Umpiring is not built in a day. ~審判技術は一日にしてならず~

               【アメリカ・マイナーリーグ審判員のDaily blog】

Costco(コストコ)

2012-05-31 | 日記
英語での発音は『コスコ』です。(『ト』はほとんど発音しません)



日本にも13店舗あり、その認知度はかなり高くなってきていると思います。
ご存知のない方に簡単に説明すると、コストコとは会員制倉庫型卸売小売チェーンで、入荷したままのパレットに乗っている商品を大型の倉庫に並べて販売することにより管理や陳列にかかるコストなどを徹底的に抑えることをコンセプトとしています。
(以上、wikipediaより引用)
会員制とあるように、誰でも自由に利用できるわけではありません。利用するには会員登録と年会費\4,200(アメリカでは$50)を支払う必要があります。年会費を安いと感じるか高いと感じるかは人にもよるかと思いますが、使用頻度によっては簡単に元をとることが出来ます。

何を買うにも大容量ですので、一人暮らしの方よりは大家族向けでしょう。例えばトイレットペーパーの場合、最小ロットは36ロールです。(場所によっては24ロールもあるかも?)そして価格は恐ろしく安いです。

留学していた時は友人が会員カードを持っていたので月に1度くらいの頻度で買い物に行っていましたが、ここ数年はご無沙汰していました。それ以来ですから、約2年半ぶりになるでしょうか・・・たまたまNestorが会員カードを持っているので、ついに昨日行ってきました。
中は物凄く広く、見ているだけでスゴくワクワクします!食品や日用品をウィンドーショッピングするというのも変ですが、何も買わなくても本当に楽しめます。
もちろん買い物をするために来ているので、ウィンドーショッピングでは意味がないのですが・・・

日本で栄養士として働いていた頃、よくパートの奥様方が『明日コストコ行くけど、何か買ってきて欲しい物あるー?』という会話をしているのを耳にしました。その方達はわざわざ高速を使って他県のコストコまで行っておられたのですが、高速代とガソリン代だけでかなりの金額になると思うんですけどね・・・
その話をこちらで友人達にすると、決まって『信じられない!コストコにそこまでの価値があるの?』という質問が返ってきます。
ここアメリカではわざわざコストコへ遠くの都市から買いに来る人などまずいません。もちろん店舗数の違いもありますが、『大量にまとめ買いをする』のではなく『必要なものをその都度安く買いに来る』という感覚の違いなのだと思います。
実際、僕の前でレジに並んでいた男性はスライスチーズだけを買いに来ていました。(ちなみにそのスライスチーズは50枚入り)


写真は今回僕が買ったオレオ。何と1.5kg入りです!



ゲータレードのペットボトルが小さく見えますね(笑)

ヒマワリの種

2012-05-30 | 日記
ご存知の方も多いかと思いますが、アメリカで試合中に選手が口にする物と言えば代表的なものがガムとゲータレード、そして今回のタイトルにあるヒマワリの種です。英語では【Sunflower seeds】と言います。

乾燥させた種を軽く炒ってあるもので、基本的には塩味が効いています。
種と言っても、ハムスターのように種全部を食べるわけではありません。実際に食べるのは種の中にある実(核?)の部分です。ですので殻の部分は『ペッペッ』と吐き出します。市販されている物の中には、ご丁寧に殻の部分を取ってあるものまであります。




右からベーシックな塩味バーベキュー味、そしてヒマワリではなくカボチャの種です。

僕がこのヒマワリの種を初めて口にしたのは、最初に審判学校に行った2009年のことでした。その時は上手く殻を割ることが出来ず、殆ど全てを吐きだしてしまっていました。今でも一粒ずつしか食べることが出来ません。

