11月2日(火)に行われた『goo限定試写会』。終映後、森田芳光監督、野村敏哉プロデューサーによるトークショーが行われました。ここではその模様を5回にわたってレポートいたします。【注 内容には、映画をより深く観るガイドとなっています都合、一部ネタバレを含みます。先入観無しに映画をご覧になりたい方は、ご注意ください】
■映画にするには最高の素材
野村 こんばんは、東映の野村です。2時間9分ご鑑賞いただきましてどうもありがとうございました。まずは監督からお願いします。
森田 普通でしたら、映画が終わってタイトルバックが出て、自分達の想いを胸に秘めながら、皆さん、ひとりひとりの世界に入っていきたいところを、むさくるしい男ふたりが出てきて(笑)申し訳ないんですけど、これも1つの思い出にしていただいてですね。
ちょうど今日は、この劇場の前、横断歩道を渋谷駅と逆のほうに行きますと、そこで酉の市をやってます。そこでお参りなんかしていただきますと、また今日という日の思い出が増すと思います。渋谷の酉の市はちょっと規模が小さいんで、JRで新宿まで行くと花園神社もありますし、浅草のお酉さまも有名なんですが、そんな今日の思い出を皆さんに残してもらうために、裏話をなるべく多く、映画の内容が壊れない程度にですね(笑)お話したい思いますので、よろしくお願いいたします。
野村 じゃあ、少し真面目な話から。この映画の原作は2年程前に出版されたんですが、そのとき監督は、谷村さんのことはご存知だったんですか?
森田 谷村さんはむかし、『結婚しないかもしれない症候群』ていうのでベストセラーになったんですよ。女性は独身でいたほうがいいんじゃないかっていう内容で、かなり世間に波紋を投げかけたんです。そのとき僕は『おいしい結婚』っていう映画を手がけていたんで、取材で対談をしたことがあるんですよ。それで今度はどういう小説を書いたんだろうって興味を持って読んでみたら、函館や、北海道の自然の中で男女の愛があるということで、これは映画的なシーンがかなりある。今日見ていただいた映画の最初の方のシーンで、バスが峠を通って海へ行くところがありますよね。あれが小説のファーストシーンなんです。そこがすごく映画的だし、内容も兄弟愛や親子愛、いろいろな愛が含まれてますんで、映画にするにはいいかなと思ったんですね。
野村 去年の1月に企画が立ち上がって、『失楽園』『阿修羅のごとく』と、もう監督とは名コンビといっていい筒井ともみさんが脚本を書かれて。それで南茅部っていうところ、監督も始めていかれたんですよね?すっげえ寒かった!って記憶があるんですが、そこで脚本詰めて。それで誰を主演にするかという話になって、いろんな女優さんいるなかで、『伊東美咲にしよう』って監督最初に僕に仰ったんですけど、それはどうしてだったんですか?
森田 原作読めばわかるんですけど、背が高くて、色が白くて、顔立ちが日本離れした女優となると、伊東美咲になると思うんですね、いまの芸能界みても。それとたまたま『模倣犯』っていう映画を撮ったんですが、それにちょっとだけ出たんですよ、伊東美咲が。
そのとき彼女の歩き方や立ち姿が、映画的というか、大きな画面に耐えられる、そういう感じがしたんですよ。映画女優として、なんか雰囲気があるというか。山崎努さんとのツーショットの芝居もよかったんで、僕は自信があったんですね、伊東美咲が芝居が出来るってことで。
野村 撮影の話に入っていこうとおもうんですけど。まずは昆布漁!昆布って、こうやって採って、こうやって製品になるってことがわかる、世界で始めての映画ですよね(笑)
森田 そこだけ切り取って理科の勉強になる(笑)本当にああいうふうに採って、干して、巻きつけて、おばあさんがやってるみたいに伸すんですね。『がごめ昆布』という、納豆昆布とか呼ばれるんですけど、その昆布が取れるのがこの南茅部だけなんですね。
野村 美容と健康にワンポイント知識(笑)そういえば、このあいだ、意外なところで出会ったんですよね、『がごめ昆布』。キャンペーンで仙台に行ったとき・・・
