これは結婚生活5年目くらいに書いた、夫への手紙である。
しかし、結局夫には渡せずじまいだった。
この頃はまだ、モラル・ハラスメントという言葉は知らなかったが、
まさに、モラハラ行為そのものを感じていたんだと思う。
『あなたはこの先、私と生活していく覚悟はありますか?
ある日あなたは「運命だから仕方ないだろ」と言いました。私と生活していくことをやっと受け入れたのかと思っていました。
しかしあなたは私と何かあるたびに、何度も「出て行け」「君のせいで仕事ができない」「君のせいで生活はめちゃくちゃだ」と私のせいで、という言葉を使ってきました。あなたは私の作った夕食にはいつも不満でした。よく味があわず、あなたに「まずい」「こんなにまずく作って怒りが湧いてくる」などと言われましたね。だれもわざとまずく作って出すなどしません。結婚する前も、私が一生懸命作ったラッキョウを、あなたは「捨ててしまえ」と言いました。そう、あなたは結果がすべてなのです。私がいくら一生懸命作っても、心をこめて作っても、あなたにとってその味があわなければ、ただ怒りを表明するだけでした。あなたは私が料理をしない、と言いますが、私にとって料理を作ることは、あなたの怒りを誘発するかもしれない恐怖に満ちたものでした。そしてあなたは怒りにかられながらも夕食を作ってくれました。あなたは自分で作った夕食だったらなんでも満足していました。そして「最近は僕が作っているから怒らないですむ」とまで言っていました。たまに「おいしくなかったね」などとは言っていましたが。でもそうしながらあなたは努力してくださったのだと思います。
あなたは私が誕生日のプレゼントをあげたときも、「こんなもの使えない」と言いました。あなたに選んでもらった写真のセーターを編んだら、「おかまくさい」と着てもらえませんでした。あなたは人がどんなふうに思いをめぐらして、選んだのか、とか心をこめて作っても、そんなことはちっともお構いないのです。ただ結果だけで簡単に切り捨ててしまう。そんなあなたにがっかりしたこともありました。
私からあなたの生活をみると、本当に好きなように生活しているように見えます。朝は目がさめたときに起き、マイペースで仕事をし、しかも有休休暇がたっぷりあります。夜飲みに行きたいと思ったら、ふらりと出て行き、美人のママとのお喋りを楽しむ。
しかしそんな生活を妨害しているのが私の存在なのでしょうか。料理の味もまずく、滅多に作らない、掃除など家事もしないとおっしゃる。そして私がいるだけであなたの仕事の邪魔をし、人生をだめにし、以前の結婚のほうがよかった、と思わしめる。わたしがそれだけの存在だったら、いないほうがよっぽど有意義な人生となるでしょう。
あなたは自分の信仰について、「神を信じているだけでいい。神はそのままの自分を受け入れ、許してくれている」と話していましたね。でもあなたの言葉を聞いていると、自分だけがそうやって許され、他人はそのままの存在では許されない、というように聞こえます。あなたは神に許されている、と信じられないのではないですか?だから他人の欠点をせめ、攻撃し、いつまでも許せないのではないですか?しかしあなたは許されているのです。だから他の人も許された存在なのではないですか?あなたを見ていると、不満と不安だらけのようです。以前の家にいるときも、散々そこの住みにくさを言っていましたが、そこから引越したとき、あんなに希望していたのに、あなたはそのうち不満ばかり表明するようになりました。最初は喜んでいましたが、「ここの空気が呼吸器に悪い」「違うところに移りたい」と言い、自分一人で隣の市に住まいを見つけてきました。そして今は「ここに来たら体調が悪い」「別の場所に引越したい」と言い始めました。あなたは多分どこに行っても不満だらけで決して満足することはないでしょう。そして永遠にさまよっているのだと思います。
