うな風呂

やる気のない非モテの備忘録

アンチャーテッド - 砂漠に眠るアトランティス -  85点

2011年11月05日 | ゲーム日記
アンチャーテッド - 砂漠に眠るアトランティス -
クリエーター情報なし
ソニー・コンピュータエンタテインメント



フランシス・ドレイクの血をひく冒険家ネイサン・ドレイクの今回の標的は、かつてドレイク卿が発見し、秘匿した幻の都「砂漠に眠るアトランティス」だ。それはネイトにとって少年時代からの悲願でもあった。
相棒のサリーと共に探索を開始するネイト。しかし怪しげな秘術をつかう謎の秘密結社もまた、アトランティスを狙い動いていた。果たしてネイトは悲願を果たし、アトランティスとそこに眠る秘宝を発見できるのか――
「PLAYする映画」第三弾。



いやー、やっぱアンチャはおもろいしすごいわ~。
インディー・ジョーンズばりの冒険を各地でやっていくだけの、ストーリー的には無内容にもひとしい単純明快なアドベンチャーものなんだけど、いやあそのシチュエーションの凝ってること凝ってること。
一作目はジャングルの遺跡の奥地にあるエルドラド、二作目は雪山の果てにあるシャングリラと、似たようなシチュエーションを極力かぶらせないようにやっていたため、さすがに三作目はマンネリ感が出てくるだろうと思っていたが、いやいやまったくそんなことはなく、むしろ王道でありながら新鮮なシチュエーションの数々がこれでもかと目白押し!
ロンドンの謎の地下。炎上倒壊する屋敷。沈没する船。墜落する飛行機。オリエンタルな都市。そして砂漠――あらゆるシチュエーションがもうめまぐるしく襲ってきてまさしく息つぐ間もない。単純なシチュエーションでも、いちいちスケールがでかくて、その見せ方がまた最高にうまい。「すげー……」とか「うおっ、マジか……」とか思わずぶつぶつつぶやいてしまい自分がきもくなるほど。

とにかく本当に演出がうまいんだよね、ほんとに。主人公のネイトはアホみたいな握力でどんな場所でもひょいひょい登っていってしまう超人なんだけど、掴んだ場所が崩れたり、掴んだ勢いで変形して当初の予定とは違う形で登ることになったり、超人な主人公なのに安心感がまったくない。ゲーム的には意外と死なないのに、一つ一つの足場で「そう来たか!」と思わせる仕掛けがあるから手に汗握り、必死に登っていく感覚に没入できる。いちいち「マジか」「やばいやばいやばいやばい」とぶつぶつ陽気にうるさいネイトさんのリアクションが本当にプレイヤーの気持ちを代弁してくれているのも大きい。ストレートな表現なのに、だからこそかネイトさんのリアクションは飽きない。いかがわしい相棒のサリーのリアクションも然り。

サリーと云えば一作目ではネイトさんと終始漫才をしていて非常に愛らしいおっさんだったが、2では出番が激減してファンに悲しい想いをさせた。おそらくその声を受けてだろう、今作ではサリー目立ちすぎ。
二十年前のネイトとの出会いから始まり、基本的に一緒に行動して漫才のような掛け合いでこちらをニヤニヤさせるし、途中で敵にさらわれたりすると今度はネイトさんが「サリー!」「サリーを助けなきゃ!」とやたらサリーサリーうるさくて本当にもうラブラブ。自分が死にかけて幻覚見てるときでも、恋人のことはまったく思い出さず「サリーサリー」ばっかりで、完全に公式ホモとしか思えない。サリーの出番増やして欲しいとは思っていたが、なにもここまで……と軽くひいてしまうぐらいにずっとラブラブだった。
白人のおっさんホモが好きな人には必見なのではなかろうか?

銃撃戦に関しては、いままでの二作よりもさらにシチュエーションを重視して、イベント戦に近い様相を呈しているかな。1も2もそれなりの広さのフィールドで自由に戦っている感じがあったけど、3は狭いフィールドで正しい勝ち方を模索する感じだった。自由度が減ったという気はするが、その分一戦ごとがサクサク進むし、なによりそのシチュエーションに合わせた演出が強化されているのが良い。
FPSシューター的には前作の方が面白かったんじゃないかと思うが、個人的には演出重視で今作の方が好きかな。
ただ後半になるとフルアーマーの糞固い敵がさりげなく雑魚に混じっていて殺されることが多く、ちょっと固すぎるしさりげなさすぎるんじゃないかとは思った。

欠点は、ストーリーが投げやりというか、なんか終盤までものすごい濃厚だったのに最後の最後でいろいろ投げっぱなしになったというか……タイトルからしてメインと思われてた砂漠についてからの展開がちょっと急で物足りないなー、と。
主人公の少年時代からの悲願がなんだったのかとくに感じられないとか、やたら思わせぶりなサリーの態度とか、なにかありそうな感じだった味方がなにもなく途中退場してそのままとか、黒幕がなにしたかったのかさっぱりとか、なんか「そこまでベタに広げてなぜそこで放置する?」と云いたくなる点が終盤にチラホラ。
別に1も2もストーリー自体はいいかげんなものだったから、このシリーズにストーリーの整合性とか期待してないし緻密な伏線とかもいらないが、しかし1も2もハリウッド的に強引な大団円感をかもし出していたので、今作はそれらに比べるとちょっともやっとするなー。
確か全部で23チャプターだったけど、ラストの前にもう1チャプターあったらちょうどいいぐらいだったんだけどなー。つうかラスボス戦、ストーリー的にも演出的にも強さ的にもあっさりしすぎだしね。1も2もラスボス戦でそれらしく盛り上がっただけになおさらそう思っちゃう。
あとはまあ、グラフィックは2の時点で極まっていたので、同じくらい極まってる今作でも技術的的な意味での新鮮味はなかったかな。その代わり、シチュエーションが多彩になったから十分に良かったんだけどね。

しかし面白かった。特に途中のいくつかのシーンは面白すぎた。砂漠の街の狭い街路と家々の間を走り回って追いかけっこするシーンと、転覆しまくって上下左右がめちくちゃになる沈没船から脱出するシーンはPS3をもっているなら絶対に一度は体験するべき名シーン。
はっきりいってジャンルにしろストーリーにしろ世界観にしろ、決して好きなタイプのゲームではないんだが、この圧倒的クオリティの前には参りましたというほかはない。
プレイ時間こそ短いが、そこに不満はまったく感じさせない、むしろ満腹感すら感じさせる濃密なゲーム体験。
プレイ時間もオンライン対戦があるので対戦好きならボリューム的にも満足だろう。
PS3を持っているならマストバイだった2に勝るとも劣らない名作。個人的にはシチュエーション的に今作の方が好きだったこともあり、大変満足できる一本だった。






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