***子供部屋のうさぎ***    

幸せは、幸せだなぁって思う心の中に小さく咲く。

■鉄の匂い017■

2017年06月15日 | Weblog
三日経った。
拉致して暴行して監禁してから三日が過ぎた。
今日は土曜日。
学校はお昼までだ。
給食が無かったので、途中でパンとジュースを買うことにした。
校門を出て通学路を暫く行った先のコンビニで。
そこはいつもあのオンナがアイスを買い食いしていた。
パンとジュースをぶら下げ店を出ると、駐車場には水曜日にあのオンナと屯してた中学生のグループが居た。
予行練習の日と実行日の2回、見かけた不良の連中だ。
そこで『僕』は大きなミスを犯してしまった。
『僕』は其奴らに会釈してしまったのだ。
『僕』は隠れて覗き見ていたので全員を知っていたが、向こうは物陰から覗き見されていたので『僕』を知らない。
知らない人間から会釈をされたら、訝しがって記憶に残ってしまうだろう。
後に、あの女の失踪が此奴らに知れた時、誰か怪しい人を見掛けなかったか警察に訊かれた時。
きっと『僕』の顏を思い出すだろう。
計画とは思い通りには行かないものだと熟(つくづく)思う。
目立った怪我をさせずに拉致しようと計画したのに、傷だらけにしてしまった。
すぐに屈服して泣き詫びる筈が、思ってた以上に気が強くなかなか観念しなかった。
現場不在を主張すべく間接事実を積み上げたのに、面識が無い筈の目撃者に挨拶してしまった。
コンビニを出て、山を左に見ながら用水路に沿ったアスファルトの道を100メートル程進む。
山に入るなら用水路に掛かった橋を渡らなければならない所で振り返ると、不良グループは明らかにこちらを伺っていた。
振り返った事で、『僕』のアリバイ工作は更に綻びてしまった。
この上ここから山に入る所を目撃される訳にはいかない。
仕方がないので、ぐるり山を逆時計回りして反対側の山策道から登る事にした。
この道は事件当日に山頂から見て知っていたが、歩いたのは初めてだ。
山への入り口付近に、もうひとつコンビニがあった。
『僕』はそこで女がいつも買い食いしていたアイスを買い足した。
ジュースは汗を掻いて温くなっていた。
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