うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#431 【繋ぐ】

2011-07-21 | #13 神奈川 国体編
試合残り時間 57秒

愛知  92
神奈川 87




1分を切り、5点差。


ボールは森重がキープ。


絶体絶命のピンチを迎えている神奈川。




「いけーーーー!!愛知!!」

「守れーーー!!神奈川!!!」




会場の声援は真っ二つに割れ、コートに注がれる。



「寛!!一度戻せ!!」


天野がボールをもらいに動く。


「ん。」


『サッ!!』


森重は半回転し、天野へパス。



「!!!」

「!!」

「なに!!」



「清田!!」


森重と天野の間に割って入った清田。

森重の動きに素早く反応していた。



だが。



「フェイク!!」


味方をも騙す森重のパスフェイント。




「・・・。」にこ。

森重はあざ笑う。




「うわぁぁーーー!!」

「なっなんて冷静なんだーーーー!!!」

「すげーーぞ!森重!!!」




森重は、清田の動きを咄嗟に察知。


パスを避けた。


そして。



『クル!』


体をゴールにむけ、リングを狙う構えを取った。



「来るぞ!!!」

「守れ!!!!」




「仕方ねぇな。打つからには、入れろよ。」

冨名腰は、勝利を決定付けたかのように余裕の表情を浮かべていた。




『ダム!!』


力強いワンドリで黒川を弾き飛ばす。



「チャージング!!」


審判は笛を吹かない。



そして、力任せにゴール下のシュートを放った。



『ダン!!』



森重の耳の入るコートを力強く踏み込む音。



「どけーーー!!!」



黒川の肩を使い、高く飛び上がる大きな影。



「!!!!」


「!!!」


「!!!!」



(赤坊・・・。)




「桜木くーーーーん!!!!」

思わず立ち上がる晴子。




『バチーーン!!!!』



そして。




『ガタ!!』

安西もまた立ち上がっていた。




会場にいる全ての視線が、森重のシュートを叩き落す男へと向けられる。




「うぉぉぉーーー!!」

「ブローーーック!!!」

「桜木が叩き落したーーー!!!」

「桜木ーーーー!!!」




行く宛を失ったボールは・・・。



『パシ!』


山岡の下へ。




「ラッキーだーー!!!」

「キターーーーーー!!」

「いける!いけるぞ!!!」

神奈川ベンチが一気に沸く。


「残り時間は?」

「53秒!!!」

田岡に答える彦一。




「任せます!!」


「いくぜ!ついてこい!!」


「へい!」




「よっしゃーー!!」

「いけーー!!お兄ちゃん!!!」




「戻れ!!!」

「止めろ!!」

「ファウルしろ!!」




清田の速く力強いドリブル。


『ダムダムダム!!』



天野が並走。


清田のスピードを奪いにかかる。



「止められてたまるか!!!」



『ダムダム!!』


なおも加速するドリブル。



「!!」

「!!!」

(まだあんな脚力を残していたのか!!)



『ダムッ!!』


天野を振り切った。



(この背中の4番にかけて!!!)

「ぜってーーー!!決める!!!」


清田の眼の間には、1本のウィニングロード。



「うりゃーーー!!!!」



『パサ。』




「よっしゃーー!!!」

「いいぞ!清田!!」




「ナイッシュ!清田さん!!」

「フン!庶民シュートなど決めてトーゼン!!
この天才のブロックがあってこそだ!!」

「そうだ!赤毛猿!!てめーのブロックのおかげだ!!」

「おっ、素直だな!」

「ぜってー勝つぞ!!」

「ったりめーだ!!」


再び、清田の速攻が炸裂。

神奈川の3年が繋いだボールは、愛知のネットへと送られた。



残り49秒。

3点差に詰め寄った。




「可能性は残した・・・。だけど、神奈川が勝てる見込みは限りなくゼロに近い。
キセキでも起きない限り。」

弥生は静かにペンを置いた。




試合残り時間 49秒

愛知  92
神奈川 89







続く。