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自衛隊情報保全隊と日米軍事情報保護一般協定-国民監視の強化と情報隠蔽は許されない-

2008-03-20 00:27:55 | 国内政治
主張
自衛隊情報保全隊
国民監視の強化は許されない

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 防衛省は、陸海空三自衛隊ごとに置かれている情報保全隊を統合し、二〇〇八年度中に自衛隊情報保全隊に新しく編成する計画です。そのための自衛隊法「改正」案を近く国会に提出する予定です。

 自衛隊情報保全隊を編成する目的について政府は、「自衛隊に対する諜報活動に関する情報の効率的な収集・集約・分析・共有を図る」ためと説明しています(「防衛省改革会議」資料)。自衛隊内部の機密情報漏えい防止だけでなく、自衛隊の国民監視の活動を強化するのがねらいです。憲法が保障する基本的人権をじゅうりんする重大問題です。

反戦平和運動の敵視
 陸海空三自衛隊の各情報保全隊は、機密情報漏えい防止にとどまらず、反戦平和や生活改善要求にとりくむ国民の動きを監視するのが大きな任務の一つとなっています。日本共産党の志位和夫委員長が昨年六月に、陸自情報保全隊の内部文書をもとにあきらかにしたことでその恐るべき実態が発覚しました。

 国の政策を批判する国民を政府が監視するのは憲法違反です。ましてや憲法違反の戦争実施部隊である自衛隊が、平和的生存権をはじめ憲法で保障された権利を行使する国民を監視するなど、本末転倒です。絶対に許されることではありません。

 ところが政府・防衛省は、批判に反省するどころか、三自衛隊の情報保全隊を統合して、国民監視活動をさらに強化するというのです。各自衛隊の監視活動を一本化するのは、自衛隊が統一指揮のもとで、総がかりで国民の動きをもれなく掌握するためです。国民監視を強めるのは、日本を海外で戦争する国に変える政府方針と深く結びついています。

 政府は、国際平和協力活動を自衛隊の「本来任務」に「格上げ」し、アメリカの一国覇権主義にもとづく先制攻撃戦争への支援・参加を本格化させようとしています。政府が進めるこの海外派兵政策は「日本防衛」とも無縁であり、憲法にも違反しているのは明白です。二度と戦争をしないと誓った日本国民の多くが、海外で戦争することをめざす政府の方針に反対するのは当然です。イラク派兵に反対し、即時撤退を求める運動が大きく広がっているのはそのあらわれです。

 こうした国民の反戦平和のとりくみを封じ込めて、戦争態勢づくりを加速するのが政府のねらいであり、自衛隊情報保全隊の役割です。志位委員長があきらかにした陸自・東北方面情報保全隊の文書は、「国民的に高まったイラク派兵反対運動の調査を中心的な任務とし」と明記していました。自衛隊がいかに反戦平和の国民運動を敵視し、抑え込もうとしているかはっきりしています。

 侵略戦争と人権抑圧は不可分だというのが歴史の教訓です。戦前の日本がそうでした。再び戦争をくりかえさせないためにも、憲法が保障する集会、結社、言論などの自由をおびやかす自衛隊の国民監視活動を許さないたたかいが重要です。

「憲兵政治」許さない
 自衛隊情報保全隊の編成は、戦前の国家による国民統制と管理の復活につながりかねない重大問題です。戦前、軍隊の秩序維持を目的にした憲兵部隊が、やがて国民全体の監視機関になり、戦争政策に反対する声を圧殺したことが侵略戦争につながりました。こうした誤りを二度とくりかえさせるわけにはいきません。

 自衛隊による国民監視の強化を許さず、戦争政策の監視・告発活動を強めることが求められます。

(出所:日本共産党HP 2008年3月17日(月)「しんぶん赤旗」)

 〈問い〉 最近、GSOMIAという言葉を目にしました。戦前の軍機保護法復活のようなものが狙われているということですが、どういうことですか?(東京・一読者)

