いやあ、暑いですね。今年は日本全国「節電の夏」なのですが、休日は液晶TVとBDレコーダーを稼働させ映画を見ております。なんか、節電しないと非国民的な雰囲気で、エアコンやTVつけるのも気が引けるのですが、まあ、自分で協力できる範囲で対応してるのでご勘弁を・・・
さて、今日見たのは「THE TOWN」 2010年制作 脚本・監督・主演をやるのはベン・アフレック、「アルマゲドン」でリブタの恋人役やってた人だな?この人ここ数年よく見かけるようになりましたね。アゴが割れてて、演技よりアゴが気になってしょうがないですわ・・・。共演者はジェレミー・レナー、レベッカ・ホール、ブレイク・ライブリー、ジョン・ハムなど。
ストーリーは、銀行強盗が親から子へと受け継がれる街(タウン)で宿命に生きるアウトローたちを描いております。主人公はこの街で生まれ育ったダグ、銀行強盗グループのリーダー。このグループは統率がとれた幼なじみで構成され、犯罪は計画を立てて証拠を残さない周到さでことを成す。しかし、ある日の銀行襲撃の際、仲間のジェムが銀行員の女性を人質に取ってしまう。逃走後人質は解放するが、免許証から彼女が自分たちの住むタウンの住民だとわかる。ジェムは彼女を更に脅すことを主張するが、ジェムの凶暴な一面を知るダグは自分が彼女を見張ることにする。
被害者のクレアに近づくダグ。ダグは今の悪循環でどん底の境遇から逃げだし、新たな人生を送りたいと渇望しており、タウンの外からやってきたクレアの、自分たちとは違うピュアな一面にふれ、やがて彼女に惹かれていく。そして何も知らずにダグと出会ったクレアも、彼の優しさに惹かれていくのだが、ダグがどれだけ街から逃れようとしても、彼はあまりにもこの街のしがらみに縛られ身動きをとることが出来ないのだった。抜け出すことができないまま、次々とダグのグループに仕事が回され、やがて途轍もない仕事が彼の元に回されてくる。そしてダグがとった行動は・・・・といったお話です。
アマの評価はとても高くて、期待して見ていたのですが、残念ながら普通の出来じゃないですかね。映像も銃撃戦・カーチェイス・ロマンスなど、アングルを含めて特に際だって印象に残るシーンはありませんでした。
最初の銀行強盗の際に手際よく携帯電話を回収し水に浸して使えなくしたり、監視カメラの録画HDDを抜き取って、電子レンジで破壊したり、漂白剤を使って行内に残ったDNAを破壊したりと、用意周到な演出は良かったかな。あと、銃撃戦を繰り返しながらの、細い路地での警察とのカーチェイスシーンはありがちだったかな・・・。そう、どのシーンもどこかで見たような映像のつぎはぎのように感じました。警察官を装って逃走するのは「レオン」みたい。囚人がケツを掘られたり、逃走後南の島(?)へ行くネタは「ショーシャンクの空に」とか。モチーフにしてるのは「ヒート」みたいですけど。
キャラクターは、ジェレミー・レナーのクレイジーな親友ジェムが存在感を放ってた。あと、裏で牛耳ってる花屋の元締めファギーとか、ダグの父親役の人とかも感じが出ててよかった。主人公のダグは、子供の頃行方不明になった母親(実は死んでいた)のことが引っかかっている、ちょっとマザコン入っているのか?と思うのだが、その母親の面影をクレアの中に見いだしていて、彼女がダグを掃きだめのタウンから救い出してくれる希望だと勝手に思いこんでるような感じ。(ちょっと違うかな?)
父親も犯罪者で街も友人も犯罪者の巣窟。子供の頃からそんな荒んだ環境にいれば、犯罪者にならないわけがない。人を犯罪者にするのは環境が悪いからなんだ、という論法なのがこの映画。どんな環境にいようが、自分がしっかりとした信念を持っていれば、犯罪に手を染めることはなかっただろうに、とも思うのだけど・・・、血族から友人から、周囲が悪に染まっていれば、そこから抜け出すのは確かに容易ではないというのは、理解できる。しかし、それを理由に犯罪を次々に行い、被害者をだまして恋人関係になったうえ、犯罪に巻き込まれる危険に晒しても特に気にする様子もない、自分がこの街から抜け出せれば、彼女はどうなってもいいのか?というような、自己中な主人公にまるで感情移入できず、何故か最後は仲間は全滅、自分だけ要領よく強奪したお金で逃走しているのは、後味悪くてしょうがないし、全然痛快な気持ちにもなれません。テーマは主人公の「葛藤」とか言われても、はあ・・・という感じ。
残念ながら、特別編集バージョンも収録されているのだけど、結局2回みたいとは思わなかったですわ。正直、ネットレンタルで充分な内容でした。あと、付録のブックレットに衝撃のラストとかあおり書きがあったのですが、全然衝撃的でもなんでもなかったです。お金を無駄にしてしまった気分・・・ああ、スッキリする映画が見たい。