私はどこでも与えられた場所、そして人との出会いを大事に生きていきたい。あなたのようなそんな気紛れにはもう付き合いきれません。そんなに頻繁に場所を変わることは、私にとって、とても苦痛です。
そしてあなたの不安定さ。あなたは一度決めたことを、ころころと変えます。あなたが私に「あれを買ってあげよう」とか「今度あそこに行こう」とか話しても、私はあまり期待しないようになりました。それがあなたの気分や機嫌によって簡単に覆されることが多いからです。そして些細なことで怒りをあらわにしたり、不機嫌に布団にもぐってしまったり。日常の他愛ない話しひとつでも私はあなたの顔色をうかがい、こんなふうに話しても大丈夫か、まずセリフを考えます。そして、今話してもあなたは普通に聞いてくれるだろうか、眉間にしわを寄せて黙るだけだろうか、と考え、心からのびのびと話せなくなりました。
そしてなんといってもダメージを受けたのは、あなたには相談できない、ということです。あなたは人の話しをただ聴くことができない。聞くと自分がなにか結論をださなければならないと考えるか、聴くことがうっとうしくてそれで終わりにしてしまいます。私は職場でいろいろ悩んだときに、あなたにいろんな気持ちを話したかった。でもあなたは「偉そうに愚痴ばかり言いやがって」と食器をたたきつけて壊し、私を叩いただけでした。それ以来私は悩んだ結果、あなたにはだした結論や報告だけを伝えるようにしました。そのほうがあなたは楽なようでした。私にとっては非常に寂しいことでしたが、聞くことのできない人だと以前からうすうす感じていたので、それ以来いろいろな悩みなどはあなたに話さず、あなたを煩わさないように心がけてきました。』
ここで手紙は終わっている。
楽しいはずの結婚生活が、絶望と孤独に苛まれていく。
そんなモラハラエピソードを少しずつ綴ってみたい。
しかし、結局夫には渡せずじまいだった。
この頃はまだ、モラル・ハラスメントという言葉は知らなかったが、
まさに、モラハラ行為そのものを感じていたんだと思う。
『あなたはこの先、私と生活していく覚悟はありますか?
ある日あなたは「運命だから仕方ないだろ」と言いました。私と生活していくことをやっと受け入れたのかと思っていました。
しかしあなたは私と何かあるたびに、何度も「出て行け」「君のせいで仕事ができない」「君のせいで生活はめちゃくちゃだ」と私のせいで、という言葉を使ってきました。あなたは私の作った夕食にはいつも不満でした。よく味があわず、あなたに「まずい」「こんなにまずく作って怒りが湧いてくる」などと言われましたね。だれもわざとまずく作って出すなどしません。結婚する前も、私が一生懸命作ったラッキョウを、あなたは「捨ててしまえ」と言いました。そう、あなたは結果がすべてなのです。私がいくら一生懸命作っても、心をこめて作っても、あなたにとってその味があわなければ、ただ怒りを表明するだけでした。あなたは私が料理をしない、と言いますが、私にとって料理を作ることは、あなたの怒りを誘発するかもしれない恐怖に満ちたものでした。そしてあなたは怒りにかられながらも夕食を作ってくれました。あなたは自分で作った夕食だったらなんでも満足していました。そして「最近は僕が作っているから怒らないですむ」とまで言っていました。たまに「おいしくなかったね」などとは言っていましたが。でもそうしながらあなたは努力してくださったのだと思います。
あなたは私が誕生日のプレゼントをあげたときも、「こんなもの使えない」と言いました。あなたに選んでもらった写真のセーターを編んだら、「おかまくさい」と着てもらえませんでした。あなたは人がどんなふうに思いをめぐらして、選んだのか、とか心をこめて作っても、そんなことはちっともお構いないのです。ただ結果だけで簡単に切り捨ててしまう。そんなあなたにがっかりしたこともありました。