先程も書いたように、多くの選手や審判員が試合中にヒマワリの種をほおばっています。ですのでグラウンドは殻だらけで、特にダグアウトの中などは日本人の感覚からすると考えられないくらい汚いです。
基本的に、僕は試合中水とスポーツドリンク以外は口にしません。ヒマワリの種は上手く食べられない上にグラウンドへ吐き出すことに抵抗がありますし、ガムに関しては英語の発音が悪くて聞き取ってもらえないことが沢山あるのに口の中に物を含むことで余計に発音が悪くなるからです。


そういえば先日メジャーリーグ観戦に行った際、塁審のAlfonso Marquezがイニング間にずっと細長い袋を手でポンポンと叩いている姿を見かけました。試合後に食事をご一緒させていただいたのでその際に『あれは何をされていたんですか?』と聞くと、『あぁ、ヒマワリの種の"塩抜き"をしていたんだ。味付けが塩辛いだろ?』という答えが返ってきました。

たしかに、殻の部分はかなり塩辛いんですよね。しかも実の部分は油分が結構な割合を占めるので高カロリーです。食べ過ぎには注意しなくてはいけません。

このヒマワリの種も立派なアメリカ野球の一部です。興味を持たれた方は一度お試しください。

カッコ悪い審判・・・

2012-05-27 | 日記
先日ドジャースのキャンプ施設で試合を行った際、帰りがけにチームのビデオ担当の方がわざわざその試合の映像をDVDに焼き増しして持ってきてくれました。こういった好意は本当にありがたい限りです。当然ながら自分の審判姿というのは自分自身で見ることは出来ませんし、パートナーに聞いても細かいところまではわかりません。ですので映像で見るということは非常に良い機会なのです。
今までの別の施設での試合でも『ハードディスクを持ってきてくれれば焼き増ししてあげるよ』と言ってもらったことはあったのですが、僕のパソコンがその映像ファイル形式に対応しておらず、ソフトをダウンロードしてもコマ送りでしか見ることが出来ませんでした。

ちなみに今回の試合は個人的にここまででベストの出来だったので、『良い試合のビデオをもらった』と内心喜んでいました。ホテルに戻って早速パソコンで見たのですが、今シーズンから取り組んでいるストライクメカニックやプレートスタンス、セットのタイミング等は納得のいくものでした。
ただ、映像を見進めていくうちに愕然とするシーンに出くわしました。それは【走り方が非常にカッコ悪い】ということです。ハッスルしようとするあまり、ドタドタと走っているように見えるのです。

たしかに先日査定官が我々の試合を見に来た際も『良いハッスルだが、もう少しアスリートのような走り方を意識しなさい』と指摘されていました。この映像を見ればその言葉も納得です。

なんだか、スゴく情けない気持ちになりました。傍から見るとこんな感じだったんだと思うと、他の納得のいっていた点など吹っ飛んでしまいました。

そこで昨日の試合ではビデオで確認できた注意点、特に走り方に気を付けてみました。やはり明確な目的を持って臨むと違います。試合自体は3時間を超す長いゲームだったのですが、試合自体をとても楽しめました。パートナーに確認したところ『走り方は良くなったよ!試合時間は長すぎるけどね・・・』と言っていました。(パートナーにしてみれば、僕の走り方云々より試合時間のほうが大事なのでしょう)

シーズンが始まる前に1つ新たな課題が見つかって良かったです。幸いExtended Spring Training中にまだ球審を務める機会が6試合残っているので、1つずつ課題を解決していきたいと思います。


写真はストライク・スリーのサービスショット↓



査定官曰く『物凄くアグレッシブで良い!まるで忍者のようだ(笑)絶対に変えるなよ!』とお墨付き(?)をいただいたメカニックです。

果たして、査定官は本物の忍者を見たことがあるんでしょうか?ちなみに僕はありません。

メジャーリーガーとマイナーリーガーの違いとは?

