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「日本のセリの将来について」の講習会(by JRA生産対策部)

2007年11月13日 | サラブレッドセール(セリ市場)情報
12日(月)、札幌全日空ホテルにて、「日本のセリの将来について」と題して講習会が開催され、JRA生産対策部調査役の坂本浩治氏が講演を行った。当講習会は、日本軽種馬青年部連絡協議会の企画により実施されたもので、要旨を下記にまとめてみた。



【JRAブリーズアップセールについて】
当セールは、下記5項目を留意して計画実施している。

 1、魅力ある育成馬の上場(トレセンへスムーズに移行できる馬)
 2、「信用」・「安心」が一番(情報開示の重要性)
 3、快適なセール環境(華美ではないが、もてなしの心)
 4、馬主と調教師の連携(懇談会や調教師プロフィール配布など)
 5、ニーズの把握(アンケート調査)

アンケート調査による「当セールの魅力は?」という回答では、「安心」と「情報開示」が多数を占めており、上記項目2番は重要なファクターである。
今後に関しては、現状規模(80頭)と手法を継続していく。加えて、最大10頭の繁殖牝馬を用いて生産も開始する予定。


【セリの動向】

1998年からスタートした「セレクトセール」が日本のセリに大きな影響を与え、今年度は「群馬・境TCサラブレッドセール」がスタートするなど、当歳~2歳で多様なセリが開催されている。今後は、「より中立的な立場の主催者」の出現に期待している。
また、セリの柱は「1歳市場」であると認識している。


【目指すべきセリの姿】

セリとは、「価格設定の場」と「取引の場」であると同時に、売り手と買い手の「夢をつなぐ場」「リスクを受け渡す場」である。故に、取引は「気持ち良く」が原則である。

最近のセリを見て感じることについて「良い点」としては、

 1、上場者の意識が向上している。
 2、基本的な躾が出来てきている。
 3、馬体が良くなってきている。
 4、馬体チェックがし易くなってきている。
 5、購買馬の騎乗馴致がスムーズにできるようになってきた。

「悪い点」としては、

 1、地域間格差が大きくなってきた。
 2、必要以上にビルドアップしているケースが見られる。

があげられる。良い点が伸びてきている要因としては、近年成長してきた「コンサイナー」「ピンフッカー」の関与があげられ、彼ら「プロの技術集団」がセリの活性化に大きく貢献している。一方で、中には「過度な運動負荷」や「行き過ぎた化粧(過度なマニキュア、皮膚へのオイル塗布)」も見られるのでその点は注意が必要。


【JRAの購買のポイント】

 1、中央馬主に興味を持ってもらえる血統・馬体。
 2、競走馬としてリスクの少ない健康な馬。
 3、馬を検査ができるように「躾」がされている。
    ※チェックのできない馬は買いにくい。
 4、見合う馬であれば、地区・牧場・頭数に関わらず購買対象。


【情報開示のこれから】

 1、開示内容は際限がない。
 2、売る側から提供される情報は買い手にとって「必要」だが「十分」ではない。
 3、その必要度は、購買者のセリに対する信頼度に左右される。
 4、質・量は上場馬の資質にも左右される。
 5、購買者が自ら検査できる体制作りが大切。


上記の中で特に強調されたのは、「セリは【安心】と【信用】が最重要」という点。これは、今年度のセレクトセール後に吉田照哉氏も同様のことを語っており(セレクトセールにみるセリの理想形)、買い手と売り手にとって【安心感】を与えられるセリ主催者が生き残っていけることを示唆している。

そのベースとなる重要要素が「情報開示」であり、その定着のためには、開示される情報の質・量の向上だけでなく、開示情報を正しく理解する(上場者側も購買者側も)知識も必須となってくる。そのための啓蒙活動もますます重要性が増してきそうだ。

by 馬市ドットコム

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