私からあなたの生活をみると、本当に好きなように生活しているように見えます。朝は目がさめたときに起き、マイペースで仕事をし、しかも有休休暇がたっぷりあります。夜飲みに行きたいと思ったら、ふらりと出て行き、美人のママとのお喋りを楽しむ。
しかしそんな生活を妨害しているのが私の存在なのでしょうか。料理の味もまずく、滅多に作らない、掃除など家事もしないとおっしゃる。そして私がいるだけであなたの仕事の邪魔をし、人生をだめにし、以前の結婚のほうがよかった、と思わしめる。わたしがそれだけの存在だったら、いないほうがよっぽど有意義な人生となるでしょう。
あなたは自分の信仰について、「神を信じているだけでいい。神はそのままの自分を受け入れ、許してくれている」と話していましたね。でもあなたの言葉を聞いていると、自分だけがそうやって許され、他人はそのままの存在では許されない、というように聞こえます。あなたは神に許されている、と信じられないのではないですか?だから他人の欠点をせめ、攻撃し、いつまでも許せないのではないですか?しかしあなたは許されているのです。だから他の人も許された存在なのではないですか?あなたを見ていると、不満と不安だらけのようです。以前の家にいるときも、散々そこの住みにくさを言っていましたが、そこから引越したとき、あんなに希望していたのに、あなたはそのうち不満ばかり表明するようになりました。最初は喜んでいましたが、「ここの空気が呼吸器に悪い」「違うところに移りたい」と言い、自分一人で隣の市に住まいを見つけてきました。そして今は「ここに来たら体調が悪い」「別の場所に引越したい」と言い始めました。あなたは多分どこに行っても不満だらけで決して満足することはないでしょう。そして永遠にさまよっているのだと思います。
私はどこでも与えられた場所、そして人との出会いを大事に生きていきたい。あなたのようなそんな気紛れにはもう付き合いきれません。そんなに頻繁に場所を変わることは、私にとって、とても苦痛です。
そしてあなたの不安定さ。あなたは一度決めたことを、ころころと変えます。あなたが私に「あれを買ってあげよう」とか「今度あそこに行こう」とか話しても、私はあまり期待しないようになりました。それがあなたの気分や機嫌によって簡単に覆されることが多いからです。そして些細なことで怒りをあらわにしたり、不機嫌に布団にもぐってしまったり。日常の他愛ない話しひとつでも私はあなたの顔色をうかがい、こんなふうに話しても大丈夫か、まずセリフを考えます。そして、今話してもあなたは普通に聞いてくれるだろうか、眉間にしわを寄せて黙るだけだろうか、と考え、心からのびのびと話せなくなりました。
そしてなんといってもダメージを受けたのは、あなたには相談できない、ということです。あなたは人の話しをただ聴くことができない。聞くと自分がなにか結論をださなければならないと考えるか、聴くことがうっとうしくてそれで終わりにしてしまいます。私は職場でいろいろ悩んだときに、あなたにいろんな気持ちを話したかった。でもあなたは「偉そうに愚痴ばかり言いやがって」と食器をたたきつけて壊し、私を叩いただけでした。それ以来私は悩んだ結果、あなたにはだした結論や報告だけを伝えるようにしました。そのほうがあなたは楽なようでした。私にとっては非常に寂しいことでしたが、聞くことのできない人だと以前からうすうす感じていたので、それ以来いろいろな悩みなどはあなたに話さず、あなたを煩わさないように心がけてきました。』
ここで手紙は終わっている。
楽しいはずの結婚生活が、絶望と孤独に苛まれていく。
そんなモラハラエピソードを少しずつ綴ってみたい。
ブログ解説おめでとうございま~す
解説初っ端から、すごい内容ですね・・・。
夜中にムキーーーッってなりました。
たくさん心に溜まった膿を出していきましょう!
