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ぷらすアルファ 高齢者向けサービス破綻 身元保証業、規制を議論

2016年10月31日 | 貧困と格差
http://mainichi.jp/articles/20161027/ddm/013/040/016000c

 身寄りのない高齢者に身元保証サービスを提供する公益財団法人「日本ライフ協会」が高齢者から受け取った預託金を流用していたことが今年1月に発覚し、経営破綻した。身元保証のサービスを必要とする高齢者は多いが、事業者に対する監督官庁や規制はなく、国も実態はつかめていない。内閣府消費者委員会では現在、事業のあり方を議論している。サービスの現状をまとめた。
 神奈川県の高齢者向け施設で暮らす80代後半の男性は、日本ライフ協会の身元保証を受けてこの施設に入所した。
 10年前に妻を亡くし、身の回りのことに不自由するようになって施設に入ることを決めたが、親族に保証人を頼める人はいなかった。男性の親族は、高齢で体調が悪い上、片道2時間半ほどかかる場所で暮らしている。子どもは海外出張が多い仕事で、身元保証人にはなれなかった。
 高齢化社会を迎え、親族と離れて暮らす人や単身の世帯が増えた。「(身元保証サービスは)高齢者対象の事業では空白地帯になっていた。そこに目をつけて広がった」と男性は背景を語る。公益法人を監督する内閣府の公益認定等委員会は今年1月、日本ライフ協会に是正を勧告した。男性は「その時には既に手遅れだった。日本ライフ協会を公益財団法人に認定したのは政府なのに」と憤る。
 男性は10月、新たな身元保証会社と契約を結んだ。「こういう(身寄りの少ない)年寄りの一番困っていること」だという、入院の際の身元保証と死後事務を委託した。「役所は保証人がいなくても入院を拒否してはいけないと病院に通達しているが、病院としては保証を受けなければ心配なんだろう」と男性は話す。

 ●入会時に「預託金」

 身元保証団体の業務については明確な定義がなく、形態も一般社団法人、NPO法人、株式会社、社会福祉法人と多様だ。サービス内容は事業者によって異なるが、大きくは生前のサービスと死後の業務に分かれる。生前のサービスは、入院・施設入所時の身元保証、介護保険対象外の生活支援、医療行為への意見表示が多い。中には、生前に定期的に見守りをする身元保証団体もある。死後の業務は、本人の希望に基づき、遺体の火葬や事務手続き、住んでいた住居や残った荷物の処分などを担う。
 費用は、終身契約で一括払いのものと月額払いのものがあり、100万円単位に上ることもある。それとは別に、死後業務などの原資として、「預託金」の形で入会時に支払う形態が多く、日本ライフ協会の事件では預託金が流用された。通常は、預託金は必要経費を除き、相続人に返却される仕組みだ。
 毎日新聞の調べでは、こうした身元保証団体が北海道、東京都、愛知県、大阪府、福岡県など全国に存在している。

 ●病院の95%「必要」

 病院や施設が身元保証を求める実態を探るため、公益社団法人「成年後見センター・リーガルサポート」(東京都新宿区)は2013年に全国の▽療養型医療施設▽特別養護老人ホーム▽グループホーム▽有料老人ホーム▽サービス付き高齢者向け住宅--など計1521カ所に対してアンケート調査し、603カ所から回答を得た。
 病院の95・9%、施設などの91・3%が身元保証人などを求めていた。身元保証人に求めるのは、入院費・利用料金の支払い▽緊急の連絡先▽医療行為の同意▽遺体・遺品の引き取り▽債務の保証▽入院計画書・ケアプランの同意▽身柄の引き取り--などを挙げた。また、「身元保証人が得られないときに入所・入院を認めない」のは、病院の22・6%、施設の30・7%に上った。
 身寄りのない高齢者にとって身元保証団体は頼みの綱だ。信用して費用を払ったにもかかわらず、日本ライフ協会のような事件が起きてしまった。同センターの多田宏治理事長は今年4月、「保証を業とする法人等に対し、行政上の規制・監督をする制度を策定すべきだ」と声明を出した。
 アンケートに携わった同センター専務理事の西川浩之司法書士は、事業者による身元保証は「責任範囲があいまいだ」と指摘する。「大半のことは後見人ができる。逆に、死後事務などは弁護士や司法書士などの専門職や後見人でも(法的には)できるか疑義のあるところ。事業者が『誰もできないことをできる』という触れ込みをするのは問題だ」と語る。

 ●自治体が対応も

 東京都足立区など一部自治体では、社会福祉協議会(社協)が身元保証に準じたサービスを提供している。足立区社協は本人と面談して医療情報や資産について聞き取った上で、契約前に遺言執行者を弁護士や司法書士とする「公正証書遺言」を必ず作成する。また、希望する医療サービスに変更はないか、判断能力は低下していないかを確認するため、社協職員が定期的に本人を訪問している。ただ、人件費などの費用を全て区の補助で賄っているため、対象は住民税が非課税など資産や収入の少ない人に限っている。資産があり、判断能力のある場合は、自身で任意後見や委任契約を専門職と結ぶことができるからだ。
 消費者委員会はこうした現状を踏まえ、4月からヒアリングを実施してきた。河上正二委員長は、身元保証団体による事業について「入り口、内容、運用、すべて透明度があまりにも低い」と批判的に見ている。消費者委員会は早ければ年内にも、団体のあり方の問題点や規制の仕方について意見をまとめる。【毎日新聞 西田真季子】
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