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本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇ サイモン・シン「暗号解読」

2016年09月22日 | ◇読んだ本の感想。
かなり厚い本で、内容もこめんどくさい本。しかし最後まで面白く読めた。
まあぱらぱら読みも多々あったわけだが。

わたしは著者に感心したね。
何しろ暗号の歴史概説の話。暗号そのものの説明は避けて通れないところ。
これを文章で説明するのって大変ですよ。それが、……まあわたしはちゃんと読んだわけではないけど、
なんとなーくどういうことを言ってるのかわかるような気がした。
明晰な人なんだろうな。

この原文を書くのもエライが、訳者もエライねえ。
日本語は論理的な言語ではないと言われる。原文がいくら明晰でも、訳者に力量がなければ伝わらなかっただろう。
この内容で、わたしのように適当に読んでる人にも伝わるような文章ってお手柄。拍手。

内容としては……メアリー女王と、クレタ島の線文字Bくらいの話しかよくわからないわけだが。
エニグマも鍵公開の暗号も、量子暗号もみんな難しかったネ。でもたとえ話を使って、説明が上手かった。
アリスとボブの南京錠の話は、発想の斜め上をいっていて絶句した。二往復がカギ。
うーん。頭の固いわたしには絶対思いつかない。

量子暗号はもちろんスッキリハッキリはわからないわけだが、わけがわからないほど計算能力が高いコンピューターなのは
わかった。とりあえずそれだけわかってればいいや。
数字の書き表し方が上手いので(一千億の一千億倍とか)、下手に垓とか那由他とか、あるいは桁数をひたすら並べられるより、
イメージしやすかった。
巨大数を天文学的数字といったりするけど、天文学よりも数学の概念で扱う数字の方がはるかに巨大なんだねえ。
数学的数字。……意味がわからん。

暗号解読者、暗号制作者の人物にも適度に触れているから、ひたすら数字と記号について読まなくてもいいところもアリガタイ。
バランスがいいですね。内容のね。みっしり書いて450ページ超だけど、続けて読んでも苦痛ではなかった。

面白かったです。ある程度こめんどくさい話でもいい人にはおすすめ。



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