■ 東筑摩郡生坂村は長野に至る国道19号線沿いの山間(やまあい)に点在する集落から成る。先日の火の見櫓巡りのコースにこの村も入っていた。
村内を車で移動中に茅葺き屋根を見かけることはなかったが、写真のような瓦棒葺き屋根はいくつか見かけた。これらは茅葺き屋根をカラー鉄板で覆ったものだ。
箱棟のてっぺんの棟木の両端部が大きく反っていること、箱棟の壁面に施された白い四角を反復させるデザインがこの辺りの屋根に共通する特徴と見た。機能的な意味は特にない。棟木には雪割りの効果があるかもしれないが(雪割りは屋根に降り積もる雪を棟で「割り」、滑落を促進する)。
職人さんの美意識が手間のかかる仕事を敢えてさせていたのだろう。共通するデザインの民家が点在する集落は美しい。 そのような光景も繰り返しの美学のバリエーションと言うことができる。