Sakana no Sanaka

沖縄本島ビーチダイバーの一考察

コキーユ号の船医(ヒレグロコショウダイ)

2016-08-30 19:47:14 | イサキ科

結局、台風10号は沖縄島に接近することはなかったのですが…

遠ざかり始めてからやってきたうねりが、まだ少々残ってます本日のやんばるです。

それでも空は眩しすぎる青で、陽光はガンガンでしたけど。

にもかかわらず日陰で風に吹かれていると、心地よい感じに。

台風10号をUターンさせた寒冷渦が生み出す涼風のおかげで、ここ数日は灼熱感から解放されています。

風は北西。晴天。

〈イサキ科コショウダイ属ヒレグロコショウダイ Plectorhinchus lessonii 16年7月14日 沖縄島崎山〉

画像は幼魚。

生きたゴクラクチョウを見た最初の博物学者とされる人物をご存じでしょうか。

その人物とは、フランスの軍医で鳥類学者でもあるルネ・プリムヴェール・レッソン。

1821年から1823年に世界一周航海を行ったコキーユ号に船医として乗り込み、博物学的標本の収集を担当したのだそう。

その航海から戻った後、7年間かけて、コキーユ号の航海の公式報告書の動物学分野の執筆を行ったとか。

さて…

画像に戻ることにして、本種の学名種小名はそのレッソン氏から。

末尾が i の種小名は、人名(男性)というのは以前に書きましたよね。

つまりレッソン氏への献名ということなのでしょう。

コキーユ号の航海中にワイゲオ島から得て絵を描いた種に似ている…というのが献名の理由だそうで…。

似ている……?

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

似ている…とは……?

図解だから、それ以上の表現はできないということなのでしょうか。

 

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出身地は南の島…(アカシマシラヒゲエビ)

2016-08-23 19:33:44 | エビ・カニ類

予想通り台風10号は発生しましたが、今のところかなりの牛歩で、今後の展開がよく解りません。

しかも過去40年の台風の観測史上、こんなコースで動く台風は初めてなのだとか。

現段階での予報だと、沖縄島は強風域にも入らないのでは…、とも思えたり。

もう少し長期の予報だと、この週末に沖縄島の手前で見事なほどのUターンをしそうですし…。

まあ、長期の予報の精度は低いのかもしれませんが…。

それにしても、10号おまえもか…って感じです。

どこまでうねりが入るかなぁ…。

あ、そうそう、本日も変わらず灼熱~なやんばるです。

風は北~北東。晴れ。

〈モエビ科ヒゲナガモエビ属アカシマシラヒゲエビ Lysmata amboinensis 16年7月1日 沖縄島安和〉

学名種小名は『アンボン島の』の意。

タイプ産地がインドネシアのモルッカ諸島アンボン島なのでしょう。

タイプとは、生物の分類学において、ある生物の新種記載を行う際に、その生物を定義するための記述の拠り所となった標本(あるいは図解)のこと。

つまり本種の分類学上の出身地がアンボン島だということ。

もっとひらたくいうと、アンボン島に因んだ学名だということですね。

さてこの amboinensis という種小名を持つ生物は意外と多いです。

いかにも南国という感じの花や鳥、トカゲや亀にソフトコーラル。

そしてもちろん魚にも。日本産魚類だけでも7種います。

アンボン島は新種の宝庫といえる島だったのかも…。

ところで、本種は魚をクリーニングすることが知られています。

この特徴的な鮮やかな体色と模様は、標識色として機能しているのでしょうか。

つまり『わたし、掃除屋ですよ』ってアピールになっているのでしょうか。

この画像を撮影したときも、リュウキュウウツボをせっせとクリーニングしていました。

ところが、カメラを向けるとウツボを離れて一直線にカメラに…。

僕のカメラ、そんなに汚れてたのかな……。

 

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危機管理意識…(アワハダキモガニ)