 〈答え〉 GSOMIA〈ジーソミア〉とは日米軍事情報保護一般協定(General Security of Military Information Agreement)のことです。

 日米軍事同盟の一体化がすすむ中で、アメリカは、軍事情報を外部へ流出させないため、同協定の締結を急いでおり、日米交渉が進展しています。国内法整備も検討されています。

 これは、軍事秘密情報を国民やメディアに漏えいさせないということにとどまらず、侵略戦争をすすめるために国民の目と口をふさいだ戦前の軍機保護法の復活にもつながるものです。

 GSOMIAの中身は主に次の7点です。

 (1)アメリカが譲渡した情報は、アメリカ政府の承認なしに第三国や組織に譲渡しない(2)情報にたいしてアメリカと同等程度の保護措置をとる(3)軍事秘密情報は、物理的形状・概観にかかわらずあらゆるものを含む(4)軍事秘密情報はアメリカと同等程度の秘密区分に指定する(5)一方の政府の情報保護専門官の訪問を認める(6)情報の漏えい・流出の疑いがある場合は調査し情報譲渡国政府に通知する(7)情報保護のための行政的措置を詳細に整備する。

 とくに、「軍事秘密情報とは、政府の軍事情報もしくは資料であって、譲渡国政府の国家安全保障上の利益のため、適用可能な国内法や規則にしたがい、権限が与えられていない公表からの保護を必要とし、かつ、適切な保護当局によって秘密に指定されるものをいう」と定義しています。締約国が守るべき軍事秘密情報は、アメリカ政府の国家安全保障上の利益のために指定されるものというのですから、この協定が「アメリカのための軍事秘密協定」であることはいうまでもありません。

 保護が義務付けられる軍事秘密情報は、無限定であり、インターネットから写真撮影やメモ、写生にいたる、軍事秘密情報が読み取れるすべてのものが対象になります。

 締約国政府に、アメリカの防諜法(後述)と同等程度の刑罰をもつ軍事秘密保護法をつくらせる措置をとらせるというのがGSOMIAの本質です。

 政府が戦争の道を歩むのを防ぐには、政府・軍部がどんな戦争計画をつくっているのか、軍事状況がどうなっているのかを「知る権利」は国民が平和に生きていくために不可欠です。GSOMIAは、この知る権利を抹殺するものといっても過言ではありません。

 日本にはすでに、米軍の「機密」保護のために、刑事特別法、自衛隊法、国家公務員法などが存在します。今後、こうした法律の改正、あるいは軍機保護の新法が予想されるだけに、これを許さない世論の結集が求められます。(喜)

 〈参考〉『前衛』2月号、山崎静雄「軍機保護法復活の陰謀」

(出所:日本共産党HP 2007年2月3日(土)「しんぶん赤旗」)
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新銀行東京ー石原都政の責任問題/四百億円追加出資は反対84%ー

2008-03-20 00:23:16 | 国内政治
新銀行東京
都庁への意見 「反対」84%

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 経営破たんした新銀行東京への都の四百億円追加出資問題で、東京都庁に寄せられた都民の声が六百九十九件に増え、84%が反対意見であることが十八日わかりました。

 都生活文化スポーツ局都民の声課集約によると、都議会予算特別委員会の審議が始まった十一日以降、十四日までの四日間でメールや電話などで寄せられた新銀行問題についての意見は三百四十二件に急増しました。二月十八日以降の合計は六百九十九件で、追加出資に反対は五百八十七件(84%)でした。支持は六十一件(8・7%)、その他五十一件(7・3%)と少数でした。

 都議会審議の報道をみて、「新銀行東京の設立の計画、経営、今後の見通しなどについて、広く情報公開してほしい」などの意見も寄せられています。

400億増資 半日で即決
新銀行東京 都、まともな検討なし
曽根都議指摘

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 東京都が新銀行東京に四百億円の追加出資を行う議案を、新銀行が正式に要請してからわずか半日で決定していたことが十八日、日本共産党の曽根はじめ都議が開示請求で入手した都と新銀行の文書で分かりました。曽根氏は同日の都議会財政委員会でこの文書を示して、都を追及しました。

