うさぎくん

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シン・ゴジラ 私はこう読む

2017年04月28日 | 本と雑誌

日経ビジネス(著) 2016年10月

昨年の秋口、映画が公開されていたころにネット上で連載されていた特集をまとめたもの。なりたちは「村上さんのところ」(村上春樹氏が期間限定でファンからの質問にネット上で回答していったものを書籍にしたもの)と少し似ている。「村上さんのところ」は新潮社の特設サイトだが、「私はこう読む」は、日経ビジネスオンラインの特集記事の一つであり、通常であればウェブ記事の一つとして読み流されていくものだ。

連載中最初に注目したのは、やはり石破茂元防衛大臣と、枝野幸男元内閣官房長官へのインタビュー記事だった。映画の中で大河内首相が下した防衛出動(自衛隊法76条)に対する疑念(石破大臣)や、東日本大震災時の対処とオーバーラップさせながら回答されていた枝野氏の話は非常にキャッチ―で、以後毎日見出し記事をチェックするようになった。

記事の中で多くの人が語っているように、庵野監督はこの映画に数多くの問題提起をばらまいている、それがこの本のような、様々な切り口からの議論につながっている。それにしても、こうした議論に耐えられるだけのディティール描写をした監督、制作陣は大したものだ、と改めて舌を巻く。先の政界関係者や、建築、哲学、文学に至る、様々な専門家たちが本気になって論陣を張っているのだから。

現実世界の、映画ビジネスの在り方といった「日経」らしい記事は盛り込まれているが、本当は知りたかったけど掲載されてない話題がある。それは、劇中で破壊された日本がどれほど経済的被害を受けたかという試算だ。もっとも、ウェブのどこかには、被害を受けた大手不動産業者(ま、三菱地所さんでしょうね)の想定被害額を計算した方の記事があるらしい(本書にそういう人もいる、という記述がある)。

映画では既に存在して、ヤシオリ作戦で壊される超高層ビルをはじめとするビル群(常盤橋街区再開発プロジェクト)の総工費は1兆円以上とされるそうだ。丸の内地区のグラントウキョウ、オアゾ、日本生命ビル、新丸ビル、丸ビル、JPタワー、ぜんぶ壊されましたからね。ゴジラもまだいるから、施設が残っていてももう使えないでしょうし。JR東日本も、電車は爆弾輸送用に転用され、東京駅は壊滅した。米軍との戦いで焦土と化した西新橋地区は、港区のランドロードたる森ビルの本拠地だ。どうやら森ビルがうるさかったらしくて、はっきりした描写はしなかったようだが、影響は避けられないだろう。日銀本店もおそらく被災しているだろうし、野村、大和証券本社をはじめ日立、日本生命、日本郵便の入居しているビルは壊滅、この辺りは書き始めたらきりがないほどの企業のオフィスが集中している。

まあ、わかっていることなのだが、商業誌としてそんな試算はできないのだろう。広告主からクレームがついてしまいますからね。。

作中日本経済について触れられているのは、通貨安、株安が酷いこと、関西の土地が急騰していること、それで潤う人もいるらしいこと、など。具体的な金額は出てこない。避難民の総数がたしか380万人でしたっけ。。

とはいえ、映画の最後のほうで、赤坂内閣官房長官代理(ちなみにこの方の選挙区は、先日まで僕が住んでいた地区、という想定らしいのです。投票したかったですねえ)が、「スクラップアンドビルドでこの国はのし上がってきた。今度も立ち直れる。せっかく崩壊した首都と政府だ。まともに機能する形に作り変える」と、将来への展望を語っている。被害の大きさを語るよりも、先の展望を見据えるべきなのだろう。

あ、本の話だったんだ。。

金曜日、買い物のために立ち寄った新宿。

ここはゴジラの被害を受けていない。都内人口も激減するかもしれないが、生き残った都市インフラもかなりあるだろうから、案外復興は順調に進むかもしれない。

新宿についてみて、思ったこと。この街はこれまで「home」への入り口となるターミナルだったんだよな。。27年前から、とりあえずここから電車に乗れば、乗り換えなしで自宅最寄りの駅に着いた。少し待って始発の電車に乗れば、ゆっくり座って行けたものだ。ので、何か買い物があれば(まあ、ヨドバシとかビックとかね)とりあえずここに来たものだが。これからはどうなるかな。。

別に大したことではないが、現地に立ってみてはっと気が付いたことだ。。

 

 

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