2016-08-19 20:32:18 | エビ・カニ類

相変わらず表層に少々うねりあり、陸上は灼熱~なやんばるです。

風が弱いのも相変わらずで、基本どのポイントも凪の範囲内って感じです。

天気図には8号・9号と台風が現れていますが、これらは沖縄島には関係なしのよう。

その周りにもいくつかの熱低およびその卵があり、そこから発生する台風(10号?)が、沖縄島に影響する雰囲気です。

まあ今年に関しては、こういうことを書いて本当に影響が出たことがまだ一度もないですが…。

一応今のところは、来週の中頃に…って感じです。

風は北東~東。晴天。

〈オウギガニ科キモガニ属アワハダキモガニ Cymo quadrilobatus 16年6月27日 沖縄島崎山〉

学名種小名は『四つの裂片のある』あるいは『四つの耳たぶ形の突起のある』という感じの意。

甲の額が四歯なのだそうなのでここからきているのか、それとも前側縁が顆粒でおおわれた不明瞭な四歯なのだそうでここからきているのか、というところでしょうか。

どちらにしても〈体を表す系〉の学名なのでしょう。

僕的には名前に取り上げる特徴がそこなの…というのが正直な気持ちです。

どう見ても、全身を覆ういぼ状顆粒の方が特徴的に思えますから。

和名のアワハダは〈粟肌〉すなわち〈粟立つような肌〉ということでしょうか。

粟立つとは、恐怖や寒さのために毛穴が収縮して、皮膚一面に粟粒ができたようになること。

つまりは鳥肌、あるいはサブイボ。

こっちの方がピッタリですよね。

鳥肌を表すラテン語あるいはギリシャ語はなかったのでしょうか…とか思えたり。

まさか海外では鳥肌の概念自体がないなんてことはないですよね。

goosebumps という英語がありますもんね。

ところでこの肌、というか甲と脚、隠蔽擬態として機能しているとしか思えません。

住処にしているミドリイシ類やハナヤサイサンゴ類の表面と非常に似ているように思えますから。

ただでさえ枝状サンゴの狭間で安全を確保しているのに、その上で隠蔽擬態もというのなら、相当に危機管理意識の高いやつらなのかもしれません。

 

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思考する眼差し(セアカコバンハゼ)

2016-08-16 20:27:28 | ハゼ科

表層少々うねりあり、な本日のやんばるです。

台風の影響でしょうか。

風は極ゆる~く、灼熱~な感じです。

スコールはあちらこちらで降ってるようですが、一向に出会わない…。

暑~い毎日です。

風は南東。晴天。

〈ハゼ科ハゼ亜科コバンハゼ属セアカコバンハゼ Gobiodon axillaris 16年6月27日 沖縄島崎山〉

学名種小名は『肩の・腋の』あるいは『腋窩の』の意。

腋窩とは腕(上肢)のつけ根の内側と胴体(体幹)との間のある場所のことだとか。

腕とは、腕のつけ根とは、どこのことでしょう…という感じですが、体の部位をさす言葉ですから、身体的な特徴を表しているのでしょうか。

和名のセアカ(背赤)は、背鰭基底部に並ぶ赤色点模様のことでしょうから、どちらにしても体を表す系なのでしょうね。

もっとも画像には肝心の体が写ってませんので、その辺りは置いといて…

ファインダー越しに、完全に目が合っていたように思えたのですが、この子的にはどうだったのでしょう。

僕の姿は、どんな風に認識されていたのでしょう。

魚の視野は320度程度といわれているそうで、数十センチの距離にいた僕(とカメラ)の姿のどの範囲まで視野におさめられていたのかな。

あるいはほとんどの魚は4色覚型で、紫外線領域の一部を認識していますから、僕たちよりもカラフルな世界を感じているはずでしょう。

僕(とカメラ)の色も、この子には僕が思う以上に派手に写っているのでしょうか。

そんな僕の姿を見て、この子は何を思っているのでしょう。

何かを思考していることは疑いようがありませんが、それが人間に共感できるような思考でないことも確かなことでしょう。

思考の様式は、身体性によってまったく違ってしまうものでしょうから。

それでも…

『あなた、わたしを狙っているのですか?』

なんて考えているように思えてしまったり…。

まあ、僕は人間ですから…。

 

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宝石を纏う…(アオボシヤドカリ)

2016-08-12 19:04:07 | エビ・カニ類

天候やコンディションのことを書こうとすると、前回までと同じ文章の繰り返しになってしまう…。

そんな相変わらずな毎日が続いてますやんばるです。

今夜はペルセウス座流星群だそうで。

沖縄島は晴れのようで、バッチリ見られそうですが…。

ピークが日付を越えた午前2時から3時頃なのだとか。

それまでず~っと起きてる自信はまったくなく、その時刻に起きられる自信もないなぁ……。

風は東~北東。晴れ。

〈ヤドカリ科ヤドカリ属アオボシヤドカリ Dardanus guttatus 16年6月27日 沖縄島崎山〉

学名種小名は『斑紋のある・点滴状の・斑点のある』の意。

歩脚とはさみ脚の腕節にある青色斑紋のことを指しているのでしょう。

和名のアオボシもこの斑紋が由来だそう。

そのまんま過ぎる……とか思えたり。

僕には、この斑紋が『水酸化銅アルミニウム燐酸塩』にしか見えません。

おっとこれは化学的な名称。一般的にはターコイズ、トルコ石と呼ばれています。

トルコ石は人類が初期に掘り出した宝石の一つであり、エジプト・アステカ・ペルシャ・メソポタミア・インダスや中国などの多くの古代大文明に愛されたのだとか。

かつてペルシャと呼ばれた地(現代のイラン周辺地域)が主要な産地で、それがトルコを経由してヨーロッパに広まったことでトルコ石と呼ばれるようになったのだそう。つまりトルコではトルコ石は産出されないのだとか。

で、僕には本種が、トルコ石を纏っているように思えたり。

腕節だけではなく、頭頂部(というか背面部?)にまでありますから、豪華に着飾ってる感を感じたり。

多くの文明では、トルコ石にお守りのような特質を信じていたそうで、悪い運の力から着用者を守ると考えられていたそうですから、この子も捕食者から守護されているのかも…。

あるいは、トルコ石を身につけると射撃の正確さが上がると信じていた民族もいたそうで、この子自身の捕食成功率を上げているかも…。

なんてね……。

 

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