***子供部屋のうさぎ***    

幸せは、幸せだなぁって思う心の中に小さく咲く。

■鉄の匂い044■

2017年07月12日 | Weblog
楠木くんは『僕』のなかに居る。
楠木くんは自殺してしまったけど『僕』のなかでは生きている。
『僕』が生き続ける限り、楠木くんもまた永遠だ。
------先にも書いたがぼくはきみの犠牲になったのではない
きみの所為で死んだのでもなければ君のために死んだのでもない
誤解がない様に最後まで冷静に読んでくれたまえ
まもなくきみにはぼくからの遺書が届く
それは警察やカウンセラや教師に見せても大丈夫な文面のモノだ
それとは別に誰にも見られたくないことをこの手紙を書いたよ
遺書の文面を読む前のきみが知るのは不自然ではあるが
口裏を合わせておかないとぼくのプレゼントがきみに届かなくなってしまうから
まずお詫びをしたい
きみはぼくにすべてを話してくれたのにぼくはきみに隠していることがある
深呼吸をした方がいいかもな
それから廻りに誰も居ないことを確認してくれ
万が一にもこの手紙が誰かきみ以外のひとに読まれた場合を考えて固有名詞は伏せるが
きみはアレについてひとつの疑念というか心配事を抱えているよね
きみがアレのそばを離れた間に起きた別の事件
あの事件の犯人が誰なのか
あの事件の犯人が捕まれば犯人はきみのことをしゃべってしまうかも
捕まらないまでも犯人はきみを脅すかもしれない
きみの不安は尽きない
その不安を今ぼくが取り除いてあげるよ
あの犯人はぼくだ
ぼくなんだよ
今まで隠してきててごめんね
あの日ぼくはきみと同じようにアレをしようと付けていたんだ
あの時ぼくはきみのすぐ後ろにいたんだ
そしてきみがアレをするだろうことは容易に想像できた
なのにぼくがしたことと言えば後をつけて見届けただけ
ぼくはアレを手伝うべきだった
そしてすくなくとも別の事件は起こすべきではなかった------
この手紙のこの個所を読んだ時、『僕』は血の気が引いたのを覚えている。
それは『僕』が予想だにしなかった展開で、未だに納得していない結末でもあったから。
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