りんご(皮と芯を除いたもの)524
レモン汁20
グラニュー糖25
ラム酒小さじ1
無塩バター12
(↓キャラメル)
グラニュー糖100
水20
りんごのキャラメル煮である。
どう考えても美味い。
「季節の果物でつくるジャムとレシピの本」より。
作り方もほぼレシピ通り。
レシピではりんごはジョナゴールドだが、今回はふじを使用。
ふじはやっぱり煮崩れしにくいので、こういう加工に向いていないといえば向いていない。
でもできないわけでは無く、歯ごたえが楽しめる仕上がりになる。
もちろん味も良い。
小瓶に詰めて保存をしたかったので、小さめにカット。
りんごがそもそも小さめで、それを8等分のくし切りにし、1.5cm程度の厚みに刻んだ。
芯の近くの筋っぽいところは変色しやすいので、色を気にする場合は思い切って大きく取り除いた方が良い、勿体無いけど。
今回はキャラメル煮なので気にする必要まったくない。
以前、おなじレシピのキャラメル煮をやったときも、先日のキャラメルりんごバターやったときも、キャラメリゼが過ぎたという文字通り苦い経験があるので、その点はかなり気にした。
過去を振り返ると、(キャラメルって言ったらこんなもんかな…)というところで火を止めた。
これが良くなかった。
火を止めても余熱でそこからさらにキャラメリゼが進んでしまう。
だから苦くなる。
よって、方針はハッキリしている。
早めに火を止めれば良い。
では、その「早め」のタイミングは、いつなのか。
これが正直「まだ色も薄いし、もうちょっとかなー」というところ、としか言いようが無い。
こんな感覚的なものでは、今回まぁ上手くいったけど、再現性は期待できない。
ただ、ひとつだけ、気づいたことがある。
キャラメルには「相転移」的な、つまり全体の状態が急激に変化するタイミングがあって、それを超えてから火を止めると遅すぎる、ということ。
砂糖と少量の水を鍋に入れて加熱すると、
①はじめはほぼ透明な液体が、
②わずかずつ黄色くなり、
③あるところで急に色が濃くなるとともに、
④なんだか流動性が良くなり、
⑤その後すぐ沸騰しはじめる。
この段階で「加熱をやめる」と良い感じのカラメルになる。
しかし先述のとおり実際には「火を止める」≠「加熱をやめる」であり、⑤で火を止めても余熱で加熱されてしまうことが問題だった。
そこで今回は③の手前で火を止めたところ、余熱で⑤まで反応が進み、いい具合になった。
ただ、「余熱でどれくらいキャラメリゼが進むか」は、作る量や使う鍋によっても違うだろうし、外気温とかも影響するかもしれない。
ちなみにうちの鍋はル・クルーゼのココットロンド20cm。
「③の手前」というのも曖昧だ。
そもそも「苦味」なんて好みによる。
レシピ本にも具体的には書きにくいのか「色が濃くなったら火を止める」程度の表現のみ。
(前回はつまりこれを鵜呑みにしてやりすぎた、好みだけど)
これはもう、自分で繰り返して感覚をつかむしかない。
というか、キャラメルに限らずだが、失敗を繰り返す中でそういう感覚を磨くことが、菓子作りの修業なのである。
その感覚を頼りに毎回同じ品質を保つのがプロフェッショナルであり、その感覚の蓄積がノウハウであり、技術力であり、そういったものにきちんとお金を払うことで、私たちはいつでも美味しいものを食べることができるのだ。
むしろこれまでの失敗に金を払っていると言っても過言ではない。
…だからつまり、シロウトの自分がまた失敗するのは仕方ないよね!
という言い訳でした。
菓子作りってそういうところあるよね。
最後に言うことでもないが、今回「キャラメル」と書いたのはすべて所謂「カラメルソース」のことであり、森永ミルクキャラメル的な用法の「キャラメル」では無いことに注意。
カラメルとキャラメルの違いについては、きちんと調査したうえで、いずれまた触れたいと思う。