膿を出していく過程で、苦しいときもある事でしょうが、
あの出口の無い結婚生活を思えば、なんて事はありません
だって、膿を出していく苦しみは、回復の過程での苦しみ・・・出口があるんですから
お互い自分を信じて歩いていきましょうね
PS:リンクお願いしても良いですか
ウメさんの、真綿で首を絞められるような
いつも空気が薄くて息苦しいような
あの生活を味わった者にしかわからない苦しみが伝わってきました・・・
>それ以来私は悩んだ結果、あなたにはだした結論や報告だけを伝えるようにしました。そのほうがあなたは楽なようでした。私にとっては非常に寂しいことでしたが、聞くことのできない人だと以前からうすうす感じていたので、それ以来いろいろな悩みなどはあなたに話さず、あなたを煩わさないように心がけてきました。
私もそうでした・・・
何か話せば、どう切り返され罵倒されるか、
繰り返した失敗体験で既に学んでしまっていました。
かくして、一人でどんどんスパイラルに入って行きました・・・
この心の叫びである「手紙」ですら、
「伝わらない」から「出せなかった」のですよね・・・
ブログ始められたのは、とてもいいことだと思います♪
宇砂子さんも仰っていますが、吐き出すのは辛い。
でも、吐き出した後はかなりすっきりします♪
これからも、よろしくお願いいたします☆
私もリンクお願いしま~す☆
読ませていただきました。
ただ、ため息です。大変だったんですね。
私もブログでモラとむきあいそろそろふた月です。
>らっきょう
を喜んでもらえなかった、捨てろでしたか。
酷いですね。
私は、味噌を毎年けなされていました。
丹念につくっていたのに、悲しかったです。
素早い一番乗りに、びっくりしました☆
とっても嬉しかったです(^^)
ありがとうございま~す!!
最初から字で埋め尽くしてしまった感じですが…
宇砂子さんに手伝ってもらって、膿をしぼりだしますっ!そして宇砂子さん、夜中に怒ってくれて、早速傷を消毒してくれたのですね!よかったらこれからもお願いしますね(笑)
こちらこそリンク、お願いいたします♪
宇砂子さんのブログもブックマークさせてくださいね☆
*まっち~さん
早速、応援いただきありがとうございます!!
まっち~さんに、たくさん共感してもらい、力づけてもらったおかげで、私も自分のこころの声を言葉にしてみようと思うことができました。
いつまで続くかわかりませんが、なんとか「伝えて」「出して」いこうと思っています☆
きっと、まっち~さんに背中をさすってもらいながら、ばんばん吐いて、すっきりしそうな予感がします(^^;)
こちらこそ、リンクをお願いいたします!
まっち~さんのブログもブックマークさせてくださいませ~☆
*すみれさん
はじめまして!
早速お読みいただきありがとうございました!
共感していただき、嬉しいです。
すみれさんのブログにもまたお邪魔しますね。
すみれさんは味噌を手作りされていたのですね。
すごいことなのに…。
モラはことさら、手をかけたものをけなしますね。私もいつもそうでしたよ。
またよろしくお願いいたします!
まっち~さんのブログやその他のコメントでよく拝見していたあのウメさんがブログを立てられたのですね、おめでとうございます。
”渡す事のなかった手紙”を読んで、かつての自分の事を思い出しました。私も日記は沢山つけていましたが、脱出する時に全部捨ててきました。今思えばあれが手元にあったら抜けている記憶が取り戻せるのにな…と、時々思います。
(脱出した当時の記憶がまだあいまいなのです。)皆さんのブログや書き込みを読みながら、自分の事を少しずつ思い出している今です。
そんな訳でウメさん、私も静かに見守る一人です。
居させてね。
私もまっち~さんのブログでは、妙子さんのコメントをよく拝見していました。
とても温かく、そして的確な視点をお持ちの方だなと感じていました。ただのお人ではないな!?と、思っていましたし、まっち~さんへのコメントながら、私自身も励まされていました。
また、ぜひよろしくお願いいたします!