道草備忘録

本サイト安彦良和WORLDとあまり関連のない「道草」的ページ。 SHINJIが時々関心を持ったことを備忘録として記録。

ツーリスト

2011-08-14 13:17:32 | MOVE

「ツーリスト」 2010年制作  監督 フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク  キャスト:アンジェリーナ・ジョリー、ジョニー・デップ、ポール・ベタニー 、ティモシー・ダルトン、ルーファス・シーウェル、スティーヴン・バーコフ

最近見た映画は、暗くて救いのない凄惨な話ばかりで全然スッキリ出来なかったのですが、久々にスッキリ見れた作品です。

ストーリーは、逃亡中の国際指名手配犯、アレキサンダー・ピアースの恋人、エリーズのもとに手紙が届く。「8時22分、リヨン駅発の列車に乗り、僕の体型に似た男を捜せ」。指定されたヴェネチア行きの便に乗ったエリーズは、ある男に声をかける。男はアメリカ人ツーリストのフランク・トゥーペロ。戸惑うフランクをよそに、エリーズはヴェネチアの高級ホテルに誘う。警察とギャングがエリーズとフランクを追うが・・・といったお話

アンジェリーナとジョニーデップの二大競演というふれ込みでしたが、以外に地味で静かな展開でしたね。アクションらしいアクションもほとんどなくて、ドキドキするようなスリリングな場面もありませんでした。物語も序盤からオチの筋書きが読めてしまい、ラストで、え?ホントにこのオチ使っちゃったんだ・・・というカンジ。せっかくの二大スターなんだから、アンジェのアクションとか、デップの奇怪っぷりを見せてほしかった。見る側のニーズを取り違えちゃってるね。

アンジェリーナは少し老けちゃってるけどまだまだ美しい。彼女のいろんなファッションを楽しみつつ見とれる映画かも。これだけでも満足感はあった。


エンジェルウォーズ

2011-08-13 22:55:39 | MOVE

「エンジェルウォーズ」 2011年 監督は『300<スリーハンドレッド>』のザック・スナイダー 出演: エミリー・ブラウニング, バネッサ・ハジェンズ, ジェイミー・チャン, カーラ・グギーノ, ジェナ・マローン

この映画の原題が 『SUCKER PUNCH』 (※不意打ちの一発という意)とネーミングされた本当の理由は、「できるだけ曖昧なタイトルをつけたかった」 というザック・スナイダー監督の意向から。この映画は、ひとつのジャンルにきちんとおさまらないため、「映画の内容を要約するようなタイトルはつけたくなかった」 とザック・スナイダー監督は語っている。

ストーリーは、母の死後、遺産を狙う義父により妹を殺され、自身はその罪を着せられ精神医療施設に収容されてしまった少女・ベイビードール。彼女は施設の中で、自由を夢見て空想を広げる。彼女は今、閉ざされた娼館にいるのだ。なんとかここから脱出せねば…。さらに彼女は空想する。15世紀の日本で、怪物のような武将たちと日本刀で闘うのだ。そんな彼女に、賢人が助言を授ける。自由を手に入れるためには、地図、火、ナイフ、鍵、そしてもう一つのあるものを手に入れろと。もし成功するのであれば彼女たちは自由を手に入れる事ができる・・・。

アクションファンタジーと括られているが、ジャンルに縛られない、ある意味新しい試みに挑戦した作品。主人公ベイビードールは、悲惨な現実から逃避し、自らの境遇をもう一つの夢の世界に置き換える。その夢の世界から脱出するために更なる精神世界でバトルミッションを繰り返していくという、3層の世界観が展開される複雑さ。3層の精神世界というと最近では「インセプション」とかありましたが、パクッたんでしょうかね?まあ、あまり似てもにつかない展開でしたけど。

