基盤の土台固め」については、①②で述べたように、政治・軍事的環境の安定化に加えて、経済システムを正常化・高度化させて独立性を高めることで、経済を中長期的に発展させるために必要な確固たる土台作りを目指す。

キーワードは、「科学力」である。
すでにふれたように、朝鮮では現在、すべての生産分野に高度な科学力、つまりは「CNC技術」を導入していくことが大いに要求されている。

「今日の為の今日ではなく、明日の為の今日を生きよう」

金 正日将軍が1996年1月に掲げたスローガンには、朝鮮の「CNC技術」のすべてが集約されている。
金 正日将軍はあの時、国家存亡をかけた厳しい状況のなかでも、朝鮮の未来のために、貴重な国家予算を「CNC技術」の研究に割り当てることを決断した。

それから20年の月日が流れた今、「CNC技術」は国家を繁栄へと向かわせる確かな希望となった。
朝鮮が祖国を守るために備えた「核抑止力」のすべても、金 正日将軍が残してくれた「CNC技術」の賜物である。

経済発展5ヵ年戦略の2年目となる今年、朝鮮は金 正日将軍の遺産である「CNC技術」をさらなる強固な土台にして、経済を持続的に発展させるための活動を活発化させてゆく。

■ 変わらぬ「アメリカ政策」

2013年6月16日と2016年2月23日、朝鮮は国防委員会名義の「重要談話」を通してアメリカへの態度を明確にしているが、朝鮮の2017年の「アメリカ政策」も、両「重要談話」で示された政策的方向性を踏襲する。

「2013年6月重要談話」ではアメリカとの関係改善を真摯に提案し、「2016年2月重要談話」ではアメリカの挑発には全面戦争で答えるとした朝鮮人民軍の原則的立場が表明されている。

アメリカに誕生した「トランプ政権」は、「アメリカ第1主義」を政策的スローガンに掲げて、「同盟国を助けず、敵対国とも戦わない」戦略を取るのだという。
アメリカが、「核兵器」を完成させた朝鮮と全面対決することは、新政権が提唱する「アメリカ第1主義」に反する。

朝鮮は今後、アメリカの高圧的要求に一切応じることなく、一方的な「核放棄」は絶対にしない。
朝鮮がアメリカに対する「核の恫喝」を停止させるときは、アメリカが朝鮮への「敵対政策」を終焉させたときである。

アメリカの新政権は、歴代の政権が歩んだ対朝鮮敵対政策の失敗から教訓を学び、賢明なる選択を早急に決断すべきであろう。
当面、アメリカが例年3月末に実施してきている、米・韓軍事演習が試金石となる。
敵対政策を引き続ぐ「対決姿勢」か、それとも朝鮮との共存をさぐるべく「対話姿勢」か、アメリカの答えはそこに集約される。

以上の様に私は、2017年に朝鮮が向かうべく政策的方向性を、主に政治思想的側面からひも解き、今年に朝鮮が、経済建設に第一の力を注ぐであろうと推測されるいくつかの資料をまとめた。

合わせて私は、「新年学習資料」を読み進めて、朝鮮の前途に想いを馳せるうちに、朝鮮人民たちの考えを知ることができた。

朝鮮の労働新聞は昨年の12月18日、金 正日将軍の逝去から5年を迎えたタイミングで、金 正恩元帥の尊称を「最高領導者同志」と改めていた。

朝鮮を導く最高領導者は、「2017年 新年の辞」の結びで、今後とも人民のために全力で奉仕してゆくことを固く誓い、皆の心をひとつに合わせて祖国・朝鮮を豊かにしてゆこうと力強く訴えかけた。

朝鮮の最高領導者の胸には、常に「金 日成-金 正日主義」の信念が強く刻まれている。
朝鮮人民らは、「人民大衆第1主義」を高く掲げる最高領導者と心を通わせて、経済建設に向かう新たなる決意を固めている。

今年、朝鮮の2017年は、経済建設の年だ。
2017年、朝鮮の前途は洋々なのである。
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