Sakana no Sanaka

沖縄本島ビーチダイバーの一考察

虎か真理か(トラフシャコ)

2016-12-02 18:59:15 | エビ・カニ類

時間と共に北風が強まった印象の、本日のやんばるです。

でも時間と共に、陽光もタップリになった一日でした。

それでもエキジット直後は、ヒンヤリしましたが…。

まあでも、週末は夏日になりそうです。

風は北東。曇のち晴れ。

〈トラフシャコ科トラフシャコ属トラフシャコ Lysiosquillina maculata 16年10月26日 沖縄島安和〉

日本人に多い名前は、男性だとヒロシ、女性だとケイコなのだそう。たぶん古いデータだと思いますけど…。

こういうデータというのは、誰が、あるいはどこの機関が調べるのでしょうね。

そして何故こういう偏りって生まれるのでしょうねぇ…。

本種の学名種小名の maculata もかなりたくさんの種に用いられている名前です。

日本産魚類だけでも6種、接尾辞が変化したものまで加えると17種に用いられていますから。

その他本種のような甲殻類やウミウシ類や貝類、蜘蛛類やキノコ類にも…。

で、その種小名は『斑紋のある』の意。

斑紋とは、まだらの模様のこと。まだらとは、種々の色や濃淡が入り混じっていること。ぶち。

しかし和名からも解るように、この場合のまだらとは虎斑(トラフ)とも繋がる斑(まだら)なのでしょうね。

まあ画像ではすっかり地中に隠れてしまっていますが、その体には虎のような横縞模様がありますから。

ところで、一説によるとまだらの語源は曼荼羅なのだとか。

もちろん仏語の曼荼羅のことで、仏の悟りの境地である宇宙の真理を図示したもの。

それを思うと、少々神秘性を感じたりも。

その身に纏うのは、虎か真理か…。

水中で全身を観察できる機会があれば、じっくりと考察しないとね…。

 

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擬態暗号(コマチコシオリエビ)

2016-11-29 19:17:53 | エビ・カニ類

朝は放射冷却の影響でヒンヤリ…。

でもそれは雲がないということですから、日中は日差しタップリだった本日のやんばるです。

この先も朝晩の寒暖差が激しい日が続きそうです。

風は北東。晴れ。

〈コシオリエビ科コマチコシオリエビ属コマチコシオリエビ Allogalathea elegans 16年10月18日 沖縄島安和〉

スマートエレガンス、あるいはカジュアルエレガンスという言葉をご存じでしょうか。

ご存じの方はなかなかに富裕層なかたなのかも…。

スマートエレガンスやカジュアルエレガンスはドレスコードの種類です。

ドレッシーでフォーマルなスタイルをスマートエレガンス、それなりにドレッシーなスタイルをカジュアルエレガンスというのだそう。

どちらも僕には縁のないスタイルですが。

ドレスコード、すなわち服装規定のあるレストランに行ったのは25年くらい前に一度だけ、冠婚葬祭にも10年以上参加してませんから。

さて…

本種はウミシダ類の巻枝付近を住処とし、ウミシダとの共生関係は、はっきりしていないようですがどうやら片利共生のよう。

そして本種は宿主の色彩に合わせた体色を纏います。

隠蔽擬態ですよね。

その上、宿主が変わることがあると、新しい宿主の色彩に合わせるように、ゆっくりとですが自身の体色を変化させていくのだそう。

まるでドレスコードを厳守しているように思えたり。

ある意味命にかかわるドレスコードですから、そりゃあ厳守しますよね。

しかしどういうメカニズムで、そういう変化が可能なのでしょうか。

宿主の色素を取り込んでいるのでしょうか。どうやって?

これはドレスコード(隠蔽擬態暗号)だな…、とか思えたりも…。

〈同種同一個体 同日 同ポイント〉

おっと忘れるところだった……

そもそも何故2種類のドレスコードの話から始めたのかを。

本種の学名種小名がエレガンスだったからでした。

『優雅な、美麗な』という意味です。

 

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水の中の炎(ミナミクモガニ)