見ていると最初から音楽が多用されていて台詞が極端に少なく感じました。新手のMTVかよ?ビョークのミュージカル映画か??などと困惑しましたが、更に話は三層構造の夢想世界に突入するので意味分からん状態に。バトルシーンはベイビードールが夢世界でダンスを踊る際の妄想なのか。しかし、肝心の素晴らしいと賞賛されているダンスシーンは一回も見れないのですが・・・そしてそのバトルシーン主人公エミリー・ブラウニング(この人老けてるのか若いのか、不細工なのか可愛いのかようわからん)がミニスカ・ヘソ出しセーラー服に剣を背負って拳銃をぶっ放すという、日本のアニメやゲームに影響されたのだろうか?と思えるようなコスチューム。戦う相手も巨大な戦国武将、ゾンビ、ロボット・・・バイオハザードとか、アイロボットとかゲームや他の映画からも影響受けてますよね。色んな作品のオマージュってとこでしょうか。

なんやかんやで、ラストは仲間が一人脱出するものの、ベイビードールが犠牲に。現実世界でロボトミー手術を受けるベイビードール。継父親にはめられて。。。継父は遺産を継いでウハウハなのに。。。。なんでこんなスッキリしない結末なのだ。「カッコウの巣の上で」とかだと、最後は仲間の一人がウオオオオ!!と叫びながら脱出していって少しは気が紛れるのだが。

 


告白

2011-08-13 22:23:14 | MOVE

今日見たのは「告白」 原作:湊かなえ(双葉社刊) 2010年 監督・脚本:中島哲也 キャスト:松たか子 岡田将生 木村佳乃ほか

ストーリーは、とある中学1年生の終業式。ホームルームに立つ担任、森口が語り出す告白。「私の娘が死にました。警察は事故死と判断しましたが、娘は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」 愛する一人娘を教え子に殺されたことに気づいた森口の復讐とは・・・?事件のあらましと犯人である少年AとBの存在を語るのだが、クラスメイトにはすぐにそれが誰だか知れてしまう。その日から加速するクラスの不協和音。少年AとB、それぞれの独白を交えながら展開していくが、やがて物語は凄惨な結末へと進んでいく。

この映画を見る前に原作を読んでいたので、だいたいのあらすじは知っていました。映像は美しくとれているのですが、最初から最後までスロー演出を多用しすぎて、途中から鬱陶しくなってきますね。人物についてはリアリティに欠けるというか、漫画的なノリで病的。心を病んでいる子供たちが叫びまくるシーンを見ているとなんだか滑稽に思えてくる。大人たちも妙に単純化されていて、誰にも感情移入できないまま俯瞰式に眺めているだけで終わってしまった。

この物語を見ていて思ったのが、命が軽すぎる、ということ。森口の復讐も見ていてスッキリ出来ず寒かった。

ただ、最後のマザコン少年の願望妄想であろう、少年が作った逆回りの時計に合わせて、時間が巻き戻ってゆく爆発シーンは良かったかも。レンタルで1回見れば十分な作品です。

 


スプライス

2011-08-07 16:33:26 | MOVE

このところ何本か見た映画の一本です。「スプライス」(Splice) ヴィンチェンゾ・ナタリ監督 2009年カナダ・フランス合作 キャスト:クライヴ(エイドリアン・ブロディ)、エルサ(サラ・ポーリー)、ドレン(デルフィーヌ・シャネアック) エイドリアンはプレデターズに出てたみたいなのですが、覚えがない・・・あんまり知らない俳優さんたちです。レンタルで見たので細かい制作情報はわからず。

ストーリー ある製薬会社で研究を重ねる遺伝子工学(?)の天才、クライヴとエルサは、DNAの組み合わせで新生物を作り出し、新たな酵素やタンパク質を見つけ出すのが仕事。最近では、フレッドとジンジャーと呼ばれる芋虫というか、舌というか、ペニスというか・・・見た目気持ち悪い新生物を創造し、会社からも賞賛されたがそれも最初のうちだけ。企業の経営は思わしくなく、新たな研究成果を出さなくてはならない。しかし新たな予算は下りないので新生物を作り出す研究費の余裕はない。ジンジャーとフレッドを使って結果を出すよう迫られるクライヴとエルサなのだが、エルサは会社に隠したまま新生物の創造にのめり込む。ついに禁断の実験、人間の遺伝子を使用し新たな新生物を創り出すエルサ。新生命体をドレンと名付け、クライヴとともに密かに育て始めるのだが・・・といった展開。

