無意識日記
宇多田光 word:i_
 



今朝のラテ欄を見て笑ってしまった。NHKを含む在京(圏)FMラジオ局の殆どがサッカーワールドカップのギリシャと日本による試合の生中継を予定していたからだ。普段からプロ野球を生中継しているAMラジオ局の面々以上に横並びにみんな、だ。Nack5などは地元という事で普段から西武ライオンズの試合を中継する事もあるとはいえ、こういう公共の電波を用いた"にわか"っぷり。普段FMラジオを聴いている層というのはきっとこういうノリなんだろうなぁと想像せざるを得ない。今その放送を聴きながらこれを書いている私も相当なにわかだしな。

そんな中、放送大学と共に1局だけ(はオーバーなんだけど印象としては、ね)、サッカー生中継をせず普段通りの編成で放送をしているFMラジオ局があった。それがInterFMだ。それを見つけた瞬間、思わず「テレ東かっ!」と突っ込んでしまった。テレビ東京といえば、どれだけ大きなニュースがあろうと普段の編成を崩さない姿勢が賞賛を浴びている。それと同じアティテュードをInterFMに感じる。

「Real Music Station」を標榜するFMラジオ局の矜持というものなのだろう、折角の高音質を提供できる帯域を使える立場に居ようが音楽番組をなかなか放送できない民放局が多い中、音楽を主役として打ち出していこうという方針。ピーター・バラカンを登用した効果がしっかり出ているのだろうな。

そういう、今の時代には珍しい"意地"を見せてくれているラジオ局で、Hikaruは去年一年間放送を持っていたのだ。返す返すも、三度も休まなければならなかったのは残念と言うしかない。穴埋めという訳でもないのだろうが、1月~3月にはあの伝説の(という形容が如何にも不似合いな15歳のクソ生意気なガキんちょが喋っていた)番組、"Hikki's Sweet&Sour"まで再放送されて、これがまた30分番組の癖に次から次へと曲をかけやがって、思いがけず15年前の洋楽シーンを思い出させる効果もあったりして非常に素晴らしい時間を過ごさせてうただいた。そこには感謝しかない。

Hikaruの体質って、どっちなんだろ? 別に片方に偏る必要はなく、時にはにわかになり時にはこだわりを発揮し、という事でいいと思うがHikaruは元々こういうバブリーなお祭り騒ぎとは距離を取っていたような? いや、邦楽市場史上最高にバブリーなお祭り騒ぎをもたらした張本人ではあるのだけどね。その点に関して、Hikaruはどう思っているのだろう。15年前あの喧騒と狂騒のただなか、ど真ん中にあって、台風の目のように自らは静かに見つめていたのではないだろうか。そういう中で、その時にだけ集まってくる大多数の振る舞いについて、言いたい事はなかったのだろうか。当時と今では状況が違うだろうが、Hikaruがあやふやな盛り上がりにのっかったりする時に感じるのはただの危なっかしさだけでなく、16歳のHikaruの静かな目線のような気がする。今のHikaruが15歳のヒカルを「健気だな」と愛でる一方、15歳のヒカルは今の31歳のHikaruをどのように感じているのだろうか。叶わない話だが、一度
訊いてみたい気はしている。

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