透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

映画「ドリーム」を観た

2017-11-11 | E 週末には映画を観よう

■ 1961,2年 時のアメリカ大統領はケネディ。宇宙開発競争においてアメリカはソ連に大きく引き離されていた。その頃NASAで活躍していた黒人リケジョ3人の実話に基づく物語。



リケジョ1人目 数学の天才少女だったキャサリンは今では夫に先立たれて娘3人を育てるシングルマザー。彼女は卓越した計算能力を買われてNASAの宇宙特別研究本部に配属されるも、白人男性だけのフロアは針のむしろ状態。白人と黒人はトイレが別で彼女は書類を抱え、走って800mも離れたトイレへ。その様子がコミカルに描かれている。彼女は宇宙船を楕円軌道から放物線軌道にどのポイントで変えるか、宇宙船の着水ポイントを正確に求めるといった高度なレベルの課題に優れた計算能力を発揮し、次第に一目置かれる存在になっていく。当時はスーパーコンピューターがまだ稼働しておらず、宇宙船の軌道計算などは手計算で行われていた。

映画を観ていて救われたのは総括責任者のハリソン(ケビン・コスナー)には差別意識や偏見がなかったこと。時々席を外すキャサリンを問い詰めたハリソンに対してキャサリンが具体的に事情を訴えるシーンには胸が詰まった。事情を知ったハリソンが有色人女性用トイレの室名札をハンマーで叩き壊して一言、「NASAじゃ、みんな小便の色は同じなんだ!」。ただ、ここで壊すべきは白人女性用トイレの室名札ではなかったのかな。

リケジョ2人目 計算部門のリーダーとして働くドローシーは不当な扱いを受けながらも女性管理職を目指して頑張っている。ドローシーはスパコンが導入されれば、自分たちの仕事がなくなることを察知、それに備えてプログラミングをいち早く学び、その習得の必要性を同じ計算部門の黒人女性たちに説く。そして彼女たちは導入されたIBMのコンピューター室で働くことになる。

リケジョ3人目 メアリーはエンジニアとしての資格取得のためにに必須のプログラムを白人専用学校で学べるように裁判所へ請願して許可を得る。この時メアリーが判事に向かって訴えた、その弁舌が冴えていた。それに私は感動の涙。

3人の黒人リケジョたちは理不尽な対応にもめげず、きっちり仕事をすることで実力を示し、立ちはだかる障壁を越えていく。その姿には本当に感動した。久しぶりに好い映画を観た。 そうか、意志のあるところに道はある、か・・・。


 


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