森田 北海道フェアをやってたんだよね。荷物になるから北海道で買わなくって、仙台で買ってるという(笑)
2/5に続く
採録;東映webスタッフ
■映画にするには最高の素材
野村 こんばんは、東映の野村です。2時間9分ご鑑賞いただきましてどうもありがとうございました。まずは監督からお願いします。
森田 普通でしたら、映画が終わってタイトルバックが出て、自分達の想いを胸に秘めながら、皆さん、ひとりひとりの世界に入っていきたいところを、むさくるしい男ふたりが出てきて(笑)申し訳ないんですけど、これも1つの思い出にしていただいてですね。
ちょうど今日は、この劇場の前、横断歩道を渋谷駅と逆のほうに行きますと、そこで酉の市をやってます。そこでお参りなんかしていただきますと、また今日という日の思い出が増すと思います。渋谷の酉の市はちょっと規模が小さいんで、JRで新宿まで行くと花園神社もありますし、浅草のお酉さまも有名なんですが、そんな今日の思い出を皆さんに残してもらうために、裏話をなるべく多く、映画の内容が壊れない程度にですね(笑)お話したい思いますので、よろしくお願いいたします。
野村 じゃあ、少し真面目な話から。この映画の原作は2年程前に出版されたんですが、そのとき監督は、谷村さんのことはご存知だったんですか?
森田 谷村さんはむかし、『結婚しないかもしれない症候群』ていうのでベストセラーになったんですよ。女性は独身でいたほうがいいんじゃないかっていう内容で、かなり世間に波紋を投げかけたんです。そのとき僕は『おいしい結婚』っていう映画を手がけていたんで、取材で対談をしたことがあるんですよ。それで今度はどういう小説を書いたんだろうって興味を持って読んでみたら、函館や、北海道の自然の中で男女の愛があるということで、これは映画的なシーンがかなりある。今日見ていただいた映画の最初の方のシーンで、バスが峠を通って海へ行くところがありますよね。あれが小説のファーストシーンなんです。そこがすごく映画的だし、内容も兄弟愛や親子愛、いろいろな愛が含まれてますんで、映画にするにはいいかなと思ったんですね。
野村 去年の1月に企画が立ち上がって、『失楽園』『阿修羅のごとく』と、もう監督とは名コンビといっていい筒井ともみさんが脚本を書かれて。それで南茅部っていうところ、監督も始めていかれたんですよね?すっげえ寒かった!って記憶があるんですが、そこで脚本詰めて。それで誰を主演にするかという話になって、いろんな女優さんいるなかで、『伊東美咲にしよう』って監督最初に僕に仰ったんですけど、それはどうしてだったんですか?
森田 原作読めばわかるんですけど、背が高くて、色が白くて、顔立ちが日本離れした女優となると、伊東美咲になると思うんですね、いまの芸能界みても。それとたまたま『模倣犯』っていう映画を撮ったんですが、それにちょっとだけ出たんですよ、伊東美咲が。
そのとき彼女の歩き方や立ち姿が、映画的というか、大きな画面に耐えられる、そういう感じがしたんですよ。映画女優として、なんか雰囲気があるというか。山崎努さんとのツーショットの芝居もよかったんで、僕は自信があったんですね、伊東美咲が芝居が出来るってことで。
野村 撮影の話に入っていこうとおもうんですけど。まずは昆布漁!昆布って、こうやって採って、こうやって製品になるってことがわかる、世界で始めての映画ですよね(笑)
森田 そこだけ切り取って理科の勉強になる(笑)本当にああいうふうに採って、干して、巻きつけて、おばあさんがやってるみたいに伸すんですね。『がごめ昆布』という、納豆昆布とか呼ばれるんですけど、その昆布が取れるのがこの南茅部だけなんですね。
野村 美容と健康にワンポイント知識(笑)そういえば、このあいだ、意外なところで出会ったんですよね、『がごめ昆布』。キャンペーンで仙台に行ったとき・・・
森田 北海道フェアをやってたんだよね。荷物になるから北海道で買わなくって、仙台で買ってるという(笑)
2/5に続く
採録;東映webスタッフ