ゆるーい思春期ネットワーク

キヅキ☆ミツメル

こころの目を通して真実を見よう

あなたは一期一会の人に言えますか。

2013-06-26 07:00:00 | 動機づけ面接

ある電話無料相談を利用したXさん。

Xさんは夫の過労を心配し、過労死や過労自殺につながるんじゃないかと

日々心配しています。

どこに相談するのがいいかわからず迷っていたところ

「たまたまラジオで知った過労死・過労自殺電話無料相談に電話してみたところ、

とんでもないことを言われた。」

その時の様子を、怒りながら、でも一方でとても残念な様子で、友人に話してくれました。

電話に出たのは、間延びした中年男性の声だったそうです。

おそらくたくさんの電話に出ているのでしょう。

「なんですか?」

受話器に出た相手からとっさに出たのはこの言葉だったそうです。

「えっ?」

相談者への何らの気遣いや想像力も感じられない。

「こうしてただ淡々と電話をこなしているのかな」

Xさんはそう感じたそうです。

「この人に話しても大丈夫かな」と戸惑いを持ちましたが、他の人に代わってくださいとも言えず、

仕方なく電話の向こうの男性に話をしたそうです。

5分ほどXさんの話を聞いたその男性はにわかに、

「私は弁護士です。法律の助言しかできません。」

「あなたのご主人がどうしたいか、ですよね…やめることもありなんだし…」

と言って、黙りこくってしまったらしいのです。

その男性は氏名を名乗り、弁護士だと繰り返しましたが、

言葉の端々には電話の向こうの人を思いやるような言葉は一言もなく、

「弁護士にその人の人生の責任を負う必要はありません」

と言い放ったそうです。

話をしていてもただ淡々と話を耳に入れているだけに感じ、

さらには相談者の話をさえぎって、そう言ったことに、Xさんは唖然としてしまい、

「電話代も時間も無駄だった、電話相談を受ける人がこんな調子でいいの?」

この相談に電話した自分自身が情けなくなった、Xさんはそう感じたそうです。

Xさんはもうこの男性と話す気がなくなり、怒り任せに受話器を置いたそうでした。

Xさん、とても辛い思いをされたことと思います。

夫の過労を心配し、妻としてできることはないか、そう思ってのわらをもすがる行動だったと思います。

この相談に対応した男性のような対応をされる方ばかりではないと思います。

でも実際にこういう人がいるのだと聞くと、とても悲しい思いがします。

この話を聞いて、私自身、これまでMIの学習会で

『「あなたの考える人生だよね」というような話も、

十分是認ができていて、関係性ができていれば、できる(してもいい)』みたいなことを

言ってきたのですが、

それは本当はどんな関係であっても、言ってはならないのではないかと考えています。

仮に親子、夫婦、恋人…近い関係であったとしても、

ましてや職場、友人、今回のような一期一会の場面でいうことは、

非常に危険なことだと感じています。

どうしても言うとしてもengagingができてから、でしょうし、

engagingができたと感じるのは何より、相談者が決めることなのではないだろうか。

そんな気がしています。

 

from ゆるーい思春期ブログスタッフ


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (taro)
2013-06-27 11:43:08
 しみじみと今回の記事を読ませていただきました。
最近電話相談のボランティアを始めたばかりで、タイムリーであるだけでなく、電話相談の暴力性のような部分も感じる記事でした。
 相手の人生だから、と割り切ることはやはり大切だとも思えます。だけど、それを何かの理由にして相手を傷つけてしまうことは最大限の配慮をしなければならないと思いました。
 時には傷付きが必要な場合や、それが前に進むきっかけになることも確かにありますが、それは結果的にそうなっただけであって、相談者としては安易にそれをしてはいけないと思うようになりました。

 電話をかけてきてくれた方が、結論はでなくとも、また電話してみようという気持ちでいられるような対応でありたいです。

 日々精進です
コメントありがとうございます。 (ゆるーい思春期スタッフ)
2013-06-27 15:27:49
taroさん
記事へのコメントをありがとうございました。taroさんは今電話相談のボランティアをされているんですね。お仕事を通して、電話相談の在り方について、その意義や危険性について考えてくださったこと、拝見させていただきました。きっと日ごろから温かい心で相談対応にあたっておられるのだろうと想像いたしました。
いただいたコメントの中で特に印象的だったのが「電話をかけてきてくれた方が、結論はでなくとも、また電話してみようという気持ちでいられるような対応でありたい」という部分です。

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