ルリシジミ

ぱたぱたと飛び回り　じっと地面を見つめては水を飲む
流れゆく乾いた風の心地よさと
超えていく季節　だんだんと虫たちが動き始め

撮影：ルリシジミ

たどり着く

やっとここにたどり着いた　そんな風に羽を休める
生まれ広げた羽は　いつか飛ぶうちに傷つき
それでもなおこの場所へ　まだ新しい場所へ

撮影：オオミズアオ

月がない

月がない

　また夜が来ます。暗く暗く星の明かりしかない夜が。
　月はもうどこかへ行ってしまいました。だから少しずつこの地球も揺れ動いて、なんだか危ない状況にあるんだって聞かされました。でも私には何もする事が無く、誰かが帰る事なんて出来ません。だから私たちは見届ける事しかできないのかもしれません。

　月を失ってため息をつくように地球はだんだんと落ち込んでいきます。
　海の流れが変わり、捕れるはずの魚がとれなくなって、違う海の魚が捕れるようになったり、コンパスが北を指しても、北極星が北を指さなくなったり、季節がだんだんと曖昧になって、降るはずの雨が降らなくなって。なんだか大変です。
　でも私たちは無力なもので、起こる事を見守る事しかできません。大きく動いてしまったものは、私たちにはどうしようもない事。だからといって人や動物が死滅するわけでもなく、受け入れ一生懸命に生きています。
　月が戻ってきてくれればそれでいいのかもしれませんが、仮に戻ってこなくとも私たちは生きなければいけません。
　いつか月が戻ってくるのを待ち、迎えるために。
　また夜の空を照らすあの月を眺めながら。



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青の空

忘れられないくらい　思いの強い空
季節を忘れた冷たい風の中で
青々と輝く　この海と空のように

空の穴

空にぽっかりと空いた穴
薄暗い空の下で　ただそこだけに青い空
突き抜けるその先に　暮れゆく今日の日が見えて

野いちご

赤く色付いて野いちご
色づきで季節を知るように　夏が近づき
日差しと風にゆられ　甘酸っぱく

光る花

花光る今日の日差し
夜中まで降っていた雨を　きらきらと光る粒に変え
赤く色付く　青い空を　ゆく雲を眺めながら

シャガール

絵の前に立てば　そこに画家の姿が見える
大きなキャンパスに　力強く絵筆を走らせる
息づかいが聞こえそうなくらい近く　見るほどにやさしく
心ふるえるほどに　その絵はやさしく

実るほどに

実るほどに頭を垂れ　色付いて
巡るほどに季節は移り変わり
いつか新しく　また新しく　変わり続けて

参照：
2007年04月24日
2007年03月16日
2007年02月25日

さるやま

のんびりと夕の風を浴びながら
車が来ても知らん顔　でも時々逃げ出して
見つめるその先は　何か不思議なものでも見るように