 曽根氏が明らかにしたのは、新銀行の津島隆一代表が石原慎太郎都知事あてに追加出資を要請した二月十九日付の文書と、都が追加出資を決めた同日付の決裁文書です。新銀行は二月十九日午前に取締役会を開き、四百億円の追加出資の要請を決定。午後すぐに都の産業労働局を通じて財務局に要請しました。これを受けて、財務局主計部財政課が追加出資を盛り込んだ補正予算案を作成。これを担当課長・部長・局長と副知事らの確認をへて、石原知事が決裁し、翌二十日開会の都議会定例会に補正予算案を提案しました。財務局が作成した決裁文書には、知事を含め二十一人の印が押されていました。

 曽根氏が「通常の予算編成なら主計部が担当局を呼んで、かなり細かく査定する。たった一日でどれだけの資料を取って査定したのか」とただすと、真田正義主計部長は「新銀行の経営状況は以前から財務局独自に検討していた」と答えただけで、異常な査定の経過には答えず、あとは何を聞かれても「所管の委員会で議論していただきたい」として答弁を拒否しました。

 曽根氏は「知事のトップダウンで始めた事業は何が何でも継続救済するやり方だ」として、都がまともな検討もせず、わずか半日で追加出資を即決したことを批判しました。

(出所:日本共産党HP  2008年3月19日(水)「しんぶん赤旗」)
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イージス艦衝突事故ー事故現場付近の豊かな漁場に米軍の演習海域(チャーリー海域)ー

2008-03-20 00:20:07 | 国内政治
漁船排除の米演習域
井上議員廃止要求 日本が20億円漁業補償

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 日本共産党の井上哲士議員は十七日の参院予算委員会で、イージス艦「あたご」が漁船に衝突した事件との関連で、現場付近に、自衛隊だけでなく、米軍の演習海域(チャーリー海域)まであることを告発し、その廃止を求めました。

 海域は、日本が米軍に占領されている間に設定され、一九五二年の日米合意後も引き続き米軍が使い続けています。そのため、豊かな漁場にもかかわらず、年間を通じて漁船が侵入禁止になっています。

 井上氏は、全国の米軍演習海域で日本が支払っている漁業補償額をただしました。防衛省の地引良幸地方協力局長は、二〇〇二年度が二十九億六千二百万円で、〇六年度でも十九億八千九百万円に達することを明らかにしました。

 井上氏は、米軍の訓練のために日本が補償費まで負担している異常さを指摘。演習区域だけでなく、東京湾の入り口の横須賀に軍港があり、米空母の母港になっていることをあげ、「(このままでいいのか)今問いなおすべき時期だ」と強調しました。

 石破茂防衛相は「首都に近いということ、整備能力などいろんな観点から、横須賀に(米軍基地を)置いている」と開き直りました。

 井上氏は「人口密集地の首都近くに外国の基地があること自身が、世界的にみて、きわめて異常だ」と軍事優先を批判しました。

(出所:日本共産党HP 2008年3月19日(水)「しんぶん赤旗」)
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迷走 日銀総裁人事-野党の意見無視した責任は自公政権・政府にあるー

2008-03-20 00:14:00 | 国内政治
日銀総裁候補
野党の意見無視した提案
穀田国対委員長が会見で批判

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 日本共産党の穀田恵二国対委員長と佐々木憲昭国対副委員長は十八日、政府が提示した田波耕治日銀総裁候補らの所信聴取後に会見し、政府の対応について「(野党は)前回の意見聴取でも同意の基準を示している。それを無視した提案をおこなうことは、(同意人事を)真剣に考えているとは思えない」(穀田氏)と批判しました。

 衆院議院運営委員会で質問した佐々木氏は、田波氏が大蔵事務次官(一九九八―九九年)の際に、銀行がバブル期につくった不良債権の穴埋めとして、三十兆円もの税金を投入したことに全く反省がみられなかったと指摘しました。

