透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー



映画「砂の器」の緒形さん

2008-10-11 | A あれこれ

 俳優の緒形 拳さんの追悼番組をラジオで聴きました。一昨日の夜、帰宅途中でのことです。番組で緒形さんは出演した映画などの想い出を語っていました。

私が覚えているのは松本清張原作の「砂の器」に出演した緒形さんです。

ハンセン氏病に罹った父親と息子は北陸の村を追われて放浪の旅に出ます(村を離れるシーンに確か合掌造りの集落が出てきたと思いますが、ロケ地は五箇山ではなかったかと)。その親子を山陰のある村(あるいは町だったかもしれません)で保護した三木巡査を演じたのが緒形さんでした。緒形さんは父親の役をやりたいと思ったそうですが、野村芳太郎監督からはその役は10年前から加藤 嘉さんに決まっていると言われたそうです。

父親を療養施設に入れ、息子の秀夫を育てることにしたのですが、しばらくして秀夫は行方不明に・・・。「秀夫!」と叫びながら必死に捜す三木巡査の姿が印象的でした。三木巡査がバリカンで秀夫の髪を刈るシーンも覚えていますが、これは緒形さんの提案によるものだそうです。

時は流れて・・・、秀夫は作曲家・和賀英良として有名になります。映画で和賀英良を演じたのは加藤 剛さん、この役を数年前のテレビドラマではスマップの中居君が演じていました。

伊勢に旅行した三木元巡査は映画館で偶然目にした写真に写っていた青年に秀夫の面影を見ます。「秀夫に間違いない」そう思った三木は秀夫に会うために予定を変更して上京することに。ちなみに、映画館の支配人役で渥美 清さんがチラッと登場します。このときは館内に笑い声が。

和賀英良の決して人に知られたくない暗い過去、それを知る三木元巡査。都内蒲田でふたりは再会します。ふたりにとってそれは不幸な再会でした。「カメダは今も相変わらずでしょうね」バーでふたりが交わした言葉が難事件を解くカギになります。このとき三木が東北弁を話していたと後にホステスが証言します。これもまた重要なカギに。

 
左:出雲の一部でも東北と同じズーズー弁が使われている! 「日本方言地図」
右上:和賀英良(加藤剛)と婚約者の田所佐知子(山口果林)
共に新潮文庫より


和賀の婚約者を山口果林(この名前は安部公房がつけたと何かで読んだ記憶があります)が演じました。ショートカット、知的美人。愛人役の島田陽子、影のある暗い表情。共に好みのタイプを演じていました。

原作を中学のときに読んで、こんなに面白い小説があるんだと思ったことも覚えています。

緒形 拳さんはロケ地の宿で加藤 嘉さんと同室になったそうですが、その時のエピソードも番組で語っていました。その後緒形さんはやはり松本清張原作の「鬼畜」に出演することになるのですが、それは清張の推薦に拠るのだそうです。

映画の後半、巡礼姿の親子の放浪の旅のシーンでは涙がとまりませんでした。このとき流れた音楽をラジオで聴いた時はやはり涙が出ました。思い出すままに続けるときりがありません。今回はこの辺で。


 

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