在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Casal Pilozzo Colle Gaio 1995 1998 ed altri カサル・ピロッツォ

2014-11-09 08:15:36 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Casal Pilozzo - Frascati  カサル・ピロッツォ
Colle Gaio 1995 1998
Malvasia 2004 1997 1993
Grechello 1995 1994
Pinot nero 2006
Dedo 1997 1993




ワインの世界は広い。ワイナリーは星の数ほどあり、また、タケノコのように新しいワイナリーが生まれ、新しいワインが生まれ。
しかし、それだけではなく、古くからあるワイナリーの中にも一般に知られていないワイナリーがたくさんある。
Casal Pilozzoも良く知られていないワイナリーの一つになる。もちろん知っている人は当然いるし、いくつかのワインがいくつかの賞を取っているのだが、マイナーなワイナリーに入る。
先日行われた試飲会に出ていて、信頼できる友人のパオロがとてもファンで故意にしていたので、じっくりと飲んでみた。
そのワイナリーが今週末、3日間にわたり、ノヴェッロのお披露目と題して、ワイナリーを大々的に解放したので、行ってみた。

以前、友人パオロに言われて、ブラインドで飲んだことが数回はあると思う。
その時も、また、先日の試飲会でもそうだったのだが、このワイナリーの特徴は古いワインである。
それもフラスカーティにあるので、白ワインを主に造り、20年ほどたった白ワインである。
逆に新しいワインを勧めない。
(もちろん、ラインは二つに分けられていて、下のラインはごく普通の新しいヴィンテージのものを出している。話しているのは上のラインのワインの方で、毎年造っているわけではない。)
一番新しいColle Gaio(白)が2010年ヴィンテージだというので、白でも3年経ってから販売しているのである。
その一番新しいヴィンテージを飲んでみたいのではあるが、古くならないと勧めないので(ちょっと笑)、今回も飲む機会はなく、逆に90年代の、20年かそれ以上たったものを主に飲んできた。

驚きは、まず、このワイナリーがフラスカーティにあることである。フラスカーティは水のような、軽くて、早飲みタイプの、安価なワインが造られているところである。つまり、持たせようとも思わないのだが、思ってもたいていが持たないと思う。
次に赤ワインの古いのも悪くはないのだが、白の方が断然良い。普通は赤の方が持つのに、逆である。
そして、長熟タイプの白ワインなのに、透明なボトルに詰められ、これで十分持っている。

ワインは、新しいヴィンテージを飲んでいないで、リリース時点でどんなワインなのか今一つ分からないのだが、特に酸味が強いわけでもなく(つまり保存料が特に効いているわけではない)、全体のバランスが良く取れているものが多い。ただ、比較的シンプル、つまり、複雑でないわけではないが、よくこれでこれだけ持つと思うくらいはシンプルで、全体に味の持続性があるわけではないのだが、心地よいフィニッシュを持っている。




ワイナリーは見事で、ローマ時代に掘られた地下廊下部分を倉にして、90年代のワインがまだまだかなり保存されている。それもかなり広く、また、奥には、ローマ時代以前を起源にするかも知れないと言われる初期キリスト教会の祭壇が残っている。
また、テラスからはローマが一望のもとに見渡せ、素晴らしい夜景を見せてくれた。

以下、試飲したワイン。ただし、立ち飲み、また、適当にボトルを開けて振舞っていたこともあり、順不同の試飲だった。



Colle Gaio 1995 品種はマルヴァジア・プンティナータ。いきなり、ほぼ20年の白から始める。前述のようにボトルは透明、色はきれいに黄金色で、それ以上ではなく、輝きがあり、ほぼ20年たっているとはとても思えない。香りは華やかな面と落ち着いた面が交互に出る感じで、ともするとリーズリングのような石油系の匂いがふっと混じる。残念ながら、どのワインも味の持続性がすごく長いわけではないのだが、フィニッシュはきれい。疲れたところ、枯れた感じはなく、ヴィンテージを知らなければ、絶対にほぼ20年たっているとは信じられない。ワインとしては+++だが、ヴィンテージを考慮すると++++
1998 続けて飲んだわけではないが、個人的にはこちらの方が好きかもしれない。マルヴァジアと比較して、やや重たいが、個性がよりある。同じく、ヴィンテージを考慮して++++

Malvasia 2004 Colle Gaioの後に飲むと特にデリケート過ぎてその特徴がつかめないが、飲み込んで行くと、優しく、非常に心地よく飽きないと言えそう。2004年はまだ若いのだが、バランスの取れ始めで心地よい。+++
1997 柔らかさが出ていて、印象が大変きれい。余韻も長い。++++
1993 香りが比較的強く、味もインパクトがあるのだが、やや短い。途中で消えてしまう。++(+)ヴィンテージを考慮すると+++

Grechello 1995 心持ちほろ苦い余韻。++(+)
1994 トースト臭、ドライフルーツの香りなど、興味深い香りに加え、味もインパクトがあり良い。+++(+)



Pinot Nero 2006 スパイス、熟したブラックチェリーのアルコール浸け。++
Dedo 1997 カベルネ・フランとメルロー。余韻が消えてしまう。+
1993 ++


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。