大晦日の夜、知人と連れもて初詣みたいなものに行きました。先日、この知人に誘われたのです
「GGIよ、去年の大晦日、びわこホールでの年越しジルベスタ―コンサートにいったけれど、今年はどうする?曲目はベートーベンのなんとかかんとかや」
「去年はロシアづくしでよかったよなあ、それに休憩時間などに若干の想定外の遭遇があったりして、なかなかオモロカッタなあ・・今年はベートーベンかあ・・・あんまりオレの趣味やないなあ・・・」」
「そうか、じゃあ三井寺なんかどうや、あそこはタダで甘酒飲めるそ」
「おお、それは結構!わかった、タダ甘酒を飲みにいこう!」
かようなしだいで午後10時半過ぎに知人が車で迎えに来てくれました
「ちょっとまだ早いけれど、紅白という国民的○○番組が終わるとみんなそれ初詣でというわけで道も駐車場も混むから早めに迎えにきた」
「ありがとう、ところでその○○って何や?」
「○○にはお好きな単語を入れてください、ただしできればあの大阪府警機動隊員のような口汚い知性なき差別用語や放送禁止容疑はさけてください、あとはご自由にということや」
「そうか、それなら痴呆なんていうのはあかんのか、国民的痴呆番組・・」
「そやなあ、微妙やなあ、ポリティカル・ポライトネス的には認知症的とでいったほうが適切かもしれんなあ、それでも問題かもしれんなあ・・」
三井寺境内、国宝である金堂の前の広場が初詣の会場です。金堂はライトアップされてなかなかの眺、急な石段を上って金堂前の広場に向かいました。まだ午後11時前でありましたがもう結構な人出です
寒い夜ですので数カ所にたき火の明かりが見えます。空は晴れて星が瞬いています。しばらくたき火で暖まってから、近くに張られたテントに向かい、さっそくタダ甘酒を所望いたしました。大きなお鍋から紙コップにタップリ甘酒を注いてくれます。
からだが暖まってなかなか結構というわけで、すぐにもう一杯。これで本日の主目的は達したのですが、まだ除夜の鐘がなりだす午前零時までには時間があります。
その間、午前零時までの時間つぶしサービスと言うつもりなのでしょうか、金堂の前で、ジャズバンドが演奏。周囲に若干人だかりがしています。しかし、正直申し上げてはた迷惑でありました。GGI、ジャズは嫌いではありませぬが、時と場所をわきまえないとまことに不快でありました。
人々は初詣にきたのであり、ジャスを聞きたくて来たわけではありませんぬ・ですから、ジャズの演奏は騒音に過ぎませぬ。夜中に、聖なる金堂の前で、仏さまたちの前で、意図的に騒音を響かすとはまことにバチあたりであります
国宝である金堂とジャズのコラボレーションなんていうつもりかもしれませんが勘違いもはなはだしい・・・GGIを含めた善男善女は、年が変わる厳粛なる瞬間が訪れるまで静謐なる環境のもとで時を過ごしたいのに、これではぶち壊しであります。
かつて、十三年ほど前、GGIはこの国宝である金堂を死刑囚の絵画展の会場に使わせてもらったことがあります。ですから三井寺さんには心から感謝し敬意を表しているのでありますが、この大ミスマッチはまったくいただけませぬ。
三井寺のトッブを務める人物はGGIが中学校時代の国語の先生であり、先日も別の用事で三井寺を訪れたとき、偶然お会いしましたのでご挨拶したのでありますが、機会があれば、あのジャズ演奏、今後はおやめになるように申し上げたいと思いました。
午前零時が近づいたころ、遠く闇の中から声が聞こえてきました。
「六根清浄・・・六根清浄・・・六根清浄・・・」
大きな提灯を掲げた白装束のお坊さんを先頭に、小さな明かりを手にしてた人々の列が現れました。門徒の方々の行列のようでず。一行は次々に金堂の中に吸い込まれるように入っていきます。
やがて、僧侶たちの読経が始まり、三井の晩鐘で知られる三井寺の鐘の音が響きはじめました
鐘を突くには一回千円が必用、でもたくさんの人たちが列をなして鐘を突く順番を待っていました。そのなかに観光バスでやってきた一行を案内している旅行会社の添乗員さんがいましたので知人が聞きましたら「ええ、そうです。鐘を突く料金も旅行代金に入っております」
というわけで三井寺の鐘は、煩悩の数を超えても、108回を超えても、なお鳴り響くということのようであります。
甘酒も飲んだ、除夜の鐘の音も聞いた、というわけで道があまり混まないうちに帰ることにいたしました
急な石段、年相応に足元に気をつけながら降りていると知人が申しました
「そうや、初詣にきたというのに、賽銭もあげなかったし、拝みもしなかったなあ・・・」
「そやなあ・・・まあ慣れないことするとこんなもんや・・・」
今日の写真は「六根清浄」と唱えながら金堂へと向かう人々の列を撮ったものです。よろしければクリックしてご覧くださいませ
新年にあたり、みなさんによりよき明日が訪れますよう、心からお祈りいたします
グッドナイト・グッドラック!