安心して受けられる医療とは? 誤診でも… 

誤診につぐ誤診、でも医療の世界では誤診とは言わないそうです。
安心して受けられる医療とは?皆様と考えていきましょう。

シンポジウム・・・“真の”医療事故調査体制を確立するために(2)

2013-08-26 | 講演会
前回は私の感じたことや言いたいことに焦点をあてて、書きましたので、今回は各先生方のご発表をスライド原稿からお知らせしたいと思います。

院内事故調を中心とする“真の”医療事故調査体制を確立するために

■日時 2013年8月24日(土) 13:30~16:45 <無料>
■場所 全労連会館ホール 文京区湯島2丁目4-4 Tel: 03-5842-5610

【第一部】 各シンポジストからのプレゼンテーション
●コーディネータ 大熊 由紀子氏 (国際医療福祉大学大学院教授)
●シンポジスト
1) 大坪 寛子氏 (厚生労働省 医政局医療安全推進室長)
2) 木村 壮介氏 (日本医療安全調査機構 中央事務局長)
3) 長尾 能雅氏 (名古屋大学医学部教授)
4) 樋口 範雄氏 (東京大学法学部教授)
5) 鈴木 利廣氏 (すずかけ法律事務所 弁護士)
6) 宮脇 正和氏 (医療過誤原告の会会長)
7) 岩本  裕氏 (NHK放送文化研究所)

医療事故調査制度について・・・大坪寛子氏
終わりに
○医療の安全対策には患者・医療者双方の理解と協力が欠かせません。
○患者・医療者双方の按針と満足向上のための体制整備のため、実行可能な制度のあり方(安全と安心が見える体制の確保)について皆さんと考えていきたいと思います。

日本医療安全調査機構の現状、これから・・・木村壮介氏
○遺族の疑問に答えるために 調整看護師によるご遺族との面談
1.ご遺族の窓口となる方を確認
2.今回の医療行為について受けた説明の確認
3.当該事業に対して望んでいることを確認
 明らかにしてほしいこと、医療行為についての問題点 医療者からの説明に対する疑問点 など
        ↓
 面談内容をまとめご遺族への送付、承認後地域評価委員会の資料として使用する。

院内事故調の現状と課題・・・長尾能雅氏
信頼猿院内調査の前提
○精度高く院内事故を把握する体制
○検証すべき事例をトリアージする体制
○公正な調査を可能とする体制
  ↓
院内医療安全管理体制の充実が求められる

安全管理者からみた新制度案
1.スクリーニング段階では多少のばらつきを許すが、安全調が広く管理することで広い漏れを減らす、という考え方は現実的であり、実践可能と感じる。
2.事故抽出において、Ebent oriented として作成されていると読める。しかし、新案をClaim oriented として運用する医療機関もあると思われる。院内スクリーニング体制のモニタリングと啓発が必要。
3.新制度運用には、院内医療安全管理者の役割がより重要になると思われるが、あまりその点に言及がない。
4.第三者機関は、調査の物理的負担を軽減できるが、届数は増加すると思われる。調査パターンの分別において、高度で迅速な判断が求められる。
5.医師法21条の取り扱いに関し、賛同する医療者は多いと思われるが、実現可能性が問われる。その他の外因死をどう扱うかは詰められていない。

単独院内事故調とモデル事業・協働型を経験して

[協働型の長所]
1.外部委員の派遣機能を有する。
2.報告書の記載内容が標準化される。
3.調査会のペースメーカーとしての役割を果たす。
4.中央委員会が審査し、、患者説明にも関与することで客観性を確保できる。
[協働型の課題]
1.調査委員が地域内に偏重する。
2.調査に不慣れな病院、調査経験の多い病院、いずれにおいても、調査機構側と病院間の“間合い”の調整に時間がかかる可能性がある。
3.中央審査も含め、時間がかかる。

医療事故の調査の在り方について・・・樋口範雄氏

Blame culture v. just culture
○Blame cultureの隆盛
○医療に限らずそれが賢明な道なのかは再検討が必要
○しかし、他方で責任追及を謙抑的(控えめ)にするとすれば、自ら原因究明と再発防止、それによって問題がある場合には正直な説明と謝罪、補償が必要
○同時に、医療事故の原因究明は、当事者だけの問題ではないという視点も必要。

医療界全体として

○医療事故の原因究明と再発防止は誰のためか
→1 当事者(当該事故に関連した医療者・医療機関・患者・家族のため)
→2 それと並んで、社会全体のため
   public health(みんなの健康)の向上のため

医療事故は誰にでも起こること

○医師も困っている
○もちろん患者家族も困った状況
○そのような困った状況に、いかに対処するか
○ 逆に言えば、医療事故の減少・防止は共通の願い

○そこに工夫と知恵が必要(刑事者罰では知恵なし)
○そのためには、どのような仕組みがあったらよいか、
 どのような第三者機関があったらよいかをまず考えて
 その実現可能性(feasibility)を検討すること

医療事故対策のあり方・・・鈴木利廣氏

医療事故対策とは

1.原因分析(調査、検討)
2.再発防止、患者の安全と質の向上
3.紛争の予防、解決
4.医療制度への信頼の確立

医療事故対策の理念

1.高度の公益性。公共性
2.公的財政の活用
3.公正中立性、透明性、専門性、独立性、実効性

法制化と指針化への期待

1.院内事故調と第三者組織の関係性を明確にした法制化を
2.被害者や有識者の意見を反映した指針づくりを

医療事故被害者からの問題提起・・・宮脇正和氏

医療事故被害者が裁判を決断する時
○事前説明と地学重大な結果(死亡・重度障害)
○主治医から真摯な対応・正直な説明がない
○被害者が納得できないまま説明打ち切り
○説明・カルテ内容が事実と違う
全て裏切られた時。
 厳しい裁判覚悟で、提訴を模索
 ---何とか、真実が知りたい--前に進めない

安全な医療をなぜ求めるのか
○患者・家族の幸福のため
 被害の事実の共有は、被害者・家族が立ち直る大きな手がかり
○医療従事者の誇り・喜び
○安全で質の高い医療の実現
 医療事故から真摯に学ぶ
 個人責任からシステム改善へ
 医療被害の発生を少なくすること
×リスク(賠償金の支払い)を減らすため
×「こういうことをすると患者から訴えられます」
×「訴訟」や「医事紛争」を表面的に減らすこと
×「抑え込む」「いいくるめる」こと   
   2010.6.8 産科医療保障制度運営委員会 加藤良夫弁護士

“妥協の産物”にしないために・・・岩本裕氏
患者側、医療側の言い分
患者側 民事裁判では真相究明に限界
    強制調査の必要も
              → 第三者機関が必要
医療側 刑事裁判は個人の責任を追及するだけ
    専門家ではない警察や検察の捜査には限界も」」

“妥協の産物”にしないために

○民間の第三者機関-違反の公表だけで大丈夫?
○透明性をさらに高めるために-遺族の傍聴や医師以外の第三者
○恒久的な制度運用-財政基盤・人材 etc
○患者側の費用負担を適正に


 
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