***子供部屋のうさぎ***    

幸せは、幸せだなぁって思う心の中に小さく咲く。

■鉄の匂い043■

2017年07月11日 | Weblog
小さな紙に細かい字でびっしりと書かれた手紙だった。
今からその全文を書き記す。
楠木くんからの手紙。
------きみのことだからきっとこの手紙を見つけると思っていたよ
きみがこの手紙を読んでいるということはぼくはもうこの世にいないということなんだね
もうぼくはきみに会えない
とてもさびしいよ
でも悲しまないでくれ
ぼくはきみの中にいる
これからぼくが書くことはぼくがなぜ自殺したのかその理由と
きみのこの手紙への到達をむずかしくしたその理由だ
おどろかないでくれたまえ
ぼくが自殺したのはね
きみを護るためなんだよ
でも誤解しないでくれたまえ
恩に着せるつもりはまったくないんだ
ぼくはもうだいぶ前からいつか自殺すると決めていた
ぼくの人生がサラリーマンになる歳まで続くなんて想像がつかないから
そしていつか自殺するならその前に誰かひとを救いたいと思っていた
その誰かは当たり前だけどぼくが選ぶひと
ぼくが選ぶんだからそのひとは当然ぼくが好きなひとだ
ぼくが好きなひとはきみだ
きみはアレをしたひと
きみはいずれアレのせいで追い詰められるひと
でもアレはぼくも計画していたことなんだ
ぼくのアレがぼくがためらっている間にきみのアレになったんだ
きみを追い込んだのはある意味ぼくだ
だからアレはぼくがしたことにさせてくれ
だからもうきみはアレに心を悩まされることはないんだよ
ささやかだけどこれがぼくのきみへのプレゼントだ------
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« ■鉄の匂い042■ | トップ | ■鉄の匂い044■ »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。