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保守記事.391-5-6 煽りでなく、真実を!

2017-09-21 12:19:53 | 記事保守

被ばく影響、科学界の結論

毎日新聞2017年9月21日 東京朝刊

 今月1日に日本学術会議から「子どもの放射線被ばくの影響と今後の課題」という報告書が発表された。日本学術会議は我が国の人文・社会科学から理学・工学までの全分野の代表者からなる、いわば「学者の国会」。政府に対する政策提言から世論啓発までを役割としている。

 報告書が対象としている東京電力福島第1原発事故については、既に多くの論文や調査結果などが蓄積されている。国連科学委員会の報告でも、放射能由来の公衆の健康リスクについて「今後もがんが自然発生率と識別可能なレベルで増加することは考えられない」と結論が出ている。

 学術会議の報告でも、被ばく量はチェルノブイリ原発事故よりはるかに小さいという評価が改めて示されているが、特に不安の多い子どもへの影響に焦点を絞っている点が重要だ。「福島第1原発事故による胎児への影響はない」としており「上記のような実証的結果を得て、科学的には決着がついたと認識されている」とまで書いている。

 報告書を読むと、不安論者のよりどころとなる内部被ばくから、福島での甲状腺がん検査の評価まで、考えられそうなポイントはすべて丁寧に押さえている。

 その意味で、この報告書はいわば、事故後6年たっての科学界からの「結論」。これを覆すつもりなら、同量のデータと検討の努力を積み重ねた反論が必要だ。一部の専門家といわれる人に、いまだに「フクシマ」などという差別的な表記とともに、単に感覚にすぎない「理論」で不安をあおる人がいるが、そういう説はもはや単なる「デマ」として切って捨てるべき段階に来ている。

 マスコミにも課題がある。不安をあおる言説を、両論併記の片方に置くような論評がいまだにあるが、データの足りなかった初期段階ならいざ知らず、今それをするのは、健康問題を語るときに「呪術」と「医術」を両論併記するようなもの、と思ったほうがいい。

 そういう転換点になりうる重要な報告なのに、毎日新聞を含めて報道の少なさはなんだろう。この報告書を、本コラムを読んで初めて知ったという読者も多いと思う。それも当然で、新聞でいえば、福島の地方紙以外は全国紙の福島版とデジタル版で一部報道された程度。子どもに焦点を当てたという点でも十分に「ニュース性」があるのに、だ。ネットでは、この報道の少なさに違和感を覚えるという多くの書き込みがされている。

 この報告の題名に「今後の課題」とあるのは、既に決着のついた科学分野についてではない。科学的には結論が出ても無くならない不安、さらにそれをあおろうとする言説だ。「子どもが産めないの?」という不安を福島の子どもたちに抱かせないようにするため、学術会議の「結論」をどう広く伝えるかが「課題」。マスコミができることは、もっとあるはずだ。(東洋大INIAD学部長)

乳歯は被ばくの証拠品 藤野健正さん



毎日新聞2016年3月7日 東京夕刊

 

 東京電力福島第1原発事故後の子どもたちの内部被ばくの調査に役立てようと、放射性物質ストロンチウム90が取り込まれやすい乳歯の保存を呼びかける運動が広がっている。学識者らが昨年設立した「乳歯保存ネットワーク」の共同代表で、首都圏3カ所で歯科を運営する医療法人理事長の藤野健正さん(67)は「乳歯は被ばくの証拠品となる。将来のため捨てないで」と話す。

 歯科のある千葉県松戸市が事故で放射線量の高い「ホットスポット」とされ、住民の不安が高まるなか、「歯科医として子どもの命と健康を守るためにできることを」と震災の年から取り組みを始めた。これまでに約500本の乳歯が提供され、一部はスイスの放射線測定所に解析を依頼した。同ネットワークは来年、中部圏に独自の測定施設を造る計画だ。

 乳歯は母親の胎内にいる時に形成される。「5年前の事故当時に胎児だった子どもの歯が、ちょうどこれから抜けてくる時期。保存運動はさらに重要になります」【田中洋之】

 

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