2012-05-24 | 日記
先日Nestorと『メジャーリーガーとマイナーリーガーの違い』について色々と考える機会がありました。

基本的な能力や技術といった単純な野球レベルで考えると、2A以上(正確に言うとHigh A以上)に所属している選手であれば、メジャーリーグの選手とそこまで差はないと一般的に言われています。
ただ、当然ながら上のレベルにいる選手とマイナーから上に上がれない選手とでは何かが違うのです。

その『何か』というのは、Nestor曰く『修正力』だというのです。


先日、我々の試合でメジャーリーガーが調整の為に投げる機会がありました。決して速い球を投げるわけでも、物凄い変化球を投げるわけでもありません。もちろんヒットは打たれますし、得点圏にランナーを背負うこともありました。しかしながら結局は5イニングを無失点で切り抜けマウンドを降りました。僕がスゴイと思ったのは、『大崩れしないところ』です。

実際に例を上げてみると、カウントが3-0(3ボール・0ストライク)の場面です。ボールが先行する苦しい展開なのですが、そのピッチャーはそこから3-2まで上手く立て直し、結果的に打者を抑えました。
要はここなのです。
我々の試合に出てくるピッチャーであればこのまま四球を出すか、ストライクを取りに行ったところを痛打されるケースが多いのですが、そこからいかに立て直すことが出来るかという違いなのです。

経験の浅いピッチャーだと、修正するのに丸1試合かかるそうです。それがレベルが上がるにつれてイニングごとに修正出来るようになり、さらにレベルが上がると打者ごとに修正出来るようになるのです。そして、メジャーリーグレベルになると1球ごとに修正出来るということです。

そして、それは我々審判員にも言えることだとNestorは続けました。
誰しもが『今日は調子が悪いな・・・』と思うことはあるはずです。もちろん本来であれば調子が悪いと思うこと自体が良くないことなのですが、我々のように経験の浅い審判員だとそれを丸1試合引きずってしまいます。それがメジャーリーグレベルになると1球ごとに修正出来るということです。

もちろん真意の程はわかりません。ただ、『なるほどなぁ』と思ってしまいました。

スケジュール発表!しかし・・・

2012-05-23 | 日記
今日は初めてLAドジャースのキャンプ施設で試合を行いました。まだ出来てから2年程しか経っていないので、物凄くキレイです。我々審判にとってはとてもありがたい施設のひとつですね。
今日の試合ではもう一人のサムライ・マイナーリーガーである西嶋一記選手、そしてドジャースのアジア担当取締役エーシー興梠さんとお会い出来ました。ゆっくりお話し出来る時間がなかったのが残念ですが、西嶋選手にも是非頑張っていただきたいと思います。


さて今日の試合後、今年配属になるNorthwest League(以下、NWL)のスケジュールが発表になりました。と言ってもパートナー自体が発表になったわけではないので、自分がいつどこにいるかというのもまだ全くわかりません。単にクルー単位でのスケジュールが発表になったというだけです。

そのスケジュールですが・・・現時点で一つ言えることは『最悪のスケジュール』だと言うことです。決して休みが少ないとかそういった個人的な苦情ではありません。
今回発表になったスケジュールでは各クルーがシーズン中に2ヶ所でしか試合を行わないというものでした。日本のプロ野球で例えるなら『横浜と千葉には行くけど、後の10球団の本拠地にはシーズン中一度も行かない』といった感じです。移動が少なくなるのはありがたい限りですが、果たしてそれはいいことなのでしょうか?
例えばメジャーリーグの場合、ひとつのクルーが一度そのカードを担当したら、その後のシーズンでそのクルーは同じカードを担当しないようにスケジュールが組まれているそうです。これは、公平を期す為だそうです。
もちろん、そこまでやってくれとは言いません。多少のアンバランスさは絶対に出てくるものです。ただ、あまりにこれは酷いとしか言いようがありません。『割り振るのが面倒だからこうした』としか思えないようなスケジュールです。
去年まではこんなことはなかったそうですので、願わくば今後変更になって欲しいものですが・・・

もちろん、このままのスケジュールでシーズンを行うとしても、我々は特定の球団を贔屓したりすることは絶対にありません。それだけはお約束します。