上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

今日から、市議会が始まりました

2017-11-22 20:11:11 | 熊本市議会
11月22日、今日から定例の熊本市議会が始まりました。
今日は、市長の提案理由説明と先決議案の審議が行われました。
先議案件は、職員給与の問題でした。
一般職職員や教育職員の給与改定と合わせて提案された、「配偶者等の扶養手当の大幅削減」には反対意見を述べました。

【討論の内容】
議第271号「熊本市一般職の職員の給与に関する条例の一部改正について」、議第276号「熊本市立学校の教育職員の給与に関する条例の一部改正について」問題点を指摘して、反対討論を行います。
 今議会に提案されている先の2つの条例改正案は、人事院の勧告に基づき、本市職員の給与の改定を行うものです。
これまで政府は、公務員給与制度の「総合的見直し」と称して、地方の手当を引下げて、都市部の地域手当などに配分する制度改悪をおこない、地域間給与格差の拡大をおしすすめました。地方においては、公務員給与に準拠した賃金を支給している事業所等が多いことから、全国知事会等が「官民を通じて地域間格差が拡大することになりかねない」と指摘してきたものであり、地方経済への深刻な打撃となるものです。
 しかも、給与を引き下げ、労働条件を引き下げる「見直し」が、労働基本権制約の代償機関とされる人事院の勧告としてなされてきたことも重大であり、ILOは、くりかえし日本の公務労働者の労働基本権回復の勧告を行っています。公務員の労働基本権を回復し、労働条件の向上こそすすめるべきであります。
 また、国家公務員の一律2割削減などこの間の公務員削減政策によって、国、地方の様々な公務部門で必要な正規職員が配置できなくなり、国民生活の向上や安全などの職務遂行に支障が生じています。震災の救援・復興にあたっては、避難所の生活環境等の改善について内閣府通達がだされても、通達を受けとめ実行する「公務の力」が不足していることも指摘されましたが、正規職員削減の一方では、非正規職員がどんどん増やされており、そのことがまた、公務労働の現場において、職員の処遇悪化と給与水準低下の大きな要因になっています。
 ここ数年を見ると、2013年度が改定見送りとなり、給料の増額はありませんでした。2016年度は国に準じて実施された給与制度の総合的見直しの影響で、影響額は約9000万円であったものの、マイナス改定となりました。今回の提案は、一般職職員ならびに教育職員において、給料月額を引き上げるとともに、勤勉手当の増額、初任給調整手当の支給月額の限度額の引き上げ等を行うもので、一般職・教育職員全体における影響額の総額は11億6700万円となります。市長・特別職・議員の給与引き上げには賛同できませんが、一般職職員の給与改定は、職員の暮らしの向上が図られるとともに、民間企業等の給与にも大きく影響し、また地域経済の活性化にも大きく貢献すると考えられますので、党市議団としては賛成です。
しかしながら、今回の改定案の問題点は、一般職ならびに教育職員の給料等引き上げに、扶養手当の改定が抱き合わせとなっている点にあります。扶養手当制度の見直しは、国の制度に準じた見直しを行うもので、配偶者にかかる手当額を他の扶養親族にかかる手当額と同額の6500円まで段階的に減額、半分にまで減らすもので、減額することにより生じる財源を用いて、子どもにかかる手当額を引上げるというものです。子育てに対する支援ということでしょうか、子どもの扶養手当を引き上げることには賛成できますが、だからと言って配偶者の手当てを引き下げるべきではありません。子どもにかかる手当の増額は、子育て応援の財源を確保して他の扶養手当を削減することなく実施すべきです。また、今回の人事委員会勧告における扶養手当制度の見直しは、昨年見送り、今年5月から6月にかけて実施された職種別民間給与実態調査の結果を参考に検討したと報告されています。調査結果では、市内民間事業所において、配偶者手当の見直しを検討している事業所が増加傾向にあることや配偶者に家族手当を支給する事業所の割合が減少傾向にあることが確認できたと述べられていますが、民間事業所における家族手当の支給状況を見れば、81・5%の事業所が家族手当の見直し予定がなく、検討も行われていません。また、家族手当制度のある事業所のうち96・2%、ほとんどの事業所が配偶者への家族手当を支給しています。民間の手本となるべき公が率先して削減を実施することに道理はありません。支給額は、配偶者で12070円、配偶者と子ども1人の場合16413円と、若干低めではありますが、公務員の扶養手当を引き下げれば、さらに民間へもその引き下げ影響が及ぶことが懸念されます。また、夫婦共働き世帯が増えてはいるものの、高齢化の時代を迎え介護のために夫婦のうちいずれか一方が離職を余儀なくされるという事例もあり、以前とは違った意味で、配偶者手当は必要となってきています。そういう意味で、配偶者への扶養手当削減は行うべきではありません。
しかも、今回の見直しでは、配偶者にとどまらず、月額11000円支給されている配偶者がいない場合の1人目の手当も段階的に減額されていくため、この場合は子どもも父母等も削減されていくことになります。ようするに、子育てを応援するかのような体裁をとりながら、実際には13000円と、11000円という比較的高い額の扶養手当をただ削減するというものでしかなく、到底認められるものではありません。
公務員の賃下げは、公務員の生活を破壊するだけでなく、民間の賃下げと相まって、日本の労働条件全体を引き下げ、デフレの一因ともなってきました。
非正規職員の正職員化を含め、職員の処遇改善に取り組み、公務員が憲法に規定された「全体の奉仕者」として、公正中立で効率的な行政を第一とする民主的公務員として、住民の目線で働くためにも、その労働条件の確保・向上は重要であり、給与水準の引き上げに取り組んでいくべきと考えます。よって、今回の改定から段階的に実施されていく扶養手当制度の見直し、特に大幅削減となる配偶者の扶養手当削減は、受給者1828人へ影響を及ぼすものでもあり、やめるべきです。
また、勧告に述べられている女性職員の登用や時間外勤務の縮減、ワーク・ライフ・バランスの推進、ハラスメント防止対策、メンタルヘルス対策の推進と合わせて、市政への信頼回復に鋭意努めていただくようお願いいたしまして、討論といたします。
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