朗読教室ブログ「海のまち朗読館」

オンラインZoom朗読レッスンで、
お家にいながらコミュニケーション上手になるブログ


           

「海のまち朗読館」の朗読マジック

2016-01-25 20:10:57 | 海のまち朗読館

宣誓!「海のまち朗読館」の朗読とは。

しっかりした呼吸、ききやすい滑舌という、大前提の基本に忠実です。

作者の創作にかけた情熱を尊重し、文章を丁寧に読み込みます。

落ち着いた声と華やかさ、気軽さと優雅さを併せもった読みで聴く人を魅了します。

奇をてらわない素直な読み、遊び心のある演出が、読み手、聴き手双方に安心感、共感を与えてくれます。

これが私たち「海のまち朗読館」の朗読マジックです。
良い読み手は良い聴き手であり、良い聴き手はまた良い読み手でもあるものです。
お話が好きなお子様から文学を愛する大人まで、様々な朗読ファンとともに明日の朗読シーンを作ってまいります。

皆様、「海のまち朗読館」で一緒に朗読を楽しみましょう。


朗読に良い作品紹介*「赤とピンクの世界」片山廣子

2016-01-13 22:50:17 | 朗読作品

作者は、明治~大正~昭和を東京で美しく生きた、希有な女性です。

与謝野晶子と同じ年に生まれ、短歌歌集出版、アイルランド文学の翻訳、随筆や小説を書いています。

しかし「働く女性」というより、官僚の妻として子供たちをエリートに育て上げ、あくまで家庭人の枠の中で文才を熟成させた女性でした。

「赤とピンクの世界」は、あるおばあさんが行方不明になり、ひと月後に少し離れた町の井戸で身投げしていたのが見つかるという物語です。

彼女は一見恵まれた身上に思われるが、そのことがかえって生きる意欲をなくすことになってしまったと作者は考えます。

もしおばあさんが貧乏で、生活の為に日々をやりくりしていたらこんなことにならなかったはずだ、

欲や得があるうちは、人間は死ねないものだろうと推測するのです。

しかし作者は赤貧というほどの貧乏を知らないからそんなことを考える余裕があるのかもしれない、

自分の知っている貧乏はピンク色くらいのもので、我慢の余地を残しているレベルだから希望も持つことができないわけではない。

そして…。

この作品は10分くらいで朗読できます。

明治、大正~昭和初期の風物誌的描写を楽しみながら読める、エッセイです。

 


朗読に良い作品紹介*「海の夢山の夢」宇野浩二 

2016-01-05 21:55:45 | 朗読作品

暖かいお正月、いかがお過ごしでしたか?

朗読ファンの皆様には、今年どんな本を読もうかと、計画された方も多いことでしょう。

今年はこのブログにて、朗読作品をご紹介してみたいと思いますので、良かったらご参考にされてください。

まずは宇野浩二の「海の夢山の夢」。

大正時代の大阪出身の作家の描いた少年のお話です。

そのころは誰もが貧しかったのだと、今の私たちはさらっと通り過ぎてしまいがちですが、

その中でも特に貧しい家庭というものはあって、そこでは我慢を強いられたり友達に恥ずかしい思いをする子供がいました。

周りと違う、みんなと違うというのは古今東西を問わず差別やみじめさをもたらすものなのですね。

生きることに付きまとうかなしさから逃げることのできない少年を、ユーモアをもって主役の座につかせているお話です。

普通に読むと11分くらいになりますので、ちょっとした朗読会には良いと思います。

難しい言葉や漢字、言い回しなどはありませんし、文法的に読みにくい部分もないですから、初めての方にも良いのではないでしょうか。

ご参考まで。