ウリパパの日記

自由気ままに・・・

バイロイト音楽祭ライブ中継「ローエングリン」

2011-08-15 21:04:58 | オペラ
昨夜、BSプレミアムシアターでバイロイト音楽祭の舞台が衛星生中継で放送されました。演目は「ローエングリン」です。最近オペラから遠ざかっているのですが、ワーグナーは見逃すわけにはいきません。昨夜は第1幕をライブで、そして残りの2・3幕は今日の午後ビデオでじっくりと見ました。

指揮はアンドリス・ネルソンス。ローエングリン:クラウス・フロリアン、エルザ:アネッテ・ダッシュ。いずれも初めて聞きましたが、特にタイトルロールのクラウス・フロリアンは、明るく力強い美声で魅力的です。往年のペーター・ホフマンを彷彿させるような容姿・歌声です。テルラムント、オルトルート、国王はベテランでしっかりと支えられ、音楽的には非常に充実していました。しかし演出がね・・・

本当に驚きですね。ワーグナーの聖地でもこのような演出が当たり前のようになってしまったのでしょうか。前衛的ではありません。奇抜というかユニークというか、それともお笑い系? 幕間には、演出家(ハンス・ノイエンフェルツ)のメッセージが解説されていましたが、うーん。ついていけないな・・・

理解できません。ネズミのぬいぐるみを着てコーラスしたり、映像でアニメが映されたり。。。まるで、オペラ伴奏付きの映画「ネズミの国」を見ているみたい。白の次は奇抜な黄色い衣装。羽根をむしられた丸裸の哀れな白鳥に思わず噴き出しそう。どうやらネズミにかじられたらしい。

ネズミ達が消えた3幕は安心して見ていられました。ローエングリンの名乗りのところはクラウス・フロリアンの熱唱で感動ものです。しかし、ハリネズミのような衣装と、こてこての化粧で復讐を誓ったオルトルートでずっこけ、極めつけは白鳥が人間の姿に変わり戻ってきたゴットフリート(ブラバント公国の世継ぎ)です。まるでET。ここまでくるとストレスが溜まりますね。

  
1幕の様子です。デジカメでパチリしました。

  
続いて3幕の様子。

オペラは何度も滅多に見る機会がないので、できれば音楽に専念できるような伝統的な演出で楽しみたいものです。絶えず進化していきたい、メッセージを打ち出していきたい演出家の意図も分かりますが、音楽を邪魔しないでほしいというのが我々一般人の切なる希望なのです。今回のローエングリンを見てしまうと、新国立劇場で上演されたキース・ウォーナー演出の東京リングが何だか保守的な演出に見えてしまいます。

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3 コメント

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Unknown (konta)
2011-08-16 01:45:51
同感!!おいらもあの演出にはついていけん。指揮者も歌手も演出について何も言わないところをみると反感をもっているのかな?それにしても、ブーイングが起こらないのが不思議だ。
今思うに、パトリス・シェローの演出なんておとなしいもんですね。
Unknown (通行人)
2011-08-16 04:05:25
>今思うに、パトリス・シェローの演出なんておとなしいもんですね。

そのシェローの演出も当時はボロカスに批判されたんですよ。
シェローリングは演出もブーレーズの軽い音楽作りも大不評で、プレミエの時は警官隊が出てくるほどのバイロイト始まって以来の大騒動になったのです。
それでも演出も毎年手直しされ指揮者の音楽作りも緻密になり、最終年には絶賛されるに至り大成功になりました。

このローエングリンですが僕はブログ主さんとは逆に非常に素晴らしい演出だと思いました(一部やりすぎと思える不愉快な部分もありますが‥いわば確信犯でしょう)。
大体においてノイエンフェルスはコケオドシの酷い演出が多いですが、この演出に関しては細部までよく練られていると思います。
頭から否定せず何度か見直すと納得できる部分もあるんじゃないでしょうか。
ノイエンフェルスの演出 (uripapa)
2011-08-16 16:27:37
kontaさん、通行人さん

コメントありがとうございます。確かにブーイングは起こりませんでしたね。
通行人さんのコメントにあるとおり、演出も時代と共に変わっていくのでしょう。

2度と見たくないという拒絶感を抱いているわけではなく、
むしろまた見てもいいかな?という印象です。2回、3回と
見直すうちに今回の演出に対する私の印象も変化して
いくのかもしれません。

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