2016-11-25 18:59:41 | エビ・カニ類

予想以上に十分な日差しがあった本日のやんばるです。

風はまだやや強めでしたけど、まずまずの心地よさでした。

気象庁から3ヶ月予報が発表されました。

それによると、平年並みか、やや寒い冬になりそう…。

現在発生しているラニーニャ現象がまだ継続する影響のよう。

ラニーニャにより偏西風が蛇行し、寒気の南下が強くなるからなのだとか。

ここまで、平年より暖かい日の方が多い印象でしたけど、年末に向けてぐっと冬らしくなるのかもしれません。

風は北~北東。晴れ時々曇。

〈クモガニ科クモガニ属ミナミクモガニ Oncinopus neptunus 16年9月21日 沖縄島安和〉

ローマ神話の海の神はネプトゥーヌスという名で、これは英語読みだとネプチューン。

英語読みの方が圧倒的に有名ですね…、まあ有名なのは海神の方ではないかもしれませんが。

ネプチューンは泉や河川、湖沼を司る神でもあるらしく、水全般の神様のようです。

また馬の神様でもあるのだそう。これはギリシャ神話のポセイドンと同一視されていることからなのだとか。

さて…

ネプトゥーヌスは長母音を省略してネプトゥヌスとも表記されるそうですが、それはそのまま本種の名前。

本種の学名種小名は『海の神、水の神、ネプチューン』

画像検索でネプチューンの彫像や絵画を見ましたけど……。

〈同種別個体 16年10月13日 沖縄島安和〉

ネプトゥーヌスは、古いインド・ヨーロッパ語族系神話の水神に、その起源があると考えられているのだそう。

それらは、類似した神話を持っているのだとか。

それは…

『水中に神聖な炎があり、穢れのない者以外は触れてはいけなかった。しかしあるとき、資格のない者がその炎を手に入れようとして失敗した。すると炎の周りの水があふれ出し、そこから河川が生まれた』

だそうです。

で、この物語がどのように水神に繋がるのか、よく解らないのですが…。

水の中の炎ってなんでしょうね。

って考えながら画像を見てると、全身に付着させている藍藻類が、体から燃え上がる炎のように見えたり見えなかったり…。

 

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妖怪チック…(ダンダラダテハゼ)

2016-11-22 19:15:23 | ハゼ科

基本ドンヨリときどき晴れ間…な空模様だった本日のやんばるです。

陽光は物足りない感じでしたが、特に寒くもなく…。

むしろムシムシする一日でした。

明日からは徐々に寒くなり、2~3日寒さが続きそうですが…。

風は北~北西。曇ときおり晴れ間。

〈ハゼ科ハゼ亜科ダテハゼ属ダンダラダテハゼ Amblyeleotris periophthalma 16年10月13日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

江戸時代後期の浮世絵師に、鳥山石燕という人物がいます。

浮世絵というと美人画をイメージしますけど、石燕が描いたのは妖怪画です。

その石燕の妖怪画集『今昔画図続百鬼』に〈百々目鬼(とどめき)〉という妖怪が記されています。

その腕に無数の目が現れている女性の妖怪なのだそう。

あるいは石燕の別の妖怪画集『今昔百鬼拾遺』には〈目目連(もくもくれん)〉という妖怪も登場していたり。

こちらは障子に無数の目が浮かび上がった姿をしていて、碁打ち師の念が妖怪に変じたもののようです。

どちらも石燕の創作妖怪だそうですが、共通するのは無数の目。

さて…

本種の学名種小名は『まわり一面に目』という意。

なんて妖怪チックな名前なのだろう…とか思ってしまったわけです。

〈同種 同一個体 同日 同ポイント〉

この目とは、背鰭や顔にある無数の玉模様のことを指しているのでしょうか。

普通に『水玉模様のある』とかいう名前になってないところに、魅力を感じてしまったり。

 

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科学の非力さ…(ノコギリハギ)

2016-11-18 19:11:46 | カワハギ科

青空にうろこ雲、秋の空だなぁ…って感じた本日のやんばるです。

どこか絵画的で、いつまでも眺めていられるような空でした。

もっとも、風は南から…、気温は夏日。

まあ、心地よい程度の暑さでしたけど。

風は南東。晴れ。

〈カワハギ科ノコギリハギ属ノコギリハギ Paraluteres prionurus 16年10月12日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

BSEという言葉を覚えておられるでしょうか。牛海綿状脳症のことですが。

国内で感染牛が初めて確認されたのは01年の9月のこと。政府は肉骨粉の使用禁止と危険部位の除去の対策を講じました。

そしてさらに全頭検査も導入されました。

実は少し前に、科学雑誌でこのことに関する記事を目にしました。

記事によると、今年の8月30日にこの検査の廃止が決まったのだそう。

つまりあれ以来ずっと検査をしていたのですね…。

ところで記事によると、全頭検査には科学的意味はなかったのだとか。

肉骨粉の使用禁止と危険部位の除去で十分だったのだそう。

もちろん科学者たちはそれを指摘していたわけですが、国民の不安感を拭い去るという政治的意味で、検査が行われていたのだそう。

この記事を読んで、何というか、科学の非力さを感じたりしたのです。

それがもっともな印象であれ、勝手な偏見であれ、そういう気持ちに働きかけるための非力さを…。

さて…

BSEといえばプリオン(prion)。

本種の学名種小名のなかにこの言葉が入ってますでしょう。

で、前述の記事のことを思い出したというわけです。

もっとも、BSEのプリオンは合成語で、本種学名に出てくるプリオンとはまったく関係ありません。

本種の学名種小名は『鋸歯状の尾』って感じの意。

雄の尾丙に2対の前方を向いた棘があるそうですので、それが由来でしょうか。

 

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