浦西孝浩の活動日記

活動の記録

ガイドブックはできたけど

2016-04-14 20:03:53 | 福祉

3月25日の道新地方版(北見)に

医療的なケアが必要な重複障がいで誕生した子どもの保護者へと発刊された「北見市子育て応援ガイドブック」の記事が掲載されていた。
重症心身障害児が孤立しないで地域に暮らせるよう一助になればと関係者の熱意により発刊したもの。

ありがたし。

以前からガイドブックの必要性は、当事者、関係者の間で共通認識としてあったもの。今回、公益法人財団の助成をいただき発刊できたことは、素直に嬉しく思うところ。

 

 

でも、ちょっとまってよ。と、ページを開き思わずにいられなかった。

新聞の見出しにもあるように、このガイドブックは重症児のNICUから在宅生活への移行するうえでのガイドブック。しかし、そこに記載されている内容には一環として「障がい」と言う言葉が禁句のように扱われている。もちろん重症児という言葉は、一言も無い。

内容は①「子育て支援の輪」と②「医療・福祉が必要なお子様のために」の二部構成からなっているが、ガイドブックには相談機関連絡先一覧として相談すべき北見市内の関係機関が最後に掲載されているが、その関係者の中には障がい者団体の紹介は無い。支援の輪の中から見事にスポイルされている。これが正解というガイドブックの組み立て方はないのだろうけど、なんだかな〜。

障がい者団体って、どんな位置づけされてるのかな?と、つい言葉が出てしまった。自分たちがこれまでやってきた障がい者団体としての活動と、どう重なっているのか。昨年11月9日付で北海道は道内各市町村福祉担当課長あてで、障がい者団体の活動支援に対する協力依頼の通達もされているのだが。(このことは北海道守る会が道と話合う中で実現したもの)

確か「障がい者差別解消法」が、この4月に施行されたはず。まさか関係者の間で無意識の差別がはびこっているということなのか?いや、きっと、そんなことはなんだかわかったようなつもりで得意な「合理的配慮」の範疇で、あっさりと削除?

命を守る。我が子の「障がいを受容する」。

医療的なケアの必要な重い重複障がいを抱える子どもを家族に迎えて、障がいを「受容」するということ。を、どのように導くのか。重たい話であることはわかるけど、関係者が逃げていたら、当事者の親たちへ、誰が、どのように伝えるのか?

「障がい」の視点が、腫れものにでも触るように隠されてしまっている。ほんとに、これでいいのだろうか。当事者抜きの、仕事として関わる福祉サービス関係者だけで本人や家族の支援はできるものではないはず。

そして、このガイドブック、退院おめでとう~その先々の安心へ~とサブタイトルが付いているが

関わる福祉サービスのスタップ任せ?それとも、障がいという視点での情報提供は、次の段階ということでスル~?

でも特別支援学校はなぜか紹介されている。早すぎないか?

NICUを出て生活をするうえで欠かせないリハビりも、美幌療育病院や旭川療育センターなどの関係機関も紹介なし。

支援は市内の関係機関だけがすべてではないはず。なんだか、ぼくの頭の中ではバランスあるガイドブックとは、どうしても思えない。

誕生して医ケアが必要な乳児を家族に迎えた保護者への院内でのサポートの紹介も無い。誕生から入院中の保護者へ寄り添う取り組みは、病院任せ?

保護者にとっては誕生して入院中に障がいを目の当たりにして認識させられた時からのフォローが求められると思うのだが。ちゃんと、やっているから載せる必要なしということ?

そして北海道も、あらためて家族に寄り添える経験深い当事者の相談、傾聴ができる人材育成(ペアレントメンター)の必要性を認識し障がい者団体と一緒になって取り組んでいるのだが、が、が、ガクン。

だれも気づかなかったのか。

ぼくは当事者の一人。関係者とつながりの中で本人、家族を支援しようと障がい者団体として、

今までやってきたことを無視されたのか

意味がなかったのか?

誰にも伝わっていなかったのか?

と、なんだか力が抜けてしまうは。

こんな現実を見せつけられるとは思わなかった。

なんか、視点が定まらない、福祉事業所紹介のガイドブックを作りたかったのか。

と、つい勘ぐってしまう自分がいる。

「途切れない支援」には、誰が関わるのか?見落としはないか?再確認が必要。

そして「先輩からのメッセージ編」
さもありなん。なんとも楽観的な言葉があふれている。求められるのは、乳幼児の子どもを抱えての進行中の不安に寄り添うようなメッセージではないだろうか。確かにそれを具体的に言葉で綴るのはハードかもしれないけど、それぐらい保護者の気持ちは重たいはず。

相談支援のサービスは有っても、保護者を包み込むような温もりをどこまで感じていただける関係性を創れるのか。ただでさえ少ない重症児の相談支援に携わる担当者の気概あるメッセージがほしかったね。そんな相談支援員なんて存在しない?

このガイドブック、いったい編集に至る過程でどんな意見交換されたのだろうか?

いまさらか。

 

ドイツ語のsein(ザイン)の意味  存在する

私はここにいる つながろう

そんな呼びかけの感じられない福祉サービスガイドブック。もちろん無いよりあるだけいいか。あとは、この改訂版を、どうやってつくるか。この発刊されたガイドブックを踏まえて、関わる人たちの「意識ある力」でカバーすることを期待します。

 と、

ほんとに久しぶりにネガティヴな投稿

しゃあないな

ここから、また前に進むしかない

あきらめたら

そこで終わりだからな

 

雪も融けてウオーキングが最近の日課。

人生のY字路に差し掛かった時、左右どっちに進むかで見えてくる景色は変わる。

障がいが有ろうとも生と死の狭間に生き、希望の存在として生まれてきた光る命のために

 

息子に、ここまで進んだよ。と、報告できるように

もう少しがんばろう。

 

 


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