宝石ざくざく◇ほらあなJournal3

ロシア語をはじめ、外国語学習に関するあれこれを書いておりましたが、最近は…?

学ぶことが多い・・・

2010年04月02日 | 
読んだ本

『浅田真央 age15-17』(宇都宮直子 文春文庫)

オリンピック後これをレジに出すのは少々恥ずかしかった・・・

便乗本と違って、早いうちから浅田選手を取材して信頼関係のある著者のようなので、読んでいて安心。
この手の人物ノンフィクションは、対象との距離の取り方が難しいと思う。客観性、冷静な視点という点では、ちょっと感傷的になりすぎかなーと思わないでもないけれど、真央ちゃん(と、ここでは書いてしまう)と長期間接してきて、そうならないわけにはいかないだろうしなー。

個人的に印象に残った箇所

p44:中学進学の際、スケートと学業、どちらを優先させるかというところで、
「舞(いちおう注※真央の姉)には、どっちもやらせて失敗した。両方は体が無理なんだよ、申し訳ないと思っている」
というお母さん、匡子さんの言葉。

→浅田姉妹の仲の良さが不思議でもあったのだけれど、なんとなく(うまく説明できないが)納得した。

p91:真央15歳のときの言葉
「国語を頑張って勉強したいと思ってる。(中略)取材のときも、自分の気持ちをきちんと伝えられるように」

p92:まだこれほど有名でない頃(たぶん世間話の一環として?)、真央に、その頃著者がテーマにしていた生命の有限性について話したというエピソード

→うん、うん、学校へ行く時間がなさそうな真央ちゃんだからこそ、彼女に接する大人は、知的好奇心をかきたて、かつ、こんな大人になりたいなと思わせる人であってほしいな。

p138:うまくいかないときの、試合に臨む心境を、「心に橋が現われる」と語っているところ(冷静なときは現れない)

p175-176:匡子さんの言葉
「あの子は昔、『やります』と言い切っちゃうと、やれなかったときに困るという考え方をしていた。(中略)弱気な発言ばかりしていた。それじゃあ、駄目なんだって。結果は絶対、付いてこない。もっと向かっていかなくちゃ」

→真央ちゃんの、あの常に正直でポジティブな発言は、教育の賜物だったのかー。にわか鑑賞で真央ちゃんに教えられたことはたくさんあるけど、いちばんはこれだった。
(自分で逃げ道をつくる発言、私もよくやっていたんだけれど、ほんとにみっともないことだと、ここ1ヶ月あまりで痛感した・・・)
ほかのエピソードでも思ったのだけれど、子どもは親を選ぶというけど、さすが真央ちゃんが選んで産まれてきただけのことはある(?)すばらしいお母さんだ。

p270:2008年グランプリファイナルのフリーで彼女を奮い立たせたのは、打倒ライバルとかそういうのではなく、愛犬エアロの出産。

→エアロはほんとに特別な存在なのだろうなー。
私はペットを飼っていないこともあって、動物に愛情を注いでいる人がまぶしくもうらやましい。
オリンピックでの「エアロ~ティアラ~こまち~」の呼びかけが、かわいくて忘れられない^^
(「ソチのとき犬が20匹に増えてたら呼びきれない」というのをどこかで見かけて笑った)

オリンピック前の1-2年は、より苦難が大きかったのではないかと思うけれど、このころのエピソードのひとつひとつにも、胸がきゅうっとしめつけられるようで、なかなか読み進められない感もあった。
浅田真央選手のあれこれに感銘を受けている私としては、万事てきとうでサボリがちな自分をいましめるために、この本を座右に置いておこうかと思った。

最新の画像もっと見る