評価はまあ、全体の流れは面白かったです。でも同時にもの凄い拒否感とうか、嫌悪感が存在します。ホラー的な恐怖感じゃなくて、どっかモラルがぶっ壊れているというか、薄気味悪いというべきか。見てはいけないものを見せつけられている印象。子供には見せたくないし、自分が子供の時に見たらトラウマになると思うね。

まず、エルサとクライヴ。この二人は夫婦なのですが、クライヴはどちらかというと、嫁のエルサの尻に敷かれるタイプ。エルサの言われるがまま服従している感じで頼りない。おいおい、エルサの暴走止めてやれよ、と思うのですが、ついには妻と一緒にドレンを育てていきます。しかし、心の底ではモラルが警告を発するようで、ドレンを殺そうとしたりします。しかしその行為が結果的にドレンの新たな能力を生じさせたりするのですが。

んで、片方のエルサはもの凄く自己中心的。周囲の忠告を無視して、自分の願望実現に突き進むタイプ。どうやらそんな人になったのには理由がある様子で、エルサの母親が厳格で厳しく育てられたことに起因している(たぶんそんなカンジの理由だった、見てから期間がたってるのでうろ覚え) 自分の言うことを聞く忠実な人形のような子供がほしい。それがエルサの欲望。そして、エルサが選んだのは実際の子供ではなく、遺伝子操作で創り出したドレンだったのだった。

ドレンはエルサに囲われて育てられますが、ドレンは成長するにつれ外に出たくてしょうがなくなる。やがて研究所におけなくなり、エルサの実家(?)である廃屋に住まわせる。しかし、そこでの生活もドレンにとってはかごの中のトリ。エルサに厳しい注意を受けるドレンは、やがてエルサに攻撃を仕掛け廃屋から脱出しようとするが捕まり、しっぽを切除されたりと、ある意味虐待が加えられます。

クライヴはそんなドレンを可哀想に思い慰めたりしますが、そして育てていくうちにドレンに愛情を抱き・・・いや、ペットをかわいがるというレベルを超えて、獣姦しちゃったりして、オイオイ何考えてんの??ここでやっちゃうのか???という怒濤の展開が待ち受けています。エルサはその光景を見て逃げ出すのですが・・・このあたりは笑わす展開なのですが、一方でなんか吐き気がする気持ち悪さが残ります。

そこからは更に急展開。ドレンは何故か衰弱死、その後にありがちな展開が待ち受けています。それもまた気持ち悪いのですが・・・。新生命体ドレンは目が離れててとても醜い不細工なメスです。これが更にラストでは男性に転換し、さらに不細工になってしまうのだが・・・それは実際に映画を見てください。

この映画で何を描きたかったのかよく分からなかったのだけど、命の尊厳を無視、責任の放棄、快楽の追求といった、人間の負の面だけが目につく後味の悪い作品でした。

 

 


THE TOWN

2011-08-07 13:53:16 | MOVE

いやあ、暑いですね。今年は日本全国「節電の夏」なのですが、休日は液晶TVとBDレコーダーを稼働させ映画を見ております。なんか、節電しないと非国民的な雰囲気で、エアコンやTVつけるのも気が引けるのですが、まあ、自分で協力できる範囲で対応してるのでご勘弁を・・・

さて、今日見たのは「THE TOWN」 2010年制作 脚本・監督・主演をやるのはベン・アフレック、「アルマゲドン」でリブタの恋人役やってた人だな?この人ここ数年よく見かけるようになりましたね。アゴが割れてて、演技よりアゴが気になってしょうがないですわ・・・。共演者はジェレミー・レナー、レベッカ・ホール、ブレイク・ライブリー、ジョン・ハムなど。