 佐々木氏は、日本共産党は当時、銀行の経営責任を問わずに税金を投入することに反対し、銀行業界の共同の責任で対処するよう求めていたと強調しました。

 西村清彦副総裁候補についても、超低金利政策で認識をただしたが、「家計に痛みを伴うが、それほどの犠牲を払わなければ危機の脱却はできなかった」と肯定したことを明らかにしました。

 これを受けて穀田氏は、「全体として、これまでの日銀政策の枠を出ない印象だ」と指摘。銀行へ投入された公的資金のうち十兆円以上が返ってこないことをあげ、「そういうことに明確な反省のない方を同意することは考えがたい」と述べました。

迷走 日銀総裁人事
「空白許されぬ」と言うが
責任は政府に

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 任期切れ(十九日)直前に至っても迷走に迷走を重ねる日銀総裁人事。本来、日銀総裁といえば、金融政策はもとより日本経済の健全な発展に責任を負うべき存在ですが、提案者である福田康夫首相の混迷ぶりは、首相にその自覚があるのか根本から疑問を持たざるを得ないものです。

 日銀総裁は国会の同意を必要とするため、首相には、もともと野党が受け入れられる人事案を示す責任がありました。ところが、政府は当初、二月末にも、人事案を提示するとした方針を、ずるずると先延ばし。結局、国会に提示したのは、任期切れまで十日あまりの今月七日でした。

 しかも、政府が総裁候補としたのは、野党が反対姿勢を示してきた武藤敏郎日銀副総裁。同氏は大蔵・財務事務次官として「構造改革」「社会保障費抑制」路線を主導。日銀副総裁になったあとは、家計の利子所得を奪ってきた「超低金利政策」を推進してきました。

野党の拒否明白
 貧困と格差拡大をもたらした「構造改革」路線に無反省な「武藤総裁」案は十二日の参院本会議で否決され、不同意になりました。政府は、「(総裁の)空白は許されない」と繰り返し、あたかも野党に責任があるような態度を示しました。

 一度否決されても武藤氏にこだわった福田首相がようやく差し替え案を民主党に打診したのが十七日朝。しかしそれは、現総裁である福井俊彦氏を留任させるというものでした。

 福井氏といえば、一昨年、証券取引法違反(インサイダー取引)で問題となった村上ファンドに一千万円を出資し、利益をあげていたことが明らかになり、野党がそろって辞任を求めていた人物です。野党が同総裁の留任を認めることなどあり得ないことは明白でした。

 そして、政府が十八日に総裁候補として国会に示したのは、田波耕治国際協力銀行総裁(元大蔵事務次官)の名前でした。

 一九六四年に大蔵省に入省した田波氏は大蔵省総務審議官や理財局長などを歴任。九八年一月から翌年七月まで大蔵事務次官を務めました。

 同氏は、大蔵事務次官当時、バブルで乱脈の限りをつくし不良債権をふくらませた銀行への税金(公的資金)投入を進めてきた張本人です。

 六日前、財務省の事務方トップとして悪政を支えてきた武藤氏が不同意にされたばかりなのに、ここでも教訓が生かされたとはとてもいえないものでした。

 政府・与党は総裁空席回避を口実に、十八日午前に田波総裁案を提示し、わずかその数時間後に衆参の議院運営委員会で日銀正副総裁候補の所信聴取を実施。十九日の衆参本会議で、同人事案を採決することをもくろんでいます。

統治能力の欠如
 政府・与党は口を開けば、「日本と世界の経済情勢を考えれば、総裁の空席は許されない」という趣旨のおどし文句を言います。しかし、日本経済の健全な発展という重責を担う日銀総裁選びを迷走させた上、こんなやっつけ仕事のようにおこなおうとすることの方が、よほど日本と世界の経済へのマイナス要因になるのではないか。

 支持率続落のすえの今回の事態。福田首相の統治能力の欠如がいよいよ極まったことのあらわれでしょう。(山田英明)

(出所:日本共産党HP 2008年3月19日(水)「しんぶん赤旗」)
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志布志事件 福岡地裁-「踏み字」元警部補に有罪判決/教訓は「取り調べ可視化早く」-

2008-03-20 00:11:53 | 刑事裁判
「踏み字」元警部補 有罪
志布志事件 福岡地裁判決
密室の犯行を批判
川畑さん 「取り調べ可視化早く」

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 二〇〇三年の鹿児島県議選をめぐる冤罪(えんざい)事件(志布志事件)に関し、取り調べを受けた川畑幸夫さん(62)に親族のメッセージに見立てた三枚の紙を無理やり踏ませ自白を強要したとして、特別公務員暴行陵虐罪で起訴された元鹿児島県警警部補の浜田隆広被告の判決公判が十八日、福岡地裁で開かれ、林秀文裁判長は懲役十月、執行猶予三年を言い渡しました。

 判決は「踏み字」について「常軌を逸した行為」と指摘し、「家族等への尊敬、敬慕、情愛等を踏みにじらせ、(川畑さんの)人格そのものを否定させるような感情を抱かせ」、「被疑者の人権に配慮して取り調べを行うべき取調官としてあるまじきもの」と断罪。取調室という密室での犯行であることも併せて考えると、「犯行態様は悪質である」と強く非難しました。

 一方、川畑さんが「十回以上」と主張し争点となっていた「踏み字」の回数については、川畑さんの証言に「疑問が残る」などとし、同様に「一回」と主張する被告人の供述も「不自然」と判断。結局「それ以上の認定は困難」とのべ、「一回踏ませた行為を認定する」にとどまりました。

 閉廷後、記者会見を開いた川畑さんは「思っていた以上に厳しい判決だった。(被告は)判決を真摯(しんし)に受け止め反省してほしい」と注文。一方で「踏み字」の回数が「一回」とされたことについて「残念だ」とのべ、真実を明らかにするためにも「一日も早い取り調べの『可視化』が必要だ」と強調しました。

 川畑さんの代理人の弁護士は取調室という「密室のヤミが、いかに暗く深いか(裁判を通じ)明らかになった」とのべ、取り調べが「可視化」されない状況のもとで「裁判員制度をすすめることに警鐘を鳴らす判決だ」と指摘しました。

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解説
警察の思い上がり断罪
 事件は江戸時代のキリシタン弾圧に用いられた「踏み絵」を連想させ、現代にいたってなお続く権力の蛮行に国民は強い衝撃を受けました。

 取り調べは「狂気のさた」そのもの。机をたたき怒鳴る、「わいがバカが」などと罵声(ばせい)を浴びせる、あげくに「自白」を得るために親族への情愛さえ踏みつけにさせる――「拷問」としか言いようのない、文字通り戦前の「特高警察」を想起させる、前近代的な事件でした。

 にもかかわらず、被告人は公判の席上、驚くほどの無反省ぶりをさらしました。涙ながらに陳述する川畑さんを見すえ首をかしげる、紙は「踏ませた」のではなく「足を乗せた」もの、「踏み字」を「侮辱と思わないか」と裁判長に問われ、即座に「思いません」と放言しました。

 意見陳述にいたっては「志布志事件は鹿児島県警がでっち上げた事件では決してありません」などと言及し、退職してなお、警察への忠誠と弁護も忘れませんでした。

 県警は、志布志事件の捜査員数名に対し表彰まで行っていた一方、事件の被害者に対する直接の謝罪は今もありません。

 この事件で断罪されたのは「踏み字」行為の違法性もさることながら、「自分たちにはどんな横暴も無法も許される」という警察権力にひそむ、度し難い“思い上がり”にほかなりません。

 密室をよいことに拷問まがいの取り調べでウソの「自白」を強要する――こうして引き起こされる冤罪事件を二度と繰り返さないためにも取り調べの全過程の「可視化」(録画・録音)は急務の課題です。取り調べ状況を常に第三者にチェックさせる「可視化」は欧米でもアジアでも広く行われ、世界の流れです。冤罪事件が続発する日本の刑事司法において、この面での立ち遅れの是正は一刻の猶予も許されません。(竹原東吾)

(出所:日本共産党HP 2008年3月19日(水)「しんぶん赤旗」)
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イラク開戦5年-無法な戦争とその支援やめよ-

2008-03-20 00:08:35 | 国際政治
主張
イラク開戦5年
無法な戦争とその支援やめよ

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 アメリカのブッシュ大統領がイラクを侵略して無法な戦争を始め、日本政府がそれを支持して支援にふみだしてから五年を迎えます。

 ブッシュ政権が開戦の口実にした、フセイン政権が大量破壊兵器を持っているということも、アルカイダとつながっているということも、すべてうそだったことが明らかになっています。ブッシュ大統領の言い分をうのみにした日本政府の態度が誤っていたのはいまや明白です。無法な戦争とその支援をやめ、戦争の泥沼から抜け出すしか道はありません。

戦争助長の罪は大きい
 イラク戦争は、国際社会の大多数の反対を押し切ってブッシュ政権が始めた国連憲章違反の侵略戦争です。紛争の平和的解決をうたった国連憲章に反した戦争に当時もいまも多くの国が反対するのは当然です。

 アメリカがイラク戦争を始め、日本政府が支援にふみきったのは、フセイン政権が大量破壊兵器を保有しているとの理由からでした。小泉純一郎首相(当時)は、メールマガジンで「大量破壊兵器を保有するイラク」とくりかえしました。与党の公明党も「ないわけはない」(冬柴鉄三幹事長=当時)と強調しました。しかし、当のアメリカの調査でも大量破壊兵器はなかったのです。うそがはっきりした以上、戦争を続ける誤りを重ねるべきではありません。

 大義のないイラク戦争とその後の米軍支配は、国連憲章にもとづく平和秩序をゆるがすものです。日本の戦争支援は、戦争のない世界をめざす国連憲章の理念をだいなしにするものでしかありません。

 米軍はいまも戦略爆撃機を使うなど、無差別爆撃をくりかえしています。空自は国連要員も運んでいるといいますが、空輸の八割は多国籍軍の兵員、軍事物資です。

 米軍の無差別攻撃を後押しする空自の空輸支援は、国際人道法に違反するのはもちろん、「武力行使と一体化」した活動は憲法違反だとする政府見解にも、バグダッドへの空輸は、戦闘地域での活動を禁止しているイラク特措法にも反しています。バグダッドが戦闘地域であるのは、C130輸送機が、おとりの熱源体「フレア」を発射しなければ着陸できないことでもあきらかです。

 イラクにはいまだに十六万人もの米軍の大軍が駐留しています。表面的には治安が改善しているという見方もありますが、それはあくまでもアメリカが力で抑え込んでいるためで、本格的な治安の回復も社会復興も見通しが立っていません。外国軍が駐留する限り、イラクの平和はありえません。

 十万人とも百万人ともいわれる犠牲者と五百万人近くの難民化を生み出しているアメリカの戦争から、日本はただちに手を引くべきです。

戦争やめよの集会成功を
 イラク国内でもアメリカ国内でもイラクからの米軍撤退要求は大勢になり、ブッシュ政権はおいつめられています。世界では「日米同盟」絶対論が通用しなくなっているのに、ブッシュ大統領に「理解し支持する」とのべて、戦争継続を求めた福田康夫首相の態度はあまりにも卑屈です。これではますます国際社会から孤立を深めるだけです。

 米軍の早期撤退を求めるとともに日本政府は自衛隊の即時撤退にふみきるときです。世界各地で無法な戦争の中止を求める活動が予定されています。日本でも二十日の「無法な戦争はすぐやめよ 自衛隊は撤退せよ 海外派兵恒久法許すな」の中央集会を成功させることが重要です。

(出所:日本共産党HP 2008年3月19日(水)「しんぶん赤旗」)
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