在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Il capitale umano di Paolo Virzi イタリア映画の紹介 「人間の値打ち」

2017-03-24 23:41:33 | 何故か突然イタリア映画
Il capitale umano 人間の値打ち
監督 パオロ・ヴィルズィ




ヴィルズィ監督の前作。
かなりいい。必見。
数多くのノミネーション、そして実際に多くの賞を受賞したことがわかる。
(日本語でも観れるのでぜひ)

スリラーでもあるが、実に巧妙なストーリー。

ケータリングでウェイターをしている男性が、真夜中、パーティーの仕事を終えた後、自転車で帰宅する。冬、雪が積もるところの田舎道。
対向車をよけようとした高級大型車に轢かれてしまう。
ひき逃げ。
田舎道で雪が積もり死角、発見は遅く、外気温は低く、瀕死。

その後のストーリーが4つの章となり、展開される。

投資家、大金持ちで、超高級別荘に住んでいるジョヴァンニの家族。
不動産業がまあまあ成功、新しい妻が双子を妊娠したとわかったばかりのディーノの家族。

ジョヴァンニの息子(マッシミリアーノ)とディーノの娘(セレーナ)は同じ高校で恋人同士。

それを運と見てジョヴァンニに近づくディーノ。
投資に参加させてもらい、巨額の投資をする。
ところが半年後、うまくことは運ばず、大損になることがわかり、焦る。

ジョバンニの妻(カルラ)は元女優。
ビジネスだけに関心がある夫との結婚生活に疲れている。
偶然、町の劇場が壊されると知って、劇場再建を夫に持ちかけ、プロジェクトが進んでいたが、今回の夫の損失で話が宙に浮く。

放蕩息子のマッシミリアーノは、酒が入るとぐでんぐでんになる。

セレーナは、他に気になる人ができて、マッシミリアーノとは別れたいと思っている。

二人が通う高級私立高校の最優秀賞発表、受賞式のパーティーの日、つまり、ウェーターが事故にあう日、それぞれの思惑と行動があらゆる角度から描かれる。

事故を起こした車は放蕩息子の新車だとすぐにわかる。
警察にひき逃げを疑われるマッシミリアーノ。

恋人であるセレーナも警察の尋問を受ける。

偶然犯人を知ったセレーナの父ディーノは、損失を取り戻すべく、ジョヴァンニ家族を脅す。

そして、真犯人がわかった時、セレーナはマッシミリアーノから離れ、ジョヴァンニの妻カルラは人生に冷めていた。

そして、人間の値打ち。。。

事件の日、6ヶ月前、そして事件後の映像が見事に交錯し、最初は時系列が頭の中で混乱するが、見事なカメラワークに惹きつけられ、あとはついていける。

必見。お見逃しなく。






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