u2の不定期更新日記

感じたことを思いつきで書いてみます。

級友との約束 9

2017年03月13日 04時56分15秒 | Weblog
6 手紙

しばらく沈黙が続いた。ふと時計を見ると1時40分になるところだった。
「僕は2時に行かなければならない。最後に君に頼みがある。この手紙を15年後に息子に渡してもらいたい。こんなことを頼めるのは、学生時代の友達の君しかいないんだ。本来、銀河連邦に関することを、地球人に話してはならないんだ。だけどエルが特別に信頼出来る人間ならばと許可してくれた。今まで生きてきて、同僚や知人はたくさん出来たけど、信頼できる友達は君しか思い浮かばなかった。15年後に二十歳になっている息子にこの手紙を君から渡して欲しい。中にはなぜ両親がいなくなったのか、父が遠い星に行ったことが書いてある。頼む。もちろん、15年の内には引っ越したりして、行方が分からなくなることもあるだろう。その時はその手紙を破棄してくれればいい。頼む。」
手紙を受け取り、 「わかった。15年後に手紙を息子さんに渡すよ。約束する」
「ありがとう。もうお別れの時間だ。僕が店を出てから10分してから店を出てくれ。今日はわざわざありがとう。君のような友達が持てたことを感謝するよ。じゃ、さようなら。」
「気をつけてな」 辻田は立ち上がり、伝票を持って支払いを済ませ、店を出ていった。最後にいつものニコニコ顔を見せて、軽く手を挙げて出ていった。

しばらく呆然としていた。「宇宙人」「銀河連邦」「報告書」「事件」「手紙」といった言葉が頭の中でぐるぐる回っていた。
それからようやく立ち上がり店を出た。
街はまだ秋というよりは夏の気配だった。
その夜、家の窓から星を眺めた。エランド星はいったいどこにあるのだろう。級友との約束は必ず守ろうと思う。自分が生きているうちに地球人の成熟度が上がり、銀河連邦の使者が来ることを祈った。
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