ストーリーは、銀行強盗が親から子へと受け継がれる街(タウン)で宿命に生きるアウトローたちを描いております。主人公はこの街で生まれ育ったダグ、銀行強盗グループのリーダー。このグループは統率がとれた幼なじみで構成され、犯罪は計画を立てて証拠を残さない周到さでことを成す。しかし、ある日の銀行襲撃の際、仲間のジェムが銀行員の女性を人質に取ってしまう。逃走後人質は解放するが、免許証から彼女が自分たちの住むタウンの住民だとわかる。ジェムは彼女を更に脅すことを主張するが、ジェムの凶暴な一面を知るダグは自分が彼女を見張ることにする。

被害者のクレアに近づくダグ。ダグは今の悪循環でどん底の境遇から逃げだし、新たな人生を送りたいと渇望しており、タウンの外からやってきたクレアの、自分たちとは違うピュアな一面にふれ、やがて彼女に惹かれていく。そして何も知らずにダグと出会ったクレアも、彼の優しさに惹かれていくのだが、ダグがどれだけ街から逃れようとしても、彼はあまりにもこの街のしがらみに縛られ身動きをとることが出来ないのだった。抜け出すことができないまま、次々とダグのグループに仕事が回され、やがて途轍もない仕事が彼の元に回されてくる。そしてダグがとった行動は・・・・といったお話です。

アマの評価はとても高くて、期待して見ていたのですが、残念ながら普通の出来じゃないですかね。映像も銃撃戦・カーチェイス・ロマンスなど、アングルを含めて特に際だって印象に残るシーンはありませんでした。

最初の銀行強盗の際に手際よく携帯電話を回収し水に浸して使えなくしたり、監視カメラの録画HDDを抜き取って、電子レンジで破壊したり、漂白剤を使って行内に残ったDNAを破壊したりと、用意周到な演出は良かったかな。あと、銃撃戦を繰り返しながらの、細い路地での警察とのカーチェイスシーンはありがちだったかな・・・。そう、どのシーンもどこかで見たような映像のつぎはぎのように感じました。警察官を装って逃走するのは「レオン」みたい。囚人がケツを掘られたり、逃走後南の島(?)へ行くネタは「ショーシャンクの空に」とか。モチーフにしてるのは「ヒート」みたいですけど。

キャラクターは、ジェレミー・レナーのクレイジーな親友ジェムが存在感を放ってた。あと、裏で牛耳ってる花屋の元締めファギーとか、ダグの父親役の人とかも感じが出ててよかった。主人公のダグは、子供の頃行方不明になった母親(実は死んでいた)のことが引っかかっている、ちょっとマザコン入っているのか?と思うのだが、その母親の面影をクレアの中に見いだしていて、彼女がダグを掃きだめのタウンから救い出してくれる希望だと勝手に思いこんでるような感じ。(ちょっと違うかな?)

父親も犯罪者で街も友人も犯罪者の巣窟。子供の頃からそんな荒んだ環境にいれば、犯罪者にならないわけがない。人を犯罪者にするのは環境が悪いからなんだ、という論法なのがこの映画。どんな環境にいようが、自分がしっかりとした信念を持っていれば、犯罪に手を染めることはなかっただろうに、とも思うのだけど・・・、血族から友人から、周囲が悪に染まっていれば、そこから抜け出すのは確かに容易ではないというのは、理解できる。しかし、それを理由に犯罪を次々に行い、被害者をだまして恋人関係になったうえ、犯罪に巻き込まれる危険に晒しても特に気にする様子もない、自分がこの街から抜け出せれば、彼女はどうなってもいいのか?というような、自己中な主人公にまるで感情移入できず、何故か最後は仲間は全滅、自分だけ要領よく強奪したお金で逃走しているのは、後味悪くてしょうがないし、全然痛快な気持ちにもなれません。テーマは主人公の「葛藤」とか言われても、はあ・・・という感じ。

残念ながら、特別編集バージョンも収録されているのだけど、結局2回みたいとは思わなかったですわ。正直、ネットレンタルで充分な内容でした。あと、付録のブックレットに衝撃のラストとかあおり書きがあったのですが、全然衝撃的でもなんでもなかったです。お金を無駄にしてしまった気分・・・ああ、スッキリする映画が見たい。