国鉄フライヤーズ

目指せカネ、ヒマ、若さ

笹川良一「悪名の柩」を読んだ

2011-02-23 01:00:00 | 本、映画、イベント
日本船舶振興会CM 昭和54年放送 (2)



「戸締り用心、火の用心 」
「一日一善 」
「お父さんお母さんを大切にしよう 」

我々の世代にはお馴染みのあの変なオジサンの話だ。

ギャンブルの胴元、ムッソリーニと会見したA級戦犯。

しかし公営ギャンブル自体は違法でないし、戦犯も容疑だけだ。
起訴されずに釈放された人を戦犯呼ばわりするのは推定無罪の原則に反する。
菅さんたちのように人格を疑われる(笑)。

アヤシイ人ではあったが、赤い赤い朝日(当時)やサヨクが攻撃するので
私は何となく応援したい気持ちもあったかもしれない。

この本に書かれているが総評議長で日教組委員長でもあった槙枝元文 は
笹川攻撃の急先鋒だった。
その槙枝が後に自分の名誉職「日中技能者交流センター 」が資金難になったとき
笹川財団から助成金を貰ったと。
しかもその後も笹川の悪口を言うとは(笑)。

ギャンブルの汚れたカネ。
笹川の競艇はいけなくて、闇の違法ビジネスであるパチンコについては攻撃しない。
日本のサヨクはご都合主義だな。

さて まさに「悪名」の宝庫笹川良一。
ダークサイドばかり強調するのは如何なものか。
ということで、その良いところだけを書いた(?)のが本書。

帯にあるのは

並外れた才覚と精力で金を繰り人を動かし。
昭和の激動を東奔西走。
”政財界の黒幕”と呼ばれた男の「カネ」と「女」と
国家観を描ききる。

メザシを愛し、風呂の湯は桶の半分まで。
贅沢を厭い、徹底的な実利思考と天賦の才で財を成すも、福祉事業に邁進し
残した財産は借金ばかり。
家庭を顧みず、天下国家、世のために奔走。
腹心の裏切り行為は素知らぬ顔でやり過ごし、悪口は”有名税”と笑って済ませた。
仏壇には、関係した女の名が記された短冊を70以上並べ、終生色恋に執心した。
日本の首領の知られざる素顔。

ということで、結構いい人ですよという人物論でした。
痛快人物伝と言ってもいい。

しかしやはり物足りないのは日本船舶振興会設立のくだり。
真相を知る関係者はなくなっているという趣旨の記述で、非常にあっさりとしている。
それおかしいでしょ。

一緒に巣鴨プリズンから出た正力松太郎や児玉誉士夫、岸信介は占領軍の手先となって、
自民党を作り日本を反共の砦としたCIAエージェントと言われる。
その岸らのサポートがあっての競艇事業だ。

一時は2兆円の売り上げで700億が財団に転がり込む巨大利権。
綺麗ごとではできません。
そして交付金の多くは笹川ファミリーと運輸省ファミリー。
真黒だ。

そしてこの事業を笹川に変わって運営したのが配下で元右翼ゴロの藤吉男。
しかし彼が笹川に反旗を翻した矢先に都合良く突然死。
財団は三男の笹川陽平に世襲される。
ううん、できすぎじゃね?

カネの使いっぷりは確かにいいようだが、この本では巨額の資金を「先物の相場で儲けた」
の一言で片づけている。
文鮮明や田岡一雄らのブラックな人たちと交流があり、大阪鉄道買占めで恐喝容疑で
4年間収監(但し最後は無罪)されていた笹川さん。
清廉潔白はちょっと説得力ないか。

そして東条に逆らい開戦に反対したらしいが、笹川の「国粋大衆党」。
スローガンは「満州国即時承認、暴支膺懲、国際連盟脱退、
国体明徴、親独伊、汪兆銘南京政府承認、南洋進出」
ということで間違いだらけじゃん(笑)。

まあしかし、おもろいオッチャンではある。
裕福な育ちだが学業に興味なく飛行機乗りの修業をして空路ムッソリーニに会いに行く。
おねえちゃん好きで「下半身の人格は別」と公言する愛嬌者。
東洋のマタハリこと川島芳子とも浮名を流した。
騙されてナヒモフ号の秘宝ロマンに大金をはたいたり。

児玉誉士夫や文鮮明と袂を分かつのはやはり生まれ持っての育ちの良さがさせる業か。
この人には明るさがあるね。

悪名の中和ということで、読んでみても損はない。



「悪名の柩」
工藤美代子